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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1806.08147
Daley-Yates & Stevens (2018)
Inhibition of the electron cyclotron maser instability in the dense magnetosphere of a hot Jupiter
(ホットジュピターの濃い磁気圏での電子サイクロトロンメーザー不安定の抑制)

概要

ホットジュピタータイプの系外惑星は,電子サイクロトロンメーザー不安定 (electron cyclotoron maser instability, ECMI) を介して MHz の周波数領域で強い電波放射を生成すると考えられている.しかし現在のところ,この電波の反復的な検出はされていない.

この観測的な結果の不足を説明するため,三次元解適合格子法 (adaptive mesh refinement, AMR) 磁気流体力学シミュレーションを用いて,太陽型星とホットジュピターの間の磁気的相互作用を計算した.計算には公開コード PLUTO を使用した.

計算結果を用いて,惑星磁気圏からの検出可能な電波放射を生成する ECMI の効率を計算し,期待される電波放射の周波数も計算して,上限と下限を提供した.さらに,地球の電離圏による ~ 10 MHz でのカットオフによる検出の限界も与える.
ECMI に使われる,入射する運動エネルギーと磁気エネルギーも決定した,

その結果,10 pc の距離にあるホットジュピターから期待される電波放射の強度は,0.069 mJy と推定される.

またホットジュピター磁気圏の特徴付けも行い,惑星の上流側に形成されるバウショックの解析も行った.このショックは,衝突する風系の薄いシェルモデルに対応しており,解析結果は衝突する風系と整合的なものであった.

シミュレーションの結果から,中心星からの紫外線放射の吸収によって広がっているホットジュピター大気によって,ECMI 過程は完全に阻害されることが分かった.惑星風の密度,速度,温度と磁場は,MHz の周波数での ECMI 過程の電波放射を検出できないようにする働きがある.

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