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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1511.06064
Dobbs-Dixon et al. (2015)
Spectral Eclipse Timing
(スペクトル食時刻)

概要

系外惑星大気の異なる強さを持つ赤道ジェットの多次元シミュレーションを用いて、ガス惑星の食時刻 (二次食の際のタイミング)の変動の波長依存性について考察を行った。

惑星表面に、恒星直下点 (sub-stellar point)からずれた位置のホットスポット (最も高温な点)がある場合、惑星の二次食 (secondary eclipse)の際の光度曲線が左右非対称な形状になり、食の中央がずれることになる。この食の中央のずれは、惑星が軌道離心率を持っている際にも現れる効果であるが、ホットスポットの恒星直下点からのずれを波長依存性を持って観測することによって、両者の縮退を解くことが可能である。

恒星直下点とホットスポットとのずれが観測に及ぼす影響は、Williams et al. (2009)で初めて IRACのバンド内で調査された。ここではそこで行われたものと同じ方法論で、より広い波長域においての調査を行った。さらに、多次元の輻射流体力学シミュレーションを HD 209458bの大気において行い、観測的な特徴の再現を行った。

その結果、最も大きなずれを示すシミュレーション結果においては、赤外線領域では最大で ~ 100秒のずれが生じることが分かった。

Dobbs-Dixon et al. (2012)では、HD 209458bの大気シミュレーションを行い、ホットスポットの恒星直下点からのずれと、自転速度を超える速度で循環する大気による熱の輸送の存在を示した。
大気の循環が弱い場合、あるいは無い場合は、ホットスポットのずれも小さくなり、波長による二次食の時刻のずれも小さくなる。しかし、強く超音速な赤道ジェットが存在する場合、ホットスポットは恒星直下点から大きくずれ、また ~ 2 μmで 100秒程度の時刻のずれが発生する





ホットジュピターの大気は強力な赤道方向の大気循環が存在するということが数値計算から示唆されています。またその結果として、恒星の真下にある点ではなく、そこからややずれた場所が最も高温になることが示唆されていて、実際に HD 189733bでは二次食観測からホットスポットが恒星直下点からずれていることが示されています。

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