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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1708.05366
Chatterjee & Chen (2017)
Effects of Planetesimal Accretion on the Thermal and Structural Evolution of Sub-Neptunes
(サブネプチューンの熱と構造進化における微惑星降着の影響)
ガス円盤の散逸の後,惑星は残った微惑星円盤からもたらされる微惑星と相互作用する.典型的な低い惑星の密度,それらの中心星への接近,また大きな恒星-惑星質量比によって,これらの相互作用の結果としてしばしば惑星による微惑星降着が引き起こされる.
ここでは,オープンソースの恒星進化ツール MESA (Modules for Experiments in Stellar Astrophysics) を,サブネプチューン (~ 1 - 20 地球質量) の水素・ヘリウムエンベロープ中への微惑星降着を含むように改良して計算を行った.
その結果,惑星への微惑星の降着は,これらの惑星の質量-半径等時線 (isochrone) を変化させることを発見した.固有の偶然性 (inherent stochasticity) により,同じ質量の微惑星を降着した結果としての同じ初期惑星の平均密度は,最終降着の後の数十億年の間,最大で 5% 異なる.もちろん,活発な降着が起きている最中は,これらの違いはより大きい.
さらに,降着する微惑星からの追加のエネルギー注入は,惑星半径とコア半径の比率を増加させ,これは大気損失量を増加させることに繋がる.高い降着率のフェーズのずっと後の惑星の平均密度も,微惑星降着に寄って変化する.特に,初期の質量が ~ 10 地球質量より小さく,エンベロープの質量比が ~ 10%より小さい惑星では顕著である.
これらの結果は,微惑星降着は,よく知られた効果である光蒸発に加え,サブネプチューンサイズの惑星の特性と多様性のある密度を形成する重要な要素であることを示唆するものである.
arXiv:1708.05366
Chatterjee & Chen (2017)
Effects of Planetesimal Accretion on the Thermal and Structural Evolution of Sub-Neptunes
(サブネプチューンの熱と構造進化における微惑星降着の影響)
概要
NASA のケプラーミッションによる顕著な発見は,惑星の平均密度には広い多様性があるという点であり,これは従来の惑星形成理論を否定するものである.ガス円盤の散逸の後,惑星は残った微惑星円盤からもたらされる微惑星と相互作用する.典型的な低い惑星の密度,それらの中心星への接近,また大きな恒星-惑星質量比によって,これらの相互作用の結果としてしばしば惑星による微惑星降着が引き起こされる.
ここでは,オープンソースの恒星進化ツール MESA (Modules for Experiments in Stellar Astrophysics) を,サブネプチューン (~ 1 - 20 地球質量) の水素・ヘリウムエンベロープ中への微惑星降着を含むように改良して計算を行った.
その結果,惑星への微惑星の降着は,これらの惑星の質量-半径等時線 (isochrone) を変化させることを発見した.固有の偶然性 (inherent stochasticity) により,同じ質量の微惑星を降着した結果としての同じ初期惑星の平均密度は,最終降着の後の数十億年の間,最大で 5% 異なる.もちろん,活発な降着が起きている最中は,これらの違いはより大きい.
さらに,降着する微惑星からの追加のエネルギー注入は,惑星半径とコア半径の比率を増加させ,これは大気損失量を増加させることに繋がる.高い降着率のフェーズのずっと後の惑星の平均密度も,微惑星降着に寄って変化する.特に,初期の質量が ~ 10 地球質量より小さく,エンベロープの質量比が ~ 10%より小さい惑星では顕著である.
これらの結果は,微惑星降着は,よく知られた効果である光蒸発に加え,サブネプチューンサイズの惑星の特性と多様性のある密度を形成する重要な要素であることを示唆するものである.
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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1708.04241
Lingam & Loeb (2017)
Risks for life on habitable planets from superflares of their host stars
(主星のスーパーフレアによるハビタブル惑星上の生命へのリスク)
最も巨大なクラスのスーパーフレアは絶滅事象の原因となる可能性がある.また,スーパーフレアの周期性が,地球の化石中の絶滅記録のパターンに対応している可能性について提案する.
一方で,弱いスーパーフレアは,生命誕生の鍵となる有機化合物の生成を介して,生命の起源に対してポジティブな役割を果たすかもしれない.
