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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1602.02513
Masuda & Suto (2016)
Transiting planets as a precision clock to constrain the time variation of the gravitational constant
(重力定数の時間変化を制限するための高精度時計としてのトランジット惑星)

概要

系外惑星系のトランジット時刻の精密な分析から,その系の中にある惑星の,その瞬間における軌道周期を算出することが出来る.この系を長期的にモニタリングすることによって,軌道周期の変動に制限を付けることが出来る.この制限から,重力定数 G の時間変化に制限を付けることが出来る.この理論を,ケプラーで観測された 10 の惑星系に適用した.

その結果,重力定数 G の時間変動の制限として,2009 - 2013 の間に,ΔG/G ≲ 5 × 10-6,あるいは G の時間変化率が一定 (dG/dt = const.) だとした場合は,(dG/dt) / G ≲ 10-6 yr-1という制限を与えた.
この制限は,先行研究でのその他の観測からの制限に比べると弱い制限であるが,それらの補完となり,また多くの惑星系の長期モニタリング観測から,この結果を改善することが出来る.

重力定数 (万有引力定数) の時間変化について

基礎定数 (fundamental constants) は宇宙論的タイムスケールに渡って本当に定数 (sontrant) なのか?という疑問は,物理学と宇宙論において長く考えられている問題であり,様々な文脈において議論され続けてきた.

有名なものとしてはディラックによる大数仮説 (Large Number Hypothesis) であり,ディラックは重力定数 G が時間の逆数 (t-1) に比例する可能性を指摘した (Dirac 1937).

重力定数が時間変化しているかを探る観測は実験はこれまでにも行われている.月レーザー測距実験では (dG/dt) / G ≲ 8 × 10-12 yr-1 という制限を得ている (Williams et al. 1996).また連星パルサー PSR B1913+16 の観測からは,(dG/dt) / G ≲ (4 ± 5) × 10-12 yr-1 という制限を得ている (Kaspi et al. 1994).

今回得られた制限はこれらの制限よりは弱いものであるが,今後の観測と解析から,結果を改善することが出来ると考えられる.


なお,重力定数が時間変化する場合でも,変化率 (dG/dt) が一定であるとは限らないが,簡単化のため一定としている例が多い.

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