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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1901.02578
Stern et al. (2019)
Overview of initial results from the reconnaissance flyby of a Kuiper Belt planetesimal: 2014 MU69
(カイパーベルト微惑星の調査フライバイからの初期結果の概要:2014 MU69)

概要

NASA の探査機ニューホライズンズの first Kuiper Extended Mission (KEM-1) では,カイパーベルト天体 2014 MU69 (Ultima Thule) へのフライバイを行った.フライバイは 2019 年 1 月 1 日に行われた.これは小さいカイパーベルト天体への初めての接近観測である.ニューホライズンズがフライバイする前の最終軌道予測では,探査機は天体から 3500 km の距離を通過すると推定された.ここでは,フライバイで得られた初期結果について報告する.

2014 MU69 の概要

2014 MU69 (Ultima Thule,ウルティマ・トゥーレ) は,ニューホライズンズのチームによってハッブル宇宙望遠鏡を用いて 2014 年に発見された天体である.軌道は冷たい古典的カイパーベルト天体に属している.このことは,この天体が現在の太陽中心距離 (43 AU) に過去 45 億年にわたって低温な環境で存在し続けていたことを示唆している.
この天体は小さく,強い内部の地質学的活動を起こしていないであろうと考えられることから,この天体は惑星探査機で探査された中では最も始原的な天体だと言える.

接近観測を行う前に,明るさと軌道要素の他にこの天体について分かっていることは,その赤っぽい色と,推定直径がおよそ 25-30 km であること,また 2017 年 7 月 17 日の掩蔽から推定された形状と,可視光でのアルベドが 0.1 程度であることのみである.アルベドは,掩蔽観測で測定されたサイズからの推定である.

フライバイ観測で行うことの目標は,パンクロマチック撮像,可視光/近赤外線波長の 4 色撮像,表面のステレオ撮像である.これらの観測から,天体の表面の組成をマッピングし,また環や衛星や,ガスや微粒子のコマを観測することである.

その次の目的が,昼と夜の円盤面で積分した平均輝度温度を 4 cm の波長で測定すること,4 cm 波長でのバイスタティック・レーダーの反射率の測定,天体付近での探査機へのダストの衝突を探査すること,太陽風とのプラズマ相互作用を探査することである.

初期成果

天体の形状および外見

ニューホライズンズによる 2014 MU69 へのフライバイ観測では,この天体の二葉構造をした接触連星は,明らかに低速な合体によって形成されたことを示している.この天体は,探査機で探査された中では最も始原的な太陽系天体であるのに加え,初めての始原的な接触連星でもある.

この天体の見た目と,接触連星の一般的な性質から,この天体は微惑星がペブル降着で形成されたことと整合的である.2 つの天体がどのように合体したのか,どの程度穏やかな衝突だったのか,初期から接触までどれだけの角運動量が失われたのかは今後のデータにて明らかになるだろう.

現時点で参考可能な画像では,2014 MU69 を構成する 2 つの球体は非常に似ていて,
ほぼ球状をしている.球に類似しているという性質は,この天体の降着機構の重要な鍵であろうと考えられる.天体全体の主軸の長さは 31.7 ± 0.5 km である.

議論のため,この天体の大きい方の球を “Ultima”,小さい方を “Thule” と,ニューホライズンズチームによって非公式に命名している.Ultima は直径 19.5 km,Thule は 14.2 kmで,体積比は 2.6:1 であり,おそらく質量比もこれと同じだろう

自転周期は 15 ± 1 時間である.衝突後にどのようにしてこの比較的長い自転周期にまで減速したのかは,今後の課題である.

2 つの球はほとんど同じ反射率だが,どちらの球にも 0.06 - 0.14 の有意なアルベドの変化が見られる.初期解析では,平均アルベドは 0.09 と推定され,他の冷たい古典的カイパーベルト天体に類似している.
最も顕著なアルベドの特徴は,球が接続しているネックの部分の狭く明るい領域である.この注目に値する特徴の起源は不明である.内因性 (微粒子の蓄積),外因性 (球の合体) のどちらか,あるいは両方が原因である可能性がある.

天体の周辺環境

予想していた通り,初期解析ではガスのコマが存在する兆候は発見されなかった.ただしこれに関連するデータの大部分は,現在もダウンリンクの最中である.またこちらも予想通り,太陽風との相互作用やピックアップイオンの放出は初期解析では発見されなかった.ただしこちらも同様に関連するデータの大部分はダウンリンクの最中である.

天体のヒル球の中では,探査機で衝突が検出されたダストはゼロであった.また天体から 1000 km より遠方における,1.5 km 直径以上の衛星 (反射率がこの天体と同等と仮定した場合) は検出されなかった.さらに近い距離での環や衛星の探査はまだ行われていない.

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