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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1805.01453
Fulton & Petigura (2018)
The California Kepler Survey VII. Precise Planet Radii Leveraging Gaia DR2 Reveal the Stellar Mass Dependence of the Planet Radius Gap
(The California Kepler Survey VII.Gaia DR2 を活用した正確な惑星半径が惑星半径ギャップの恒星質量依存性を明らかにする)

概要

惑星のサイズ分布は,惑星形成と進化の情報を含んでいる.ここでは,Gaia (ガイア) によって得られた年周視差,ケプラーの測光データ,California-Kepler サーベイから推定した分光学的温度を元に,最も精密な系外惑星のサイズ分布を提供する.

これまで,恒星の半径を高分散分光観測を用いて 11% の精度で決定してきた.ここでは Gaia によって得られた位置天文学情報を加え,誤差は 2% に改善された.その結果として惑星半径の測定は 5% の精度に改善された.


精密な特性が判明している ~ 1000 個の惑星のカタログを元にして,岩石スーパーアースとガス主体のサブネプチューンの小さい惑星の 2 つの分類を分割する,惑星サイズ分布におけるギャップについて詳細に調べた.

我々の過去の研究およびその他の著者による研究では,このギャップは観測的に十分分解されておらず,本質的に分布の底は平坦で,惑星サイズの "禁止された" バンドであることを示唆していた.
新しいカタログに基づく解析ではこれを否定し,ギャップは部分的に埋められていることが判明した

惑星の半径分布を形成する他の 2 つの重要な要素は,惑星の軌道距離と中心星の質量であり,これらはいずれも惑星が受ける X 線と紫外線の照射の履歴と関連している.

低質量星の周りでは,惑星の二峰性分布は小さいサイズへシフトしており,小さい恒星の周りでは小さい惑星コアが形成されることと整合的である.

「サブネプチューン砂漠」の広がりと,ギャップの幅と勾配を含むサイズ分布の詳細は,低密度大気の光蒸発が惑星のサイズ分布の支配的な進化的決定因子であるという見解を支持するものである

惑星分布におけるギャップ

系外惑星の半径分布の二峰性とその原因仮説

小型の系外惑星の半径分布には,惑星数が少ないギャップ領域が存在する.これは,中心星からの X 線と極端紫外線 (XUV) の照射によるエンベロープの蒸発 (光蒸発) によるという説が提案されている (Lopez & Fortney 2014,Owen & Wu 2013,Jin et al. 2014,Chen & Rogers 2016).

その他には,冷却する惑星コアの光度に駆動される質量放出などのアイデアも提案されている (Ginzburg et al. 2018).

前者は,惑星の外層大気が XUV 照射によって加熱され,大気からの質量放出が駆動されるというモデルである.いくつかの理論グループは光蒸発を考慮して,Fulton et al. (2017)で報告されるより前に惑星の半径分布のギャップの存在を予測している.

後者は,冷却する岩石コアからの光度が惑星のエンベロープを加熱し,質量放出を駆動するというものである.Ginzburg et al. (2016) でこの “core-powered mass loss” が提案され,さらに Ginzburg et al. (2018) でこのモデルを考慮した種族合成計算が行われている.どちらのメカニズムによっても,惑星サイズの二峰性分布を説明することが出来る.この二峰性は,裸の岩石コアからなる惑星と,全体の質量比が数%の水素・ヘリウムエンベロープを持つ惑星からなると考えられる.

光蒸発と core-powered のどちらのメカニズムも,中心星からの入射フラックスが大きいと効果的であるため,サブネプチューンの集団はスーパーアースに比べると入射フラックスが低い方にずれると予測される.

中心星質量への依存性

2 つの機構の重要な違いは,恒星質量への依存性である.

Core-powered では,惑星の特性と恒星のボロメトリック入射フラックスのみに依存する.そのため他の全てのパラメータが等しいとすると,この機構では惑星の半径分布は中心星質量への依存性はないと予測される.

対照的に光蒸発は,時間積分した XUV のフラックス,あるいは “fluence” に依存する.この物理量は恒星質量の強い関数であり,
\[
\int\left(L_{\rm X}/L_{\rm bol}\right)dt\propto M_{*}^{-3}
\]
となる (Jackson et al. 2012).

そのため光蒸発では,サブネプチューンの人口は恒星質量が小さくなるに連れて低い \(S_{\rm inc}\) (入射する恒星のフラックス) にシフトするだろうと予測される.これは,低質量星周りでは活動度が増加するためである.

\(S_{\rm inc}-R_{\rm p}\) 平面における惑星の半径分布の恒星質量に伴うシフトは,光蒸発の予測と整合的である.また \(P-M_{*}\) の強い依存性がないことも,光蒸発と整合的である.

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