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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1509.07452
Driscoll & Barnes (2015)
Tidal heating of Earth-like exoplanets around M stars: Thermal, magnetic, and orbital evolutions
(M型星周りの地球型系外惑星の潮汐加熱:熱進化、磁場進化、軌道進化)

概要

岩石惑星の内部における熱的・磁気的な進化は、惑星のハビタビリティ (居住可能性)において重要な項目である。
ここでは、低質量のM型矮星まわりの地球質量の系外惑星の熱的・軌道進化に注目した。
このような系では、中心星の放射によって決まるハビタブルゾーンが、"tidal zone"とオーバーラップする。"tidal zone"とは、惑星内部での潮汐散逸が内部の重要な熱源となり得るような主星との距離範囲を指す。
この調査のために、地球を対象とした較正を行った、熱的-軌道進化モデルを用いた。

惑星の軌道エネルギーが惑星内部で潮汐加熱として散逸し、惑星軌道の内側への進化と軌道の円軌道化が発生する。
惑星軌道の円軌道化のタイムスケールは、惑星内部での潮汐散逸率に反比例する。
計算の結果、マントルの温度が ~ 1800 Kあたりで粘弾性状態を通過するときに、内部での散逸が極大になる事を発見した。

0.1太陽質量の恒星の周りにある、軌道長半径 0.07 AUの惑星は、10 Gyr以内に軌道が円軌道化される。この時間は初期の軌道離心率に依存しない。
一度円軌道化されると、惑星は単調に冷えていき、地球と同様のダイナモ作用を維持する。
一方、離心率の大きい軌道を保つ惑星の場合は、コアの急速な冷却と固化を経験し、ハビタブルゾーン内の惑星でのダイナモ作用を抑制する。

結果としては、0.45太陽質量、あるいはそれ以上の質量の中心星まわりのハビタブルゾーンでは、惑星内部の潮汐加熱は重要ではない。
その理由は、潮汐散逸は中心星の質量ではなく中心星からの距離の強い関数であり、ハビタブルゾーンはより重い恒星の周りでは中心星から遠い範囲になるためである。

ダイナモ作用の抑制による惑星磁場の抑制は、大気を恒星風による侵食に晒し、また惑星表面への有害な放射線の到達を許す。
さらに弱い磁場という状況に加え、巨大な噴火イベントや長期間継続するマグマオーシャンにより、低質量星周りのハビタブルゾーン内にある離心率の大きい惑星は、生命には不向きの環境であると考えられる。

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