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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1710.02211
Wells et al. (2017)
Transit Visibility Zones of the Solar System Planets
(太陽系惑星のトランジット観測可能領域)

概要

太陽系外にいる観測者は,太陽系の惑星のトランジットを検出できるだろうか?

ここでは,太陽系の惑星のトランジットを検出できる領域について調べた.太陽系外にいる観測者の分布がランダムであると仮定し,太陽系の惑星 1 つ,もしくは複数の惑星のトランジットを検出できる確率について報告する.

その結果,少なくとも 1 つの太陽系惑星のトランジットを検出できる可能性は,観測者が天球上にランダムに位置していると仮定した場合は 2.518%となる事が分かった,また,少なくとも 2 つの場合は 0.229%,3 つだと 0.027%となった.


さらに,太陽系の惑星のトランジットを検出可能な幾何学的位置に存在している,68 個の系外惑星を同定した.またその数が,現在進行中のケプラー K2 ミッションによってどれだけ数が増えうるかについても議論した.

現在分かっている系外惑星の存在頻度を用いると,地球のトランジットを観測できる領域の中には,13 等級より明るい G, K 型星の周りを公転する温暖な地球サイズの惑星の個数は 3.2 ± 1.2 個 であると推定される.また,16 等級より明るい M 型星の周りの温暖な地球サイズ惑星の場合は,6.6 (+1.3, -0.8) 個存在すると推定される.

太陽系惑星のトランジットの概要

複数トランジットを検出できる確率

水星と火星のトランジットを両方ともに検出できる位置にいる確率は 2.83 × 10-4 であった.

まだ,金星と地球の場合は 3.16 × 10-4,地球と火星の場合は 2.80 × 10-4,地球と木星の場合は 1.05 × 10-4,木星と土星の場合は 1.05 × 10-5,天王星と海王星の場合は 8.44 × 10-7,などとなった.

太陽系惑星のトランジットを検出可能な主な系外惑星系

木星・土星・天王星のトランジットを検出できる系外惑星:EPIC 211913977b

地球・木星のトランジットを検出できる系外惑星:HATS-11b
金星・火星のトランジットを検出できる系外惑星:HD 181342b,HD 50554b,K2-26b

地球のトランジットを検出できる系外惑星:HATS-11b,1RXS 1609b,LkCa 15b,WASP-47b, c, d, e,WASP-68b,WD 1145+017b

現在発見されている系外惑星系のうち,水星は 34 個の惑星系からトランジットが観測可能である.これは水星が太陽に近く,またトランジット観測範囲が比較的天球の広い範囲を掃くためである.

同様に,金星のトランジットを観測可能な惑星系は 9 個,地球は 6 個,火星は 8 個,木星は 2 個,土星は 2 個,天王星は 1 個であった (重複カウントあり).
海王星のトランジットを検出できる既知の系外惑星系は存在しなかった.

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