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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1609.06720
Bennet et al. (2016)
The First Circumbinary Planet Found by Microlensing: OGLE-2007-BLG-349L(AB)c
(マイクロレンズで発見された初の周連星惑星:OGLE-2007-BLG-349L(AB)c)

概要

重力マイクロレンズ法を用いた初めての周連星惑星の解析結果について報告する.

この重力マイクロレンズイベント名は OGLE-2007-BLG-349 であり,質量比が ~ 3.4 × 10-4 の強い惑星シグナルが検出された.しかし,さらに別のレンズ質量による追加のシグナルも検出された.これは,別の惑星もしくは恒星によるものと想定される.

光度曲線の解析から,2 つのモデルが考えられた.一つは,中心星が 1 つ,そのまわりを惑星が 2 つ公転しているというモデルであり,もう一つは,中心星が 2 つの連星でその周りを惑星が公転しているという,いわゆる周連星惑星 (circumbinary planet) とするモデルである.

光度曲線からはパララックス効果が検出され,これによりレンズ天体の総質量は ~ 0.7 太陽質量だと判明した.

さらに,ハッブル宇宙望遠鏡を用いてレンズ天体 (重力マイクロレンズ効果を起こした天体) とソース天体 (レンズ天体によって増光された背景の天体) を分解し,またレンズ天体系における恒星からのフラックスの超過を示唆する結果も得られた.この結果は,レンズ系が連星系であるとした場合に予測されるフラックスと整合的である.しかし,中心星 1 つ + 惑星 2 つとするモデルで予測されるフラックスには足りない.そのため,ハッブル宇宙望遠鏡の観測結果と整合的なモデルは,周連星惑星とするものだけである.

この系は,惑星 OGLE-2007-BLG-349L(AB)c が 80 ± 13 地球質量,連星の片方 OGLE-2007-BLG-349L A が 0.41 太陽質量,もう一方の OGLE-2007-BLG-349L B が 0.30 太陽質量の M 型星の連星である.OGLE-2007-BLG-349L(AB)c の質量は,周連星惑星としては最も低質量である.

"惑星と質量中心の距離" と連星間距離の比は ~ 40 と大きい.多くの周連星惑星はこの比はもっと小さく,安定して公転できる限界の軌道長半径付近を公転しているが,この系はそうなっていない.
※注釈
ここでの惑星の記号は,この系における 1 個目の惑星であるにも関わらず,"b" ではなく "c" と付けられている.これは単独星周りの惑星の記号と連星系における惑星の記号における矛盾を解消するためとして著者グループが意図的に行っている模様.

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