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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1802.09276
Tingay et al. (2018)
A Serendipitous MWA Search for Narrow-band and Broad-band Low Frequency Radio Transmissions from 1I/2017 U1 'Oumuamua
(オウムアムアからの狭帯域と広帯域の低周波数電波放射の偶然の MWA による探査)

概要

Murchison Widefield Array (マーチソン・ワイドフィールド・アレイ,MWA) の 72 - 102 MHz 波長域で 2017 年 11 月 28 日に取得したデータを調査した.この時,恒星間天体 1I/2017 U1 ‘Oumuamua (オウムアムア) が観測視野中に偶然含まれている.オウムアムアの観測は,時間分解能が 0.5 秒,周波数分解能は 10 kHz であった.

オウムアムアは特異な軌道と形態的な特性を持っているため,オウムアムアは恒星間の宇宙機であるという,興味深いがとても有り得そうもない説も提唱されている.これに基いて,オウムアムアに関連した知的生命の兆候を示す可能性のあるシグナルが存在しないか調査を行った.

ここでは,電波データ中に,
1) インパルス性の狭帯域シグナル
2) 持続的な狭帯域シグナル
3) インパルス性の広帯域シグナル
が存在するかどうか調査した.
その結果,地球起源ではない電波シグナルは検出されなかった

なお,1.1–11.6 GHz での SETI 観測 (Enriquez et al. 2018) でも,オウムアムアからの特徴的な電波は検出されていない.観測結果を元に,オウムアムアからの Equivalent Isotropic Radiated Power (EIRP,等価等方輻射電力) の上限値について,各ケース別に 1) 7 kW,2) 840 W,3) 100 kW という値を与えた.これらの送信機電力は十分に人間の技術能力の範囲内であるため,地球外文明にとっても妥当な値である.

地球外知的生命探査 (Search for Extraterrestrial Intelligence, SETI) 実験でポジティブな結果が検出される可能性は非常に小さいが,MWA や将来の Square Kilometre Array (SKA) のような次世代電波望遠鏡は,ある種の SETI 実験を容易にし,さらに天体物理観測の観点でも小さな副産物を得ることが可能である.

このことは,将来の SETI 実験のコストは非常に小さいことを意味し,大きなターゲットリストを観測することによって,低確率であるポジティブな検出率と,部分的にはバランスをとることが可能である.

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