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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1806.03494
Peterson et al. (2018)
A 2 Earth Radius Planet Orbiting the Bright Nearby K-Dwarf Wolf 503
(明るい近傍の K 矮星ウォルフ503 を公転する 2 地球半径惑星)

概要

2009 年の打ち上げ以降,ケプラーは地球と海王星の中間サイズの惑星を多数発見している.

最近の系外惑星の半径分布の研究では,1.5 - 2.0 地球半径付近での分布のギャップが確認されており,ここを境に非公式に “スーパーアース” と “サブネプチューン” に分割されている.
このギャップの起源はよく分かっていない.これは主に,ケプラーで発見されている惑星の大部分は遠方の暗い恒星を公転しており,視線速度法でのフォローアップ観測やトランジット分光観測に適しておらず,惑星の密度や大気の測定が難しいことが原因である.


ここでは,2.03 地球半径の惑星ウォルフ403b をトランジット法によって新しく発見し,その特徴付けを行った.観測は,ケプラー K2 ミッションの Campaign 17 の期間中に行われた.

中心星のウォルフ403 (Wolf 403,EPIC 212779563) は J バンド等級が 8.32 と明るい恒星で,太陽系から 44.5 pc と近傍であり,固有運動が大きい.この恒星はスペクトル型は K3.5V 星と分類され,銀河系の厚い円盤に属する恒星である.

伴星の存在確率や偽陽性検出の確率を,アーカイブ画像とパロマー天文台での高コントラスト補償光学観測結果を用いて求めた.その結果,伴星の混入や偽陽性である可能性は非常に低いと考えられる.

中心星は明るいため,視線速度のフォローアップ観測や,ハッブルでのトランジット分光観測,ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡での大気の詳細な特長付けに適している.
この惑星の半径は,惑星半径と存在率分布のギャップの近くに位置しているため,半径ギャップの起源を理解する良い機会であるとともに,“スーパーアース” と “サブネプチューン” の分布の性質を知る良い機会となる.

パラメータ

ウォルフ403
距離:44.583 pc
年齢:110 億歳
スペクトル型:K3.5V
金属量:[Fe/H] = -0.47
有効温度:4716 K
質量:0.688 太陽質量
半径:0.690 太陽半径
光度:0.227 太陽光度
ウォルフ403b
軌道周期:6.00118 日
半径:2.030 地球半径
軌道長半径:0.0571 AU
日射量:地球の 69.6 倍
平衡温度:805 K (アルベドをゼロとした場合)

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