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arXiv:1901.03680
van der Marel et al. (2019)
Protoplanetary disk rings and gaps across ages and luminosities
(年齢と光度の観点からの原始惑星系円盤リングとギャップ)

概要

HL Tau (おうし座HL星) の原始惑星系円盤でのの多重リング構造の発見以降,ALMA のデータは,全てではないにせよ多くの原始惑星系円盤がスペクトル型や年齢に関係なくリングとギャップを持っていることを示唆している.この構造の起源は不明確である.

ここでは 16 個の多重リング状構造がダスト連続波で検出されている円盤についての研究を行った.ALMA のアーカイブデータを用いて,円盤の構造とギャップの場所を系統的に比較した.
比較対象の範囲は,中心星のスペクトル型は早期型から晩期型まで,年齢は 50 万年未満から 1000 万年以上まで,光度は ~0.2 から 40 太陽光度までであり,全体的に広がる円盤から内側にダストの空洞を持つ遷移円盤までを含む.
恒星の年齢は,新しい Gaia データの距離を用いて更新した.

円盤中のギャップの場所は,観測から得られた強度分布へのシンプルな半径方向フィッティングを用いて導出した.また輻射輸送モデルを用いて円盤の温度構造を計算した.

解析の結果,円盤中に見られるギャップ半径は一般的に,最も主要な分子のスノーラインの軌道半径とは対応していない.そのため,スノーラインモデルは多重リング系の共通の起源としては否定されるだろう.
さらに,惑星の共鳴と関連している可能性のあるギャップの場所には系統的な傾向は見られなかった.

最後に,円盤の外縁は解析したサンプルの中の最も古い円盤では減少しており,もし多重リング円盤が同様に進化しているのであれば,外側のダストリングはガスと共に散逸するか,あるいは微惑星ベルトに進化することを示唆している.

結論

1. 円盤は本質的に多様であり,系統的な進化の効果を示すような,年齢の関数としてのギャップとリングの位置に明確な傾向は見られなかった

2. 主要な分子種である一酸化炭素,二酸化炭素,メタン,窒素,アンモニアなどのスノーラインを個々のターゲットにおける輻射輸送モデルから導出した.その位置と,観測されたギャップの場所との間に相関は見られなかった.そのため,スノーラインシナリオは円盤中のギャップとリングの存在を説明できない.

3. 惑星は,特に円盤の粘性が低く,ギャップがサブネプチューン質量の惑星で説明できる場合は,観測されているギャップを説明できる可能性がある.

4. 連続円盤の外縁はサンプル中では最も古い円盤で減少する傾向がある.そのため,外側リングのダスト粒子は内側リングよりも早く無くなることを示唆している.この結果は,外側のダストリングはガスと共に散逸するか,あるいは大きな微惑星に成長し,デブリ円盤やカイパーベルトに見られるような微惑星ベルトを形成することを示唆している.

5. 内側のダストの空洞が形成された遷移円盤は,外側円盤に異なるギャップ構造を持たないように思われる.このことは,リング円盤が遷移円盤に進化する進化シナリオを示唆している.

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