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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1808.05653
Hoeijmakers et al. (2018)
Atomic iron and titanium in the atmosphere of the exoplanet KELT-9b
(系外惑星 KELT-9b の大気中の鉄とチタン原子)

概要

系外惑星の科学組成は,その形成史を制限するために重要な要素である.
鉄は遷移金属の中で最も豊富に存在する元素だが,難揮発性であるため系外惑星大気では直接検出されていなかった.

KELT-9b はウルトラホットジュピターと呼ばれるタイプの原型的な惑星である.この惑星の平衡温度は 4050 K に達し,恒星とガス惑星の間に位置しているため,大気化学を研究するための良い対象である.この惑星の大気は,化学平衡及び雲のない状態に近い,厳密に制約された化学システムであることが示唆されている.

過去の研究では,この惑星の大気からは,可視光の波長域で鉄のスペクトル線が検出可能だと予測されていた.このような高温な環境では,鉄及びその他の遷移金属元素は分子中または雲粒子中には隔離されず,原子として大気中に存在することが出来るからである.

ここでは,KELT-9b の大気中からの中性の鉄原子と一価の鉄イオン,および一価のチタンイオンの直接検出について報告する.これらの元素は,惑星のトランジットの最中に得られた高分散スペクトルに相互相関技術を適用して検出された.

ウルトラホットジュピター大気中の金属元素

ウルトラホットジュピター中の金属元素の検出にかんする理論的な予測は Kitzmann et al. (2018) によってなされている.この研究に動機づけられ,HAPRS-N 分光器を用いて KELT-9b のトランジットを観測して透過スペクトルを取得した.このスペクトル中に,Fe, Fe+, Ti と Ti+ の特徴が見られるか探査を行った.

これらの元素の大気中における存在比は,大気温度が 2500 - 6000 K の範囲で何桁も変化する.

Fe+ は,大気が化学平衡状態にあることを仮定するかどうかに依存して,3900 - 4300 K で Fe よりも多くなる.あるいは,光化学反応と大気の鉛直混合が存在するかにも依存する.一方で Ti+ は 3000 - 3400 K で Ti より多くなる.
なお,これらの推定は惑星大気が太陽金属量であることを仮定している.

観測結果

観測で得られたスペクトルの相互相関関数 (cross-correlation function, CCF) は,Fe, Fe+, Ti+ の特徴にピークが見られた.

ラインのコントラストは,Fe が (0.28 ± 0.03) × 10−3 (9.3σ), Fe+ が (2.21 ± 0.08) × 10−3 (26σ),Ti+ は (1.28 ± 0.07) × 10−3 (18σ) であった.
なお Ti に関しては明確な検出は見られず,0.18 ± 0.05 × 10-3 (3.3σ) であった.

Fe+ のラインが Fe を上回っていることから,今回の観測で探査した領域の大気の温度は ~ 4000 K を上回っていることが示唆される.また,Ti が検出されなかったこともこの解釈を支持している.

今回の検出は,将来的な近赤外線波長での一酸化炭素と水の検出に向けた一歩となる.このような高温な惑星大気中では,一酸化炭素は主要な大気成分となる分子であることが期待され,その存在度は C/H 比もしくは O/H 比を直接反映していると考えられる.

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