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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1601.07955
Hedman & Nicholson (2016)
The B-ring's surface mass density from hidden density waves: Less than meets the eye?
(隠れた密度波からの B環の表面質量密度:見えているよりも少ない?)

概要

土星の B環 (Bリング) は,太陽系の中でも最も濃い環である.しかし,合計質量を含む基本的なパラメータはあまり明らかにされていない.

土星の衛星との平均運動共鳴によって生成される渦状密度波 (spiral density wave) からは,環の質量密度への制限を付けることが出来る.しかし B環で渦状密度波を検出し定量的に評価するのは難しい.これは,B環のオパシティ (不透明度) が高いことと,細かいスケールの構造が多いことが原因である.

しかし,土星探査機カッシーニの Visual and Infrared Mapping Spectrometer (VIMS) による,みなみじゅうじ座ガンマ星 (γ Crusis) の17回の掩蔽の wavelet-based analysis から,B環内の 5つの密度波を調べることが出来た.

この密度波のうち 2つは,土星の衛星ヤヌス (Janus) との 2:1 平均運動共鳴,同じく衛星のミマス (Mimas) との 5:2 の inner Lindblad resonance によって起こされており,それぞれ土星中心から 96427 km,101311 km の位置に存在する.
(Lindblad resonance = リンドブラッド共鳴)

Multi-wavelet analysis から,ヤヌスとの 2:1 共鳴による波動中に,予想外のパターン速度の変動が検出された.これはヤヌスの軌道の周期的な変動に起因するものと予想される.

他の 3つの密度波は,ヤヌスとの 3:2,エンセラダス (Enceladus) との 3:1,パンドラ (Pandora) との 3:2 の inner Lindblad resonance によるものであり,それぞれ土星の中心から 115959 km,115207 km,108546 km の位置にある.これらは直接見える波ではないが,平均の wavelets から検出することが出来る.

これらの 5つの密度波から,B環の質量密度は 40 - 140 g cm-2 であると推定される.これは光学的深さで言うと ~ 1.5 からほぼ 5 程度である.この値から,B環の合計質量は,ミマスの質量の 1/3 - 2/3 程度であると考えられる.

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