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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1806.04672
Rodenbeck et al. (2018)
Revisiting the exomoon candidate signal around Kepler-1625b
(ケプラー1625b まわりの系外衛星候補シグナルの再検討)

概要

木星サイズの系外惑星候補ケプラー1625b のトランジット測光観測から,この惑星を公転する衛星の存在を示すシグナルがあるという解釈が提案されている.この前例の無い系外衛星 (exomoon) 候補天体は,海王星と同程度のサイズだと推定されており,太陽系内のいかなる衛星とも似ていない.

ここでは,この系外衛星状のシグナルが,実際にケプラー1625b の周りを公転する大きな天体によって引き起こされているのか,あるいは恒星のシグナルや機器のノイズ,データのトレンド除去手続きによって引き起こされているものかを検討した.

モデルフィッティングのためのトランジットデータを準備するため,いくつかのトレンド除去手段を調査した.二次,三次,四次の多項式と,Cosine Filtering with Autocorrelation Minimization (CoFiAM) の導入を用いた.

その後,惑星系の天体が同一平面上にあると仮定した軌道力学の光度曲線シミュレータを与え,その結果として得られる惑星-衛星系のトランジット光度曲線を,ケプラーデータにフィッティングした.さらに,ベイズ情報量規準 (Bayesian information critetion, BIC) を用いて,単一の惑星によるトランジットか,惑星-衛星系によるトランジットのどちらが光度曲線変化の解釈としてもっともらしいかを評価した.

その結果,系外衛星的シグナルの統計的有意性と特徴は,トレンド除去手続き (多項式かコサインか) と,トレンド除去に選んだデータ,および光度曲線中に存在するギャップの扱いに強く依存することが分かった.

ケプラー1625b の現在参照可能なデータ中に系外衛星のシグナルが存在するという解釈には,トレンド除去過程が明確に重要であるという心配が存在する.さらなる高精度のトランジット観測によってこの影響は抑えられると考えられるが,それに必要な追加のデータは大きくなるだろう.

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