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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1808.09575
Beatty et al. (2018)
Spitzer Phase Curves of KELT-1b and the Signatures of Nightside Clouds in Thermal Phase Observations
(KELT-1b のスピッツァー位相曲線と熱位相観測における夜側の雲の兆候)

概要

トランジットする褐色矮星 KELT-1b の,2 回の完全な軌道位相曲線を観測した.観測にはスピッツァー宇宙望遠鏡を使用し,観測波長は 3.6 µm と 4.5 µm である.

今回得られた結果を Beatty et al. (2014) による過去の二次食データと組み合わせ,この天体の位相変動をどちらの観測バンドにおいても単一の正弦曲線の形で明確に検出した.変動の振幅は,3.6 µm では 964 ppm,4.5 µm では 979 ppm であった.
また,過去の研究で測定されていた二次食の深さと同じ結果が得られた.

さらに,昼側の半球において東方向へのホットスポットのずれの大きさを測定した,3.6 µm で 28.4°,4.5 µm で 18.6° だけ,ホットスポットが恒星直下点から東へずれていた.


昼夜間の温度差とホットスポットのずれは両方とも,ホットジュピターで見られているものと同様の現象である.褐色矮星である KELT-1b は,典型的なホットジュピターよりも非常に長い大気輻射のタイムスケールを持つべきであるという事実にも関わらず,ホットジュピターと同様の特徴を示すということが分かった.

従ってここでは,これらの天体からの熱放射を変化させる点において,夜側半球に存在する雲が重要な役割を果たしていることが示唆される.この示唆は以下の推測に基づいている.
1) Zhang et al. (2018) によって示唆されたホットスポットのずれの傾向とは対照的に,位相のずれの大きさには明確な平衡温度との傾向が見られなかったこと
2) 負でない強度マップを得るために必要な鋭い昼夜間の遷移.これは Keating & Cowan (2017) で挙げられた逆問題も解決するものである
3) これらの天体のすべての夜側半球は,概ね 1050 K の同じ温度であるように思われるが,一方で昼側半球の温度は平衡温度に対して線形に増加する
4) スピッツァー宇宙望遠鏡の色-等級ダイアグラムにおけるこれらの天体の軌道,色は夜側の雲の存在によってのみ説明可能である

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