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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1806.08799
Bryan et al. (2018)
An Excess of Jupiter Analogs in Super-Earth Systems
(スーパーアース系におけるジュピターアナログの超過)

概要

視線速度観測を用いて,スーパーアース (1 - 4 地球半径,1 - 10 地球質量) を内側に持つ惑星系における,重い長周期の巨大ガス惑星の探査を行った.この探査の目的は,このポピュレーションの惑星の,形成と移動シナリオに制約を与えることである.

65 個の恒星の視線速度データを用いて,既に公開されている視線速度データセット全てを整合的に再フィットした.またそのうち 9 個の惑星系で,外側の伴星天体の存在を示唆する,統計的に有意な傾向を検出した.
これらの視線速度データを補償光学を用いた撮像観測結果と合わせ,これらの伴星天体の質量と軌道長半径を制約した.

サンプルをべき級数分布でフィッティングして,長周期の伴星の存在に対する感度を定量化した.その結果,質量が 0.5 - 20 木星質量で,軌道長半径が 1 - 20 AU の伴星天体 (惑星あるいは褐色矮星) が存在する頻度を 39 ± 7% と推定した.

今回探査対象とした惑星系のサンプルのうち,半分はトランジット法で惑星が発見された系であり,もう半分は視線速度法で発見されている.2 つのサンプル間の視線速度のベースラインとデータ点数の差は,遠方に存在する伴星天体に対する異なる感度をもたらすが,各サンプルにおける巨大ガス惑星の存在頻度は 0.5 σ の水準で整合的であった.

これらの惑星系における木星類似天体 (Jupiter analog,ジュピターアナログ) の存在頻度を,散在星に対するサーベイでの同様の惑星の存在頻度と比較した,その結果,ジュピターアナログはスーパーアースを有する惑星系においてより一般的な存在であることを見出した

結論として,惑星系の外側軌道を公転するガス惑星の存在は,惑星系内側でのスーパーアースの形成を抑制しないと推測される.またこれらの 2 つの集団の存在は,お互いに相関しているように見える.

また,巨大ガス惑星を持つ系の恒星の金属量は,同様の惑星を持たない系の金属量よりも有意に高いという結果が得られた.これは,散在星に対する視線速度サーベイからのよく研究された金属量相関性の結果とよく一致している.

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