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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1906.09267
Crossfield et al. (2019)
A super-Earth and sub-Neptune transiting the late-type M dwarf LP 791-18
(晩期型 M 矮星 LP 791-18 をトランジットするスーパーアースとサブネプチューン)

概要

惑星は低温の矮星の周りに最も多く存在するが,晩期 M 型星を公転するのが知られている天体は一握りである.ここでは,TESS による測光観測を用いて,低質量の恒星 LP 791-18 (TOI 736) のまわりに 2 つの惑星を発見したことを報告する.

恒星のスペクトル型は M6V,有効温度は 2960 K,半径は 0.17 太陽半径である.この恒星は,惑星を持つ恒星としては 3 番目に低温な天体である.

発見された 2 つの惑星は,小さい系外惑星に見られる半径ギャップ領域にまたがって存在している.1 つは 1.1 地球半径,軌道周期 0.95 日であり,もう 1 つは 2.3 地球半径,軌道周期 5 日である.

中心星のサイズは小さいため,惑星がトランジットする最中の光の減少は大きい (それぞれ 0.4% と 1.7%).そのため地上からの測光観測でもこれらの惑星のトランジットを検出することができ,惑星半径と軌道の天体暦を更新することが出来た.
将来的には,視線速度観測と透過分光観測の両方でこれらの惑星の内部や大気の組成について探査し,さらに小さいトランジット惑星に感度があるさらなる測光モニタリング観測が可能になるだろう.

背景

ケプラーは数千もの M 型矮星をサーベイし,恒星質量と恒星の有効温度が減少すると,軌道周期 1 年未満の惑星の存在頻度は大きくなることを示した (Howard et al. 2012).しかしケプラーで観測した M 型星は大部分が早期型である.有効温度が 3300 K 未満の,全対流の内部構造を持つ恒星は 600 個未満である.

惑星を持つ恒星の中で,有効温度が 3100 K より低温な恒星は 7 個のみである.このうち最も低温なのが TRAPPIST-1 である (2600 K,0.08 太陽質量,Gillon et al. 2017).

惑星の存在頻度は恒星の最も小さい質量まで上記の傾向が続くのか,あるいはさらにそれを超えて褐色矮星が惑星を持つのか,については未解決の問題である.また高温の恒星の周りを公転する惑星との比較も不明である.

統計的なミッションではないものの,TESS によるほぼ全天のトランジットサーベイ観測では,この問題の解答の一助となるかもしれない.TESS は 2 年間にわたる主要ミッションで全天の 70% 近くをサーベイし,また近傍の M 型星をサーベイ可能である.

パラメータ

LP 791-18
等級:V = 16.9
スペクトル型:M6V
金属量:[Fe/H] = -0.09
有効温度:2960 K
質量:0.139 太陽質量
半径:0.171 太陽半径
光度:0.00201 太陽光度
距離:26.493 pc
LP 791-18b
軌道周期:0.9480050 日
軌道長半径:0.00969 AU
半径:1.12 地球半径
平衡温度:650 K
LP 791-18c
軌道周期:4.989963 日
軌道長半径:0.029392 AU
半径:2.31 地球半径
平衡温度:370 K

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