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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1710.07203
Livingston et al. (2017)
Three Small Planets Transiting a Hyades Star
(ヒアデスの恒星をトランジットする 3 つの小さい惑星)

概要

ヒアデス星団 (Hyades cluster) 中の晩期 K 型星 LP 358-348 まわりの,3 つのトランジットする小型の惑星の発見について報告する.これらの惑星は,ケプラーの K2 ミッションの Campaign 13 の期間に観測された.

この系の年齢は推定 600 - 800 Myr (6 - 8 億歳) であるため,今回発見されたこれらの惑星は,これまでに知られている中で最も若く小さい惑星となる

中心星は比較的明るく (J = 9.1),またやや不活発な恒星であるため,視線速度測定による質量測定や透過スペクトル観測を介した将来的な惑星の特徴付けを行うのに適した対象である.
この恒星は,星団中に存在する恒星が複数のトランジット惑星を持つ事が確認された初めての例であり,惑星形成と形成後の惑星移動の理論を検証するために役立つと考えられる.

パラメータ

LP 358-348
別名:EPIC 247589423
質量:0.686 太陽質量
半径:0.723 太陽半径
有効温度:4359 K
金属量:[Fe/H] = 0.17
光度:0.171 太陽光度
自転周期:13.6 日
距離:63.5 pc
LP 358-348b
軌道周期:7.9757 日
半径:1.05 地球半径
LP 358-348c
軌道周期:17.30681 日
半径:3.14 地球半径
LP 358-348d
軌道周期:25.5715 日
半径:1.55 地球半径

その他

2 惑星の同時トランジット

LP 358-348b と LP 358-348d は,トランジットが部分的に被っているのが観測された.K2 の光度曲線の精度と,光度の測定が 30 分で平均されている影響で,惑星同士が相互食を起こしていたかどうかは不明である.

この同時トランジットから天体暦への制約が与えられ,次の二重トランジットは 2019 年 8 月 31 日 11:36 (UT) に発生すると予測される.

LP 358-348d の特性

惑星の質量-半径の経験的な関係則 (Wolfgang et al. 2016) を用いると,LP 358-348b, c, d の質量はそれぞれ 1.5 地球質量,11.6 地球質量,4.6 地球質量と推定される.

LP 358-348d の軌道長半径は 0.1624 AU と推定され,この軌道での日射量は地球の 6.5 倍に相当する,これは太陽系で言う現在の金星に近い環境であり,ハビタブルゾーン (Kopparapu et al. 2013) の内縁よりも内側にある.

LP 358-348d のボンドアルベドを 0.3 と仮定すると,平衡温度は 430 K となる,
惑星半径は 1.55 地球半径であり,岩石惑星とガス惑星の境界付近に位置する,温暖な小さい惑星の大気と組成を探る対象として興味深い.

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