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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1909.04884
Keles et al. (2019)
The potassium absorption on HD189733b and HD209458b
(HD 189733b と HD 209458b でのカリウムの吸収)

概要

HD 189733b と HD 209458b での波長 7699 Å のカリウムの超過吸収の検出について報告する.

2 × 8.4 m Large Binocular Telescope と Potsdam Echelle Polarimetric and Spectroscopic Instrument (PEPSI) による,2 惑星の高分散トランジット観測を実行した.分光観測のバンド幅は 0.8 Å である,

その結果,HD 189733b で 7σ を超えるカリウムの吸収が検出された.吸収の深さは 0.18% であった.
同じ解析を HD 209458b に適用した結果,こちらではカリウムの吸収は検出されず,吸収の上限値として 3σ で 0.09% という上限を与えた

HD 189733b の大気ではカリウムの吸収があるものの,HD 209458b では見られないことを示唆する結果である.この結果は,これら 2 つの惑星大気が基本的に異なる性質を持つという過去の主張を確認するものである.

ホットジュピターからのカリウム検出

ホットジュピターの大気からは様々な分子や原子が検出されている.例えば,ナトリウム,カリウム,チタンと鉄,水素,マグネシウムである.

1500 K 程度のホットジュピターの大気では,可視光の波長での最も強い原子の吸収源は,ナトリウムとカリウムである (Fortney et al. 2010).独立した観測で,HD 189733b と HD 209458b の両方の大気中に,低分散分光観測と高分散分光観測の両方でナトリウムの存在が確認されている (HD 209458b, Charbonneau et al. 2002,Snellen et al. 2008,HD 189733b, Redfield et al. 2008,Wyttenbach et al. (2015)).

しかし,カリウムは高分散観測では確実な検出は行われていない.ただし,最近 WASP-31b でのカリウムの検出の試みはある (Gibson et al. 2019).Jensen et al. (2011) では,HD 189733b と HD 209458b の両惑星でカリウムが非検出だったことを報告している.一方,Pont et al. (2013) では HD 189733b で 2.5σ での暫定的な検出が報告されている.
現時点では,両惑星におけるカリウムは低分散と高分散両方での有意な検出報告は存在しない.

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