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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1911.11273
Nielsen et al. (2019)
The Gemini Planet Imager Exoplanet Survey: Dynamical Mass of the Exoplanet beta Pictoris b from Combined Direct Imaging and Astrometry
(Gemini Planet Imager 系外惑星サーベイ:直接撮像と位置天文学の組み合わせによる系外惑星がか座ベータ星b の力学的質量)

概要

がか座ベータ星b の Gemini Planet Imager (GPI) による 2018 年の観測について報告する.これは,この惑星が合を迎えてから初めての観測である.

新しい観測結果に基づいて,過去の参照可能な地上望遠鏡による撮像観測からの相対位置天文観測,ヒッパルコスによる Intermediate Astrometric Data (IAD),および Gaia DR2 の位置天文のデータと合わせて惑星の軌道を適合した.

計算された質量について,ホットスタートの進化モデルからの予測,および過去の同様の手法を用いた推定値と整合的な値を得たが,不定性は大きく,12.8 (+5.3, -3.2) 木星質量となった.軌道離心率は 0.12 (+0.04, -0.03) で,円軌道とは否定的な結果となった.

軌道のフィッティングについては複数の異なる撮像データセットを用いて行い,撮像データのそれぞれの組み合わせにおいて一般に同様の質量の事後値を得た.今回の解析は,軌道要素間の強い共分散を考慮すると,絶対的位置測定と相対的位置測定を同時にフィットすることの重要性を強調するものである.

合の時間の推定は 2017 年 9 月 13 日の 2.8 日以内とよく制約をかけることができ,恒星は惑星のヒル球の背後に 2017 年 4 月 11 日から 2018 年 2 月 16 日 (±18 日) の間存在していたと推定される.

また,最近の視線速度観測による 2 番目の惑星 β Pic c (がか座ベータ星c) の発見報告に基づき,2 惑星での軌道フィッティングも実行した.これらのフィッティングからは,撮像されたがか座ベータ星b の質量はずっと小さく,8.0 ± 2.6 木星質量と推定され,また軌道はより円軌道に近いものとなる.
将来の地上望遠鏡による観測で,Gaia DR4 のデータ公開に先駆けて惑星の質量と軌道にさらなる制約がかけられるだろう.

がか座ベータ星系について

がか座ベータ星は,若く,近傍にある (19.44 pc),中間質量 (~1.8 太陽質量) の恒星で,明るい edge-on のデブリ円盤を持つ.β Pic 運動星団の一員であり,このことから恒星の年齢は 2600万 ± 300万年と推定される (Nielsen et al. 2016).

がか座ベータ星b は初めて直接撮像された系外惑星のひとつであり,2003 年に恒星の北東側で初めて観測され (Lagrange et al. 2009),存在が確定する前に恒星の背後を通過して南西側に移った (Lagrange et al. 2010)

惑星の軌道平面は円盤面と非常に近いことが分かっており,トランジット類似のイベントが 1981 年に観測されていた (Lecavelier des Etangs & Vidal-Madjar 2009).しかし相対的な位置天文観測では,惑星そのものによるトランジットが起きる可能性は否定されているが,惑星のヒル球は恒星の手前を通過する (Millar-Blanchaer et al. 2015,Wang et al. 2016など).

この論文の投稿後に,Lagrange et al. (2019) によって視線速度測定からさらなる内側の巨大惑星 がか座ベータ星c が 2.7 au に存在するとの報告がされている.

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