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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1805.03102
Casasayas-Barris et al. (2018)
Na I and Hα absorption features in the atmosphere of MASCARA-2b/KELT-20b
(MASCARA-2b/KELT-20b の大気中の Na I と Hα 吸収の特徴)

概要

HARPS-N の高分散分光装置 (R = 11500) を用いて,系外惑星 MASCARA-2b/KELT-20b のトランジットを 1 回観測した.この惑星は強く輻射を受けている惑星である.

その結果,わずか 1 回の観測から,ナトリウム原子 Na I 二重線と Hα 線の特徴を,大気中から明確に分解することが出来た.
特に,ナトリウム原子 Na I 二重線を中心とする 2 つのスペクトル特徴を分解した,平均の吸収深さは 0.75 Å のバンド幅で 0.17%であり,コントラストは D2 が 0.44% と D1 が 0.37% であった.

Na I 透過光度曲線も計算され,大きな Rossiter-McLaughlin (RM) 効果を示すことが分かった.0.75 Å 帯域での Na I トランジット吸収が 0.20%,最終的な透過スペクトルからの測定された吸収深さの値と整合する.

さらに,Hα 線を中心とする二番目のスペクトルの特徴も検出した.このコントラストは 0.6% であり,0.75 Å 帯域で吸収深さは 0.59% であった.この結果は,透過光度曲線での吸収と整合的であった.また,有効半径は 1.20 木星半径に対応する.

最終的な透過スペクトルのシグナルノイズ比は,各ラインに対して異なる温度分布を当てはめるには十分な精度ではないが,各ラインのコントラストを説明するためには,この惑星の平衡温度である 2260 K よりも高い温度が必要であることが分かった.特に,Na I 線コアは 4310 K,Hα 線は 4330 K が必要である.


この惑星は,他の A 型星を公転している惑星と同様に,中心星から大きな紫外線エネルギーを受けている.このエネルギーが水素原子を励起して Hα 線での吸収を生み,大気の拡大と蒸発に繋がっている.透過スペクトル中のその他のバルマー線の観測は,この惑星の大気の温度構造の決定を可能にし,大気散逸率の計算と共に大気の寿命の計算が可能となるだろう.

この惑星の場合,未検出の残りの特徴は Hβ と Hγ 線だが,これらは今回の観測では統計的に有意ではなかった.今回の Na I と Hα の発見を確定するためには,さらなるトランジット観測が必要である.また Hβ 線と Hγ 線の惑星大気による吸収の存在を探索するのに十分なシグナルノイズ比を得るためにも,同じくさらなる観測が必要である.

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