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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1708.07922
Trumbo et al. (2017)
ALMA Thermal Observations of a Proposed Plume Source Region on Europa
(エウロパのプルーム起源候補領域の ALMA 温度観測)

概要

Atacama Large Millimeter Array (ALMA) を用いて,エウロパの昼側の熱画像を取得した.今回観測した領域は,Pwyll Crater (プールクレーター) の北西領域を含んでいる.
プールクレーター周辺の領域は,ガリレオ探査機の Photopolarimeter Radiometer による観測で,夜の時間帯 (太陽光が当たっていない時間帯) に熱の超過が見られている.この場所は,2 つのプルームと思われる現象の検出報告がある場所に対応している.

エウロパの全球熱モデルを発展させ,昼側と夜側の両方の熱放射をシミュレートし,観測されている夜の熱的異常が,プルーム源領域から予想される内因性の熱流の超過によって引き起こされるかどうかを調べた.

その結果,プールクレーター付近の夜と昼の輝度温度は,その場所での熱流の超過を含めるモデルでは観測と合わせることができないことが分かった.むしろ,表面の局所的な熱慣性の増加によって,両方の測定をうまくモデル化することが出来る.

エウロパのプルームと地質学的活動

木星の衛星エウロパにおけるプルーム (噴出活動) と思われる現象の検出は,Sparks et al. (2016, 2017) によって報告されている.エウロパ表面での熱超過は,ガリレオの PPR によって,エウロパの夜の時間帯にプールクレーター付近で発見されている (Spencer et al. 1999).もし熱の超過が内因性のホットスポットによるものであれば,プールクレーターの北西領域は現在も地質学的活動を起こしているという説を支持することになる.

ここではエウロパ全球の 1 次元熱拡散モデルを用いて,ALMA と PPR 観測の両方をフィットした.
しかし,問題の領域は周囲より相対的に高温であったものの,ALMA による昼の時間帯の撮像では,モデルが予測するよりも低温であった.この結果は,局所的に熱慣性が上昇していることを示唆していると考えられる

局所的な熱慣性を 47%大きくした場合,ALMA と PPR 双方の観測を説明できる.そのため,ガリレオによる夜側の熱異常は,エウロパ表面の局所的な熱慣性の変化によるものと結論付けた.この熱慣性の局所変化は,プールクレーターから近い位置にあることが原因だと考えられる.

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