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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1706.10017
Yoshida & Terai (2017)
Small Jupiter Trojans Survey with Subaru/Hyper Suprime-Cam
(すばるハイパー・シュプリーム・カムによる小型の木星トロヤ群天体サーベイ)

概要

2015年3月30日に,8.2 m すばる望遠鏡の Hyper Suprime-Cam (HSC) を使用して木星のラグランジュ点 L4 にあるトロヤ群小惑星を観測した.観測の検出限界は 24.4 mag であり,L4 に位置する木星トロヤ群天体を 631 個検出した.

このうち,絶対等級が H < 17.4 で,太陽中心距離が 5.5 AU より小さい 481 天体を,無バイアスサンプルとして選択し,それらの天体のサイズ分布を調べた.

天体の幾何学的アルベドを 0.07 と仮定 (Grav et al. 2012) すると,この無バイアスサンプル中のサイズの範囲は直径 2 - 20 km であった.

これらの天体の累積サイズ分布を,単一の傾きのべき乗でフィットした.その結果,N ∝ D-b とした場合,b = 1.84 ± 0.05 となった (N は個数,D は直径).これに対応する絶対等級分布のべき乗則は,N(H) ∝ 10αH とした場合,α = 0.37 ± 0.01 であった.この α の値は,Wong & Brown (2015) で指摘されているうちの,暗い側の天体の傾きと整合的であった.

このサーベイで得られたサイズ分布は,同じサイズ領域での過去のサーベイ (Yoshida & Nakamura 2005, 2008,Wong & Brown 2015) とはやや異なる結果となった.過去の研究では,累積サイズ分布として broken power-law もしくは二重のべき乗則が報告されている.今回の結果は,b = 1.84 のスロープは H = 14.0 から少なくとも H = 17.4 まで続くと主張する.

今回のサーベイは,木星の L4 トロヤ群天体の最も大きいサンプルを含み,Wong & Brown (2015) よりも 1 等級深い研究であるため,これまでの木星トロヤ群天体のサイズ分布で最も正確なものであると考えられる.カタログに掲載されている木星 L4 トロヤ群天体と今回のサーベイの結果を合わせ,トロヤ群天体全体のサイズ分布は H = 17.4 mag まで続いていることを示した.

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