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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1804.02001
Howard et al. (2018)
The First Naked-Eye Superflare Detected from Proxima Centauri
(プロキシマ・ケンタウリから検出された初めての肉眼スーパーフレア)

概要

プロキシマb は,プロキシマ・ケンタウリのハビタブルゾーン内を公転する地球質量の惑星である.しかし,中心星のプロキシマ・ケンタウリの活動度は高く,プロキシマb の居住可能性には疑問符が付く.

頻発する非常に明るい恒星フレアと,それに付随するプロトンイベントは,惑星のオゾン層を破壊する可能性があり,それにより惑星表面には致死的なレベルの紫外線フラックスが到達し得る.

2016 年 3 月,Evryscope によって,プロキシマ・ケンタウリで初めての肉眼で観測可能なスーパーフレアが発生したのが観測された.スーパーフレアの最中に,恒星の輝度は 68 倍程度大きくなり,解放されたボロメトリックエネルギーは 1033.5 erg に達した.これは,プロキシマ・ケンタウリでこれまでに検出されていたどのフレアよりも 10 倍大きいエネルギーである.

過去 2 年にわたる Evryscope での観測では,23 回のフレアが検出された.これらのボロメトリックエネルギーは 1030.6-32.4 erg の範囲である.これらのフレアの発生頻度と,単一のスーパーフレアの検出とを合わせた結果,プロキシマ・ケンタウリでは毎年少なくとも 5 回のスーパーフレアが発生すると予測される.

Evryscope で検出されたスーパーフレア最中の,HAPRS 高分散分光器による同時観測では,このスーパーフレアの紫外線スペクトルと,それに対応するコロナ質量放出への制約を与えることが出来た.これらの結果と Evryscope でのフレア発生頻度推定を用いて,この極端な恒星活動による粒子イベントによって惑星大気中に生成される NOx の光化学効果をモデリングした.

その結果,繰り返し発生するフレアは,地球類似の大気中のオゾンを,5 年以内に 90% 減少させるのに十分なエネルギーと頻度を持っていることが分かった.このような状況では,数十万年の間にオゾン層の完全な喪失を引き起こすと推定される.

従って,Evryscope で検出されたスーパーフレアによって放射される紫外線放射は,紫外線耐性のある単純微生物を殺すのに必要な強度の 100 倍で地上に到達することが判明した.そのため,プロキシマb 上でこれらのフレアに晒された領域にいる生命は,生存するのが難しいことが示唆される.

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