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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1905.06070
Gallet & Delorme (2019)
Star-planet tidal interaction and the limits of gyrochronology
(恒星-惑星の潮汐相互作用とジャイロクロノロジーの限界)

概要

Gyrochronology (恒星の自転から年齢を推定する手法) や magnetochronology (恒星の磁気活動から年齢を推定する手法) といった恒星の年齢推定技術は,恒星に近接する周辺環境と角運動量の交換を行っている恒星に対しては適用することができない.これは,恒星に近接する重い惑星 (軌道周期が数日かそれ未満) を持つ場合は特に当てはまる.そのような系は,恒星の進化に伴って,恒星と惑星の潮汐相互作用を介して中心星の自転進化が影響を受ける.

ここでは,gyrochronology のような経験的な技術が確実に適用可能な信頼できるパラメータ領域についての調査を行った.恒星の角運動量進化を惑星軌道の進化コードと合わせ,恒星と惑星の潮汐相互作用が恒星の表面回転速度に及ぼす影響を詳細に研究した.

その結果,近接した巨大惑星とその中心星との相互作用が,中心星の表面自転速度を大きく変えることを示した.これは多くの場合,惑星の飲み込みに関連している.

潮汐相互作用による恒星の表面自転周期の 90% の変化は数億年の間継続する可能性があり,また 10% の変化は数十億年にわたって継続する可能性がある.このような場合,恒星の gyrochronology の解析では恒星の年齢は誤って若く見積もられてしまい,この手法で信頼性のある年齢推定を行うのを妨げる.

この問題を乗り越えるために,ここでは tidal-chronology (潮汐による年代学) と呼ぶ新しい年代決定技術の概念実証を提案する.これは,ある恒星-惑星系における Prot, * - Porb の 2 つの観測値を用いる手法である.なお,ここで Prot, * は恒星の表面自転周期,Porb は惑星の軌道周期である.

従来の gyrochronology の技術は,単独の恒星か,もしくは Prot, * - Porb の値が特定の範囲の外にある恒星-惑星系でしか適用出来ない.この範囲は,恒星と惑星の質量が大きくなるほど広くなる傾向がある.パラメータがこの "禁じられた領域" にある場合,あるいは恒星による惑星の飲み込みが疑われる場合は,gyrochronology は極めて注意深く使う必要があるが,一方で tidal-chronology は考慮可能である.

この tidal-chronology の技術は,系の詳細な年齢は与えない,しかし,これは gyrochronology 技術の拡張であり,中心星の質量が 0.3 - 1.2 太陽質量,惑星質量が 1 木星質量より重く,初期に中心星から 100 分の 1 au 程度に位置している場合の,惑星系の年齢の詳細な範囲を決定する手助けになる.

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