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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1710.03826
Wang & Dai (2017)
Evaporation of Low-Mass Planet Atmospheres: Multidimensional Hydrodynamics with Consistent Thermochemistry
(低質量惑星大気の蒸発:整合的な熱化学を伴った多次元流体力学)

概要

直接的な観測および統計的な観測的証拠から,サブネプチューン質量の惑星の大気の侵食において,大気の光蒸発が重要である事が示唆されている.

ここではフルの流体力学シミュレーションを整合的な熱化学と ray-tracing の輻射輸送を組み合わせ,中心星からの高エネルギー光子による大気の光蒸発の物理の研究を行った.

シミュレーションからは,パラメータ空間中に,惑星間空間からの圧力によって大気が平衡状態になれないような領域が存在することを同定した.そのためこのパラメータ中では,惑星の大気はパーカー風による損失によって特に影響を受けやすい.

この領域では,質量が 3 地球質量未満の場合に水素・ヘリウムに主体の大気が失われる.
光蒸発アウトフローの数値シミュレーションでは,典型的なアウトフロー速度は 30 km/s であり,質量放出率は惑星が 5 地球質量の場合に 4 × 10-10 地球質量/年 となった.(これは質量が 5 地球質量で,全質量のうち 10-2 が大気である惑星の場合).

超音速のアウトフローは,恒星風のラム圧によって抑えられない (基準モデルでは,遷移音速点での合計圧力の最大 5 倍になる).
恒星風によって影響を受けたアウトフローは惑星の夜側の方向に直線状になるが,この場合の質量放出率は,基準モデルに比べて 25%程度減るだけであった.

パラメータ空間を調べた結果,光蒸発の風を駆動するには極端紫外線 (extreme ultraviolet, EUV) による光電離が重要である事がわかった.X 線などのその他のエネルギー放射は二次的な重要性に留まる.

大気中の主要な冷却機構は,再結合やライマンアルファ線による冷却よりも,分子の回転振動遷移による冷却と,大気の断熱膨張によって占められる.

駆動されるアウトフローの風速はほとんどのケースにおいて,アウトフローが駆動される高度における脱出速度よりも十分速い.そのため,質量放出率は過去の研究で示されていたような,EUV での光球サイズ REUV の 3 乗ではなく,2 乗に比例する.
また,6 地球質量程度より軽い惑星では,大気が大きく減少する.

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