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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1804.08200
Tanikawa et al. (2018)
Metal Pollution of Low-Mass Population III Stars through Accretion of Interstellar Objects like `Oumuamua
(オウムアムア的な恒星間天体の降着を介した低質量種族 III 星の金属汚染)

概要

オウムアムアのような恒星間天体が,低質量の種族 III 星 (pop. III survivors,種族 III 星の生き残り) に降着する質量を計算した.また,それによる種族 III 星の生き残りの表面汚染を推定した.

オウムアムアの発見に基づく恒星間天体の数密度の推定値は非常に高く (1 立方 au あたり 0.2 個),種族 III 星の生き残りは 10 億年あたり 105 回以上,恒星間天体と衝突する.対照的に,種族 III 星の生き残りと自由浮遊惑星および種族 I/II の恒星との衝突は,ハッブル時間の間には発生しない.


オウムアムア自身は,種族 III 星の生き残りに接近すると昇華してしまう.これはオウムアムアのサイズが ~ 100 m と小さいためである.しかしサイズが 3 km 程度以上の恒星間天体の場合は,種族 III 星の生き残りの表面まで到達することが出来る.

サイズが D より大きい恒星間天体の累積数密度が \(b\propto D^{-\alpha}\) に従うと仮定すると,\(\alpha < 4\) の場合,種族 III 星の生き残りは 10-16 太陽質量の質量を降着する.降着する鉄の質量は 10-17 太陽質量となる.
この鉄の質量は,星間物質が降着する質量よりも数桁大きい.これは,種族 III 星の生き残りが出す恒星風によって,自身に星間物質が降着することを妨げるためである.

種族 III 星の生き残りの対流領域における物質の混合を考慮すると,大部分の場合で表面汚染は金属量に換算すると [Fe/H] ≲ -8 だが,種族 III 星の生き残りの質量が 0.8 太陽質量の場合は [Fe/H] ≳ -6 となる.これはこの質量の恒星の対流層が非常に薄いためである.

金属汚染の依存性は以下の通りである,
\(\alpha > 4\) の場合,種族 III 星の生き残りは D ≳ 3 km の恒星間天体との衝突は起こさず,従って恒星表面も金属無しの状態に保たれる
\(3 < \alpha < 4\) の場合,恒星間天体によって最も汚染を受け,最大で [Fe/H] ~ -7 になる
サイズが ~ 10 km の天体に至るまで \(\alpha < 3\) の関係を満たしている場合,種族 III 星の生き残りは,これまで発見されている金属欠乏星と同程度の金属量となるため,それらの中に隠れてしまう

金属汚染の度合いは \(\alpha\) に強く依存するものの,種族 III 星の生き残りの金属汚染における,恒星間天体の重要性を初めて指摘する結果である.

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