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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1710.10863
Ndugu et al. (2017)
Planet population synthesis driven by pebble accretion in cluster environments
(星団環境でペブル降着によって駆動される惑星のポピュレーション生成)

概要

星団の中にある原始惑星系円盤の進化は,その星団の年齢と恒星の密度に依存する.例えば,年齢が若く恒星の面密度が高い星団では,原始惑星系円盤は外部からの光蒸発と恒星遭遇によって破壊される.

ここでは,新しく形成された星団からの背景加熱が,原始惑星系円盤の構造に与える影響を考慮した,また,それが円盤内での惑星形成にどのように影響を与えるかについても調べた.

ここでの惑星形成モデルは,ペブル集積 (pebble accretion) を含むコア降着シナリオを元に構築している.このモデルを元に,形成されうる惑星のポピュレーションを合成して,観測結果との比較を行った.

ここでのシミュレーションにおける巨大惑星は,速いタイプ II 惑星移動に伴って大きな距離を移動する.これは,円盤の大きな粘性によって引き起こされるものである (α = 5.4 × 10-3).
低温の木星型惑星 (軌道長半径 > 1 AU) は円盤の外側に起源を持つのに対し,ホットジュピター (< 0.1 AU) は円盤の内側に起源を持つと考えられる.


ペブル集積を介した巨大ガス惑星形成は,恒星の金属量との相関と整合的である.つまり,金属量が大きな環境では,より多くのガス惑星が形成される.

しかし,星団内ではなく孤立した恒星のポピュレーションに対する計算を行った結果,低金属量の環境においても多くの巨大惑星が形成されることになり,これは金属量の高い恒星の周りで巨大惑星がよく発見されるという観測事実と対立する.
このことは,一般的なペブル降着モデルフレームワーク内では,惑星形成は非常に効率的であることを示唆している.

一方で,星団内の環境にある恒星周りの原始惑星系円盤においては,低金属量ではどのような巨大惑星も形成するのが難しいという結果になった.これは観測と一致する.
この違いは,円盤の外側領域における温度の増加が原因である.すなわり,円盤外側領域での温度の増加により,惑星のコア降着タイムスケールが長くなることによってこの違いが生まれる.

従って,外側円盤の構造と惑星の形成場所が,巨大惑星の存在頻度と,低温のガス惑星およびホットジュピターの形成効率を左右していると結論づけた.

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