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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1509.02741
Kama et al. (2015)
Fingerprints of giant planets in the photospheres of Herbig stars
(ハービッグ星の光球面における巨大惑星の痕跡)

概要

A型星の 2%が、難揮発性物質に乏しい光球面を持つ。
この原因としては、ダストよりもガスが優先的に光球面に降着するという仮説が考えられているが、その詳細な過程や、降着する物質の起源が恒星周囲からなのか、星間空間からなのかは不明である。

また、似たような難揮発性物質の欠乏は、若く円盤を持ってるハービッグAe/Be星 (Herbig Ae/Be stars)の ~ 30%でも見られる。

ここでは、この化学的な特異性は星周円盤に起因するという説を検証する。
恒星の元素存在量と、原始惑星系円盤の構造が分かっているサンプルを用いて解析を行った。
その結果、暖かく、フレアアップした group Iの円盤を持つ恒星は、冷たくフラットな group IIの円盤を持つ恒星に比べて、Fe, Mg, Siが 0.5 dexほど欠乏しているという事が判明した。
なお両グループにおいて、揮発性物質 (C, O)は同じであった。

Group Iの円盤は一般には遷移円盤であり、ミリメートルサイズのダスト粒子の動径方向のcavity (欠乏領域)を持つ。しかし group IIの円盤はそのような構造は見られない。

これらの結果から、恒星表面での重元素の欠乏は、木星型惑星がダストの恒星への降着をブロックし、しかしガスの降着は継続して起きるために引き起こされるものである、という説を提案する。
降着する物質のダスト・ガス比を計算し、惑星によってダストが掃かれている円盤のモデルによるダスト・ガス比を一致することを確認した。
Group IIではガス・ダスト共に恒星に降着するため中心星の表面での重元素量は増えるが、group Iではダスト (Fe, Mg, Si)は一部が惑星にトラップされてしまって降着せず、対してガス (C, O)は恒星に降着する。そのためダスト起源の重元素の欠乏が発生する。

またこの結果は、少なくとも ~ 30%のハービッグAe/Be星まわりには、~ 0.1 - 10木星質量の惑星が隠れていることを示唆する。

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