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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1805.11744
Chen et al. (2018)
The GTC exoplanet transit spectroscopy survey IX. Detection of Haze, Na, K, and Li in the super-Neptune WASP-127b
(GTC 系外惑星トランジット分光サーベイ IX:スーパーネプチューン WASP-127b でのヘイズ,ナトリウム,カリウムとリチウムの検出)

概要

晴れた大気を持つ系外惑星は,大気の化学組成と存在度を詳細に研究するための主要なターゲットとなる.

惑星大気中のアルカリ金属は長い間,圧力幅 (pressure broadening) によってスペクトル線の広いウィングを持つことが示唆されていたが,これまでのアルカリ金属の検出の大部分では非常に狭い吸収コアを示す.これは,惑星大気中に存在する雲が原因だと考えられる.

ここでは,スーパーネプチューン WASP-127b の大気中における,ナトリウム,カリウム,リチウム吸収の,圧力幅を持ったスペクトル特徴の強い検出について報告する.検出の信頼度はそれぞれ 4.1σ,5.0σ,3.4σ であった.

観測は,10.4 m Gran Telescopio Canarias (GTC) を用いて行われ,新しく得られた高品質の可視光透過スペクトルに対して,スペクトル復元モデルを実行した.さらに 2.5 m Nordic Optical Telescope (NOT) で得られた可視光透過スペクトルの再解析も合わせて行った.

大気中に部分的に雲があるモデルを仮定して,Na, K, Li の存在度を復元した.その結果,K と Li はそれぞれ 3.7σ と 5.1σ の信頼度で太陽存在度より大きいという結果になったが,Na は 1.8σ にとどまった.

惑星のヘイズの被覆率は 52% と制約された.また,水分子の吸収の兆候も発見された,しかし今回探査した波長域では大きな不定性があるため,制約は出来なかった.
この惑星はジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡時代での大気特徴付けの非常に価値ある対象である.

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