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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1911.06546
Sainsbury-Martinez et al. (2019)
Idealised simulations of the deep atmosphere of hot jupiters: Deep, hot, adiabats as a robust solution to the radius inflation problem
(ホットジュピターの深層大気の理想化されたシミュレーション:半径膨張問題の堅牢な解決策としての,深く高温な断熱構造)

概要

ホットジュピターが異常に大きな半径を持つことは長い間にわたって未解決問題とされている.しかし最近の研究では,理論的な議論と 2D 大気モデルを組み合わせることで,温位 (potential temperature) の鉛直移流によって,一般的な 1 次元モデルで得られる温度分布と比べて大気深部での断熱温度分布を高温にすることが示唆されている (Tremblin et al. 2017).

このシナリオの有効性を確認するため,3 次元の時間依存性のあるモデルへの拡張を行った.
3 次元 General Circulation Model (GCM) の DYNAMICO を用いて,大気循環の形成と駆動構造を調査するための一連の計算を実行し,高層と深層大気での力によって詳細がどう変化するか調査した.

その結果,過去の 2 次元大気の研究と同様に,大気深部での長期間進化の自然な帰結として,高温の断熱状態が実現されることを見出した.この断熱構造が等温を仮定した大気から出現するためには,シミュレーションの積分時間が 1500 年のオーダーである必要がある.そのため過去のホットジュピターの研究ではこの状態が発見されなかったと考えられる.

より高温な深層大気を設定したモデルでは,同じ最終状態へとより早く進化する傾向がある.また大気深部での断熱構造は,少なくともニュートン冷却のタイムスケールが 200 bar の深さにおいて ~3000 年より長い場合は,深層での加熱と冷却の低い水準に対して安定である.

ここでの結論は,深層大気循環による定常状態における温位の鉛直方向の移流は,ホットジュピターの膨張した半径を説明するための確実なメカニズムであるというものである.

ホットジュピターに関する将来の研究では,現在行われているよりも長い時間にわたる進化を追い,可能であれば,高温の断熱状態で初期化されたモデルを含めることを推奨する.これまでに提案されたほとんどのシナリオとは対照的に,この機構は輻射に誘起された質量の流れによるエントロピーの移流に由来するものであり,微細に調整された散逸過程を必要としないという点が重要な点である.

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