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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1801.05812
Dipierro et al. (2018)
Rings and gaps in the disc around Elias 24 revealed by ALMA
(ALMA によって明らかにされた Elias 24 まわりの円盤中のリングとギャップ)

概要

Atacama Large Millimeter/sub-millimeter Array (アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計,ALMA) の Cycle 2 観測で,おうし座T型星 Elias 24 周りの原始惑星系円盤の 1.3 mm ダスト連続放射の観測を行った.この観測の角度分解能は ~ 0.2” (~ 28 au) である.

ダスト連続波放射の画像からは,暗いリング構造が 0.47” の距離 (~ 65 au) に検出され,その外側に明るいリング構造が 0.58” の距離 (~ 81 au) に検出された,外側の円盤では,半径方向の強度分布に 2 箇所の変曲点があり,それぞれ 0.71” と 0.87” (~ 99 au と 121 au) の位置である.

円盤の大局的三次元 smoothed particle hydrodynamics のガス・ダストシミュレーションで,降着し軌道移動を起こしている惑星を持つ円盤のシミュレーションを行った.ギャップとリング構造の観測を再現するため,小さいダストと大きいダストの密度分布マップと 3 次元輻射輸送計算を合わせ,様々な円盤モデルで ALMA の模擬観測画像を作成した.

その結果,~ 60 au の位置に ~ 0.7 木星質量の惑星が存在している場合に,観測結果と整合的な構造を再現できることを見出した.今回のモデルでは,半径方向の強度分布における二箇所の変曲点は,大きなダスト粒子の外側円盤からの内側への運動によって作られたものである事が示唆される.

Elias 24

Elias 24 の特徴

Elias 24 は,年齢がおよそ 40 万歳の若い前主系列星 (pre-main sequence star) であり,スペクトル型は K5 である.この天体まわりの円盤の存在が可視光で観測されている (Wilking et al. 2005).
この天体は ρ-Ophiucus Star Forming Region (へびつかい座ロー星形成領域) の中にあり,太陽系から 139 pc の距離にある (Mamajek 2008).最近のより良いへびつかい座ロー星形成領域の観測からは,距離は 137.3 pc と見積もられている (Ortiz-Leo ́n et al. 2017).ただしここでは Mamajek (2008) での距離を使用する.

この天体のスペクトルエネルギー分布からは,この天体が Class II の Young Stellar Object (YSO,若い恒星状天体) である事が分かっている.

ALMA での円盤観測

なお,この論文の査読中に,同じ天体の 870 µm と 1.3 mm での観測結果が公開された (Cox et al. 2017, Cieza et al. 2017).

Cieza et al. (2017) は角度分解能 0.25" ×0.2” の観測で,中心星から ~ 0.18”,0.42”,0.7” の位置にギャップ状の構造を検出している.観測波長は 1.3 mm である.また,visibility の重み付けは一様としている.

Cox et al. (2017) では,870 µm 波長での ALMA 観測で,中心星から ~ 0.42” の位置に一つのギャップ構造を検出している.こちらの角度分解能は 0.21” × 0.18” であり,visibility の重み付けは natural weighting で行っている.

Cox et al. (2017) で検出されたギャップと Cieza et al. (2017) で検出された二番目のギャップは,ここでの 0.47” でのギャップと概ね一致する.また,今回検出された 0.71” での変曲点は,Cieza et al. (2017) の三番目のギャップの位置と一致する.

Cox et al. (2017) の結果と同様に,Cieza et al. (2017) の 0.18” でのギャップは検出されなかった.

過去のこれらの研究では,観測がスナップショットモードで行われており,それぞれ積分時間はおよそ 45 秒である.その結果として uv-coverage が疎になり,画像忠実度 (image fidelity) は今回の結果に比べ低い.今回の結果の積分時間は先行研究より 17 倍長く,感度は 3 倍良く,また空間分解能も良い.そのため,より正確な円盤構造を決定できる.

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