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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1607.03134
Oshagh et al. (2016)
Can stellar activity make a planet seem misaligned?
(恒星の活動は惑星の公転軸が揃っていないように見せるか?)

概要

惑星が恒星をトランジットする際に,惑星が恒星の活動領域 (active region) を隠すことによって,高精度のトランジット光度曲線にアノマリー (anomaly, 異常) が生じることが知られている.そしてこのアノマリーは惑星半径などのパラメータの見積もりの誤りを引き起こしうる.

トランジット光度曲線と,Rossiter-McLaughlin effect (ロシター・マクローリン効果) の背後にある物理,恒星と惑星の配置は同じであるため,恒星表面の活動領域を惑星が隠すことによるロシター効果への影響も発生すると考えられる.

ここでは,ロシター効果のテストを行い,活動領域の惑星による掩蔽が,ロシター効果による恒星の自転軸と惑星の公転軸のずれの測定にどの程度影響を与えるかを調べた.

その結果,恒星活動による軸のずれの不正確な推定は最大 30° 程度と有意に影響があり,特に惑星軌道が edge-on (公転面を真横から見ている状態) で,軸が揃っており,惑星が小さい場合にはその影響が大きいことが判明した.つまり,軸が揃っている惑星は,恒星表面活動によって軸がずれているように見えてしまいやすいという事が分かった.

これは言い換えれば,恒星の自転軸と惑星の公転軸が大きくずれているという観測結果は,恒星活動の存在を考慮しないことによって生じるバイアスによって引き起こされている可能性は低い,と言うことも出来る.また,近赤外線などの長波長でのロシター効果の測定によって,活動領域が存在する場合でも精度を上げることが出来るだろうと考えられる.

Rossiter-McLaughlin effect (ロシター効果) について

恒星は自転しているため,観測者側に向かってくる側はスペクトルが青方偏移,去る側は逆に赤方偏移する.ここを惑星がトランジットする時,惑星が隠している側がどちら側かによって,みかけの視線速度のシグナルに変動が発生する.これを,Rossiter-McLaughlin effect (ロシター・マクローリン効果,あるいは単に Rossiter effect, ロシター効果とも) と呼ぶ (Rossiter 1924, McLaughlin 1924).

ロシター効果による視線速度の見かけの変動の解析から,恒星の自転軸と惑星の公転軸の角度を測定する事ができる (Winn et al. 2005など).

高精度分光観測の時代になると,この軸の角度のずれの測定は,その他の二次効果に影響を受ける.その例が,恒星表面の対流による青方偏移 (Shponer & Brown 2011),恒星の差動回転の効果 (Albrecht et al. 2012),トランジットする惑星の質量による重力マイクロレンズ効果 (Oshagh et al. 2013) である.

さらに,恒星表面の黒点やプラージュ (plage, 明るい領域) などの活動領域を惑星が隠すことによっても,トランジット光度曲線にアノマリーが生じる事が知られている (Sanchis-Ojeda et al. 2011など).

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