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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1801.09569
Brogi et al. (2018)
Exoplanet atmospheres with GIANO. I. Water in the transmission spectrum of HD 189733b
(GIANO での系外惑星大気 I.HD 189733b の透過スペクトル中の水)

概要

近赤外線波長での高分散分光観測 (R > 20000) は,系外惑星大気の組成や構造,循環パターンを理解するために使われてきた.しかし,高分散スペクトル中のシグナルを測定するために必要とされる光子数が多いため,観測は主に最も大きな部類の地上望遠鏡に占められてきた.

ここでは,新しいデザインの分光器,特に観測できるスペクトル範囲が大きいものによって,小さい部類の望遠鏡設備での系外惑星の特徴付けを可能にすることを示す.

Telescopio Nazionale Galileo の近赤外線分光器 GIANO を用いて HD 189733b のトランジットを 2 回観測した.
地球大気での吸収 (telluric absorption) とは対照的に,系外惑星の透過スペクトルは,惑星の軌道運動の変化によってトランジットの最中に変化する.この変化を用いて,スペクトル中に系外惑星のシグナルを保ちつつ,地球大気によるスペクトルの影響の除去を行った.後者のスペクトルは,line-by-line 輻射輸送計算を介して計算された惑星大気のテンプレートモデルと,残差スペクトルの相互相関を用いて抽出した.

その結果,5.5 σ の水準で HD 189733b の大気中の水蒸気の存在を検出した
検出に用いたシグナルは,2 夜の観測のうち最初の 1 夜のものだけから測定を行った.人工信号を注入して復元することにより,2 夜目における非検出は取得したデータの品質が悪いことが原因である可能性が示唆された.

測定された惑星の透過スペクトルの強度は,Very Large Telescope (VLT) の CRIRES を用いて取得したものと,分子吸収線に見られた強い変動を除いて完全に一致した.

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