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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1801.06094
Cilibrasi et al. (2018)
Satellites Form Fast & Late: a Population Synthesis for the Galilean Moons
(衛星は速くそして遅く形成する:ガリレオ衛星の種族合成)

概要

木星の衛星は,周惑星円盤 (circumplanetary disk) の中で形成されたと考えられている.
ここでは,木星衛星の形成と軌道進化を,種族合成 (population synthesis) のアプローチから取り組んだ.周惑星円盤のダスト・ガス比,円盤散逸のタイムスケール,ダスト補充タイムスケールを変化させて計算を行った.また,周惑星円盤の初期条件 (密度と温度) は,三次元輻射流体力学シミュレーションの結果から直接引用した.微衛星 (satellitesimal) は流動不安定性 (streaming instability) で形成されると仮定した.

その結果,周惑星円盤内で衛星は急速に形成される事が分かった.形成に必要な時間はしばしば 104 年以内となった.これは,周惑星円盤の軌道タイムスケールの短さに起因している.

衛星は円盤内で順番に形成され,それらは急速な I 型惑星移動で惑星へ向かって落下し,失われる.そのため,落下した衛星によって木星のエンベロープは汚染される.木星エンベロープに落下する金属成分は 0.3 地球質量が典型的な値であり,場合によっては最大で 10 地球質量程度になる.

衛星の最終世代は,巨大惑星の進化の非常に後期に形成可能になる,周惑星円盤が質量の 99% 以上を失ってしまった後の.後期段階の周惑星円盤は水氷を維持できる程度に十分低温になる.そのため,この中で形成された衛星の 85% が氷組成を持つことは驚きでない.

形成される衛星質量の分布は,ガリレオ衛星質量よりやや大きい辺りが極大であり,最大では数地球質量程度になる.この大きさは,中心星から 1 AU の位置を公転する木星類似惑星周りに存在した場合,現在の観測装置で観測可能な範囲である.
また,ガリレオ衛星程度の質量を持つ衛星系は,20% 程度の割合で発生する.これは,周惑星円盤の散逸タイムスケールが長く,ダスト・ガス比が高い時に起きやすい.

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