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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1705.08904
Checlair et al. (2017)
No snowball on habitable tidally locked planets
(生命存在可能な潮汐固定惑星は全球凍結を起こさない)

概要

最近,生命居住可能性のある惑星として,TRAPPIST-1,プロキシマ・ケンタウリ,LHS 1140 系が注目を集めている.これらの系の惑星は M 型星の近傍を公転しており,惑星の自転周期と公転周期は 1:1 の潮汐固定状態に入っていると思われる.そのため,惑星の居住可能性については潮汐固定の効果を考慮する必要がある

地球環境においては,全球的な氷河作用の周期 (全球凍結状態への遷移とその回復) が居住可能性に重要であったと考えられる.これは,全球凍結イベントは地球上の生命の複雑さや,大気中への酸素の濃集と相関していると考えられることが理由である.


ここでは,惑星のエネルギー収支モデルとグローバルな気候モデルの両方を用いて,自転周期と公転周期が潮汐固定された惑星における,全球凍結状態への分岐 (全球的な氷河作用の突然の発生) について調査した.

その結果,潮汐固定された惑星では全球凍結状態への分岐は発生しないと考えられる.これの直接的な原因は,惑星が受け取る日射の空間パターンの違いによるものである.

全球凍結状態への遷移を起こさない代わりに,ハビタブルな潮汐固定惑星は,部分的な氷河に覆われた状態と完全に覆われた状態をスムーズに遷移することが分かった.この結果が意味する重要な点は,潮汐固定された惑星のうち活発な炭素循環を起こしている惑星は,全球凍結状態では発見されないというものである.

さらに,潮汐固定された惑星がハビタブルゾーンの外縁付近に位置し,低い二酸化炭素の脱ガス率を持つ場合は,温暖な状態と全球凍結状態の行き来を起こすのではなく,恒星直下点周辺に小さい氷河のない領域を持った平衡状態に落ち着くことが示唆された.

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