×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1807.00024
Zhou et al. (2018)
The warm Neptunes around HD 106315 have low stellar obliquities
(HD 106315 まわりのウォームネプチューンは低い恒星傾斜角を持つ)
この恒星は他にも,2.5 地球半径で軌道周期 9.55 日のスーパーアース HD 106315b を持っている.
Megellan/MIKE,HARPS,TRES の装置を用いて 4 回のトランジットを観測し,そのデータのドップラートモグラフィーでの解析を行った.
その結果,HD 106315c の公転軸と恒星の自転軸の間の傾斜角は -10.9° 程度と推定され,恒星の自転軸と惑星の公転軸が揃っている配置であることがわかった.
力学的 N 体計算からは,この系の 2 つの惑星は同一平面上を公転しているべきであることが示唆されている.従って,どちらの惑星も公転軸と恒星の自転軸が揃っていると考えられる.
HD 106315 は,海王星程度の質量の惑星を持っていてその傾斜角が測定された惑星系としては 4 番目となる.
これまでのところ,全てのウォームネプチューンは揃った配置にあることが発見されており,これらの系は内側の原始惑星系円盤でその場形成されたという解釈と整合的な結果である.また,ケプラーで発見されている,低軌道傾斜角にある複数惑星系の大部分と整合的である.
この惑星のトランジット深さは 1.02 mmag であり,この惑星はトランジット分光で検出された惑星の中では最も小さいものの一つである.
例えば,K4V の中心星を 4.9 日 で公転する惑星である HAT-P-11b は,トランジット分光観測と恒星黒点の横断観測から,極軌道にあることが分かっている (Bakos et al. 2010など).さらに,WASP-107b では,5.7 日周期の間に連続的な黒点横断イベントが見られなかったことから,この惑星は不揃いの軌道にあることが示唆されている (Dai & Winn 2017).
また 2.5 日周期の GJ 436b も極軌道の配置にある (Bourrier et al. 2018).
例えば,ケプラー25c は 4.48 地球半径で軌道周期が 12 日の惑星であり,F 型の中心星の自転軸と揃った公転軸を持つ (Albrecht et al. 2013).また,ケプラー50 とケプラー65 系でも揃った配置と整合的な結果が得られている (Chaplin et al. 2013).
arXiv:1807.00024
Zhou et al. (2018)
The warm Neptunes around HD 106315 have low stellar obliquities
(HD 106315 まわりのウォームネプチューンは低い恒星傾斜角を持つ)
概要
ウォームネプチューン HD 106315c の傾斜角を,分光トランジット観測から測定した.この惑星は 4.4 地球半径で,中間的な速度で自転をしている晩期 F 型星を,21.05 日周期で公転している.この恒星は他にも,2.5 地球半径で軌道周期 9.55 日のスーパーアース HD 106315b を持っている.
Megellan/MIKE,HARPS,TRES の装置を用いて 4 回のトランジットを観測し,そのデータのドップラートモグラフィーでの解析を行った.
その結果,HD 106315c の公転軸と恒星の自転軸の間の傾斜角は -10.9° 程度と推定され,恒星の自転軸と惑星の公転軸が揃っている配置であることがわかった.
力学的 N 体計算からは,この系の 2 つの惑星は同一平面上を公転しているべきであることが示唆されている.従って,どちらの惑星も公転軸と恒星の自転軸が揃っていると考えられる.
HD 106315 は,海王星程度の質量の惑星を持っていてその傾斜角が測定された惑星系としては 4 番目となる.
これまでのところ,全てのウォームネプチューンは揃った配置にあることが発見されており,これらの系は内側の原始惑星系円盤でその場形成されたという解釈と整合的な結果である.また,ケプラーで発見されている,低軌道傾斜角にある複数惑星系の大部分と整合的である.
この惑星のトランジット深さは 1.02 mmag であり,この惑星はトランジット分光で検出された惑星の中では最も小さいものの一つである.
傾斜角について
中心星に近接した軌道にあるホットネプチューンには,大きく傾いた軌道にいる場合がある.例えば,K4V の中心星を 4.9 日 で公転する惑星である HAT-P-11b は,トランジット分光観測と恒星黒点の横断観測から,極軌道にあることが分かっている (Bakos et al. 2010など).さらに,WASP-107b では,5.7 日周期の間に連続的な黒点横断イベントが見られなかったことから,この惑星は不揃いの軌道にあることが示唆されている (Dai & Winn 2017).
また 2.5 日周期の GJ 436b も極軌道の配置にある (Bourrier et al. 2018).
例えば,ケプラー25c は 4.48 地球半径で軌道周期が 12 日の惑星であり,F 型の中心星の自転軸と揃った公転軸を持つ (Albrecht et al. 2013).また,ケプラー50 とケプラー65 系でも揃った配置と整合的な結果が得られている (Chaplin et al. 2013).
PR
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
天文・宇宙物理関連メモ vol.693 Bourrier et al. (2017) 低温の恒星まわりを公転する GJ 436b の大きく傾いた軌道と古在機構による説明