スーパーフレアは,現在の火星,および M 型と K 型矮星のハビタブルゾーン内の系外惑星における,複雑な生命の進化に対して極めて有害であることも判明した.
結論として,スーパーフレアによって晒されるリスクは十分には理解されておらず,人類は今後 1000 年程度の間に,壊滅的な経済的・技術的損失を伴うスーパーフレアイベントを目撃することになるだろうと結論付ける.
arXiv:1708.04241
Lingam & Loeb (2017)
Risks for life on habitable planets from superflares of their host stars
(主星のスーパーフレアによるハビタブル惑星上の生命へのリスク)
概要
恒星のスーパーフレアが,地球や太陽系の他の惑星,あるいは系外惑星に及ぼす影響について考察した.最も巨大なクラスのスーパーフレアは絶滅事象の原因となる可能性がある.また,スーパーフレアの周期性が,地球の化石中の絶滅記録のパターンに対応している可能性について提案する.
一方で,弱いスーパーフレアは,生命誕生の鍵となる有機化合物の生成を介して,生命の起源に対してポジティブな役割を果たすかもしれない.
スーパーフレアは,現在の火星,および M 型と K 型矮星のハビタブルゾーン内の系外惑星における,複雑な生命の進化に対して極めて有害であることも判明した.
結論として,スーパーフレアによって晒されるリスクは十分には理解されておらず,人類は今後 1000 年程度の間に,壊滅的な経済的・技術的損失を伴うスーパーフレアイベントを目撃することになるだろうと結論付ける.
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1708.03336
Astudillo-Defru et al. (2017)
The HARPS search for southern extra-solar planets XLII. A system of Earth-mass planets around the nearby M dwarf YZ Cet
(HARPS による南天の太陽系外惑星探査 XLII:近傍の M 型矮星くじら座YZ星の周りの地球質量惑星の系)
主系列のもっとも末端 (※注:スペクトル型で言うと M 型) では主星は質量が最も低く,そのため惑星による公転運動の影響を最も大きく受ける.そのような状況を考え,ここでは低質量 (0.13 太陽質量) の M 型矮星 YZ Cet (くじら座YZ星) (別名:GJ 54.1,HIP 5643) を重点的に観測した.
分光観測と測光観測の両方から,視線速度と恒星活動指標を導出した.その結果,少なくとも 3 つの惑星が,コンパクトな軌道で公転している強い証拠を発見した.また内側の 2 つは,2:3 平均運動共鳴に入っている.これらの惑星の最小質量は地球と同程度であった.またこの質量は,これまでに視線速度で測定された中では最も低質量のものである.
また,さらに低質量の惑星 (最小質量が 0.472 地球質量) が 1.04 日周期で公転している可能性がある.
N 体力学的モデルを用いて,この系のパラメータへの制限を与えた.この系までの距離は 3.6 パーセクであり,くじら座YZ星は,これまでに発見されている中で最も近い複数惑星系である.
質量:0.130 太陽質量
半径:0.168 太陽半径
有効温度:3056 K
金属量:[Fe/H] = -0.26
年齡:5.0 Gyr
軌道周期:1.96876 日
軌道離心率:0.00
軌道長半径:0.01557 AU
軌道周期:3.06008 日
軌道離心率:0.04
軌道長半径:0.02090 AU
軌道周期:4.65627 日
軌道離心率:0.129
軌道長半径:0.02764 AU
arXiv:1708.03336
Astudillo-Defru et al. (2017)
The HARPS search for southern extra-solar planets XLII. A system of Earth-mass planets around the nearby M dwarf YZ Cet
(HARPS による南天の太陽系外惑星探査 XLII:近傍の M 型矮星くじら座YZ星の周りの地球質量惑星の系)
概要
系外惑星のサーベイ観測からは,低質量の複数の惑星がコンパクトな軌道にある系は一般的であることが分かっている.しかし,少数の例を除いては惑星の質量は一般的には未知である.主系列のもっとも末端 (※注:スペクトル型で言うと M 型) では主星は質量が最も低く,そのため惑星による公転運動の影響を最も大きく受ける.そのような状況を考え,ここでは低質量 (0.13 太陽質量) の M 型矮星 YZ Cet (くじら座YZ星) (別名:GJ 54.1,HIP 5643) を重点的に観測した.
