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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1805.07992
Nakatani et al. (2018)
Radiation hydrodynamics simulations of photoevaporation of protoplanetary disks II: Metallicity dependence of UV and X-ray photoevaporation
(原始惑星系円盤の光蒸発の輻射流体力学シミュレーション II:UV と X 線光蒸発の金属量依存性)

概要

光蒸発 (photoevaporation) している円盤の輻射流体力学シミュレーションを,円盤の金属量を広い範囲で変更して行った.金属量は,太陽金属量の 10-3 - 100.5 の範囲で変更した.円盤の進化を,流体力学,輻射輸送,非平衡化学を解くことで 5000 年以上の時間に渡って追った.

以前の論文から,X 線による電離と加熱を含めることで化学モデルをアップデートした.円盤の光蒸発率の金属量依存性を研究した,特に,中心星からの X 線輻射の重要性を検証した.

金属量として太陽と同じ金属量を仮定した基準ケースでは,中心星からの紫外線輻射のみを考慮した場合と比較した場合,X 線の効果を取り入れても光蒸発率には大きな変化をもたらさなかった.

金属量が太陽より少ないパラメータ範囲では,太陽金属量の 10-1.5 倍より大きい範囲では,光蒸発率は金属量の減少に伴って増加する.これは,円盤物質の不透明度が減少するためである.この結果は,円盤の寿命は低金属量の環境では短いという,観測的な傾向と整合的である.

対照的に,太陽金属量の 10-1.5 倍よりもさらに金属量が少ないパラメータ領域では,光蒸発率は減少する.これは,遠紫外線による光電子加熱効率は金属量に依存するのに対し,ダストとガスの衝突冷却の効果は低金属量でも依然として効率的であるためである.円盤内部での冷却は光蒸発を抑制する.

しかし,中心星からの X 線輻射を考慮することで,光蒸発率は大きく増加する
特に 10-2 太陽金属量では.X 線の輻射自体は光蒸発による強い流出を駆動しないものの,X 線は円盤の中性領域の深くまで到達してその場所の電離度を上げ,粒子の正電荷を減少させる.その結果,遠紫外線輻射による光電子加熱の効果が X 線によって強化され,円盤の光蒸発を増幅させる.

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