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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
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arXiv:1803.06830
Zakhozhay et al. (2018)
IRAS 22150+6109 - a young B-type star with a large disc
(IRAS 22150+6109 - 大きな円盤を持った若い B 型星)

概要

赤外線源 IRAS 22150+6109 の可視光対応天体 (optical counterpart) の分光解析と,スペクトルエネルギー分布 (spectral energy distribution, SED) のモデリングを行った.光源は,星形成領域 L 1188 にある Herbig Be 星 (ハービッグBe星) であることが示唆される.

可視スペクトルでの吸収線は,この天体のスペクトル型が B3 であることが示唆される.その一方,スペクトル中に弱いバルマー輝線が存在することは,この天体の周囲に星周ガス円盤が存在することを反映している.

恒星は近赤外スペクトル領域では黒体放射からの超過を示さず,遠赤外線では強い超過を示す.これは大きな半径を持つ星周円盤からの放射によって引き起こされていると解釈される,円盤の内縁は恒星から非常に遠方の 550 au に存在し,円盤によって恒星の放射が吸収されていない.

この天体は,現在短い前主系列の進化段階を進行中の,中間質量の恒星であると結論付けられる.

IRAS 22150+6109 について

IRAS 22150+6109 は,ケフェウス座の活発な星形成領域 L 1188 の方向にある赤外線源である (Abraham et al. 1995).早期型の輝線天体をまとめたカタログに,光度が V ~ 11 の天体としてリストアップされている (Wackerling 1970).また,Hamburg survey でも輝線星として検出されている (Kohoutek & Wehmeyer 1999).さらに,反射星雲のカタログにも含まれている (Magakian 2003).

この天体は強い赤外超過 (赤外線波長で恒星の黒体放射よりも強い放射をしている) を示しており,この天体は前主系列星から主系列段階へ進化している最中の中間質量星であることを示唆している.弱い Hα 放射スペクトルが検出されていることも,この放射源が主系列付近にいる恒星であることを支持している.

この天体からの一酸化炭素の放射の検出については議論があり,Wouterloot & Brand (1989) では非検出と報告され,Kerton & Brunt (2003) では検出したと報告されている.また水,OH,CS 分子は検出されていない (Wouterloot et al. 1993; Bronfman et al. 1996).

結論

SED モデリングからは,この天体まわりの円盤は,恒星から ~ 550 au までの範囲は掃き流されている.また円盤外縁は非常に大きく,~ 700 au まで広がっていると推定される.

円盤の傾斜は 60° 以上,円盤質量は中心星の質量の 3 × 10-2 倍以上と推定される.

他の若い天体と比較すると,この天体は近赤外で超過がなく遠赤外で非常に強い超過を示すことが知られている Herbig Be 星の,数少ない一例である.

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