分光観測と測光観測の両方から,視線速度と恒星活動指標を導出した.その結果,少なくとも 3 つの惑星が,コンパクトな軌道で公転している強い証拠を発見した.また内側の 2 つは,2:3 平均運動共鳴に入っている.これらの惑星の最小質量は地球と同程度であった.またこの質量は,これまでに視線速度で測定された中では最も低質量のものである.
また,さらに低質量の惑星 (最小質量が 0.472 地球質量) が 1.04 日周期で公転している可能性がある.
N 体力学的モデルを用いて,この系のパラメータへの制限を与えた.この系までの距離は 3.6 パーセクであり,くじら座YZ星は,これまでに発見されている中で最も近い複数惑星系である.
パラメータ
くじら座YZ星
スペクトル型:M4.5質量:0.130 太陽質量
半径:0.168 太陽半径
有効温度:3056 K
金属量:[Fe/H] = -0.26
年齡:5.0 Gyr
くじら座YZ星b
最小質量:0.75 地球質量軌道周期:1.96876 日
軌道離心率:0.00
軌道長半径:0.01557 AU
くじら座YZ星c
最小質量:0.90 地球質量軌道周期:3.06008 日
軌道離心率:0.04
軌道長半径:0.02090 AU
くじら座YZ星d
最小質量:1.14 地球質量軌道周期:4.65627 日
軌道離心率:0.129
軌道長半径:0.02764 AU
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1708.03079
Pike et al. (2017)
Col-OSSOS: z Band Photometry Reveals Three Distinct TNO Surface Types
(Col-OSSOS:z バンド測光が明らかにする太陽系外縁天体の 3 つの表面タイプ)
Outer Solar System Origins Survey (OSSOS) の中で行われた,Colours of the Outer Solar System Origins Survey (Col-OSSOS) のサーベイで,26 個の太陽系外縁天体の g, r, z バンドの測光観測データを取得した.観測には,すばる望遠鏡と Gemini Observatory を用いた.過去の色サーベイは z バンドの反射率を使用しておらず,このバンドを含めることで,サブグループの間の大きな表面の反射率の違いの存在が明らかになった.
太陽系外縁天体の色は,g-r と r-z で明確な構造を示した.また,過去に測定されていた g-r の二峰性と整合的な結果を得た.
2 つの力学的に励起された表面のタイプの色の分布は,Fraser & Brown (2012) の 2 要素混合モデルでモデル化出来る.g-r と r-z の組み合わせにより,力学的に励起されたクラスは明確に赤と中間的な表面のクラスに分類することが出来る.g-r と r-z では,2 つの力学的に励起された表面のグループは,冷たい古典的な TNO の表面とも明確に異なる.冷たく古典的な TNO の表面は赤く,g-r > 0.85 かつ r-z < 0.6 であった.一方で全ての力学的に励起された天体は g-r の色は似ていて,r-z はより赤い.z バンドの測光観測からは,赤い excited TNO と赤い冷たい古典的 TNO の表面を区別することが出来る.
arXiv:1708.03079
Pike et al. (2017)
Col-OSSOS: z Band Photometry Reveals Three Distinct TNO Surface Types
(Col-OSSOS:z バンド測光が明らかにする太陽系外縁天体の 3 つの表面タイプ)
概要
太陽系外縁天体 (trans-Neptunian objects, TNOs) は,可視光と近赤外線での色に基いて,いくつかのクラスに分けられている.Outer Solar System Origins Survey (OSSOS) の中で行われた,Colours of the Outer Solar System Origins Survey (Col-OSSOS) のサーベイで,26 個の太陽系外縁天体の g, r, z バンドの測光観測データを取得した.観測には,すばる望遠鏡と Gemini Observatory を用いた.過去の色サーベイは z バンドの反射率を使用しておらず,このバンドを含めることで,サブグループの間の大きな表面の反射率の違いの存在が明らかになった.
太陽系外縁天体の色は,g-r と r-z で明確な構造を示した.また,過去に測定されていた g-r の二峰性と整合的な結果を得た.
2 つの力学的に励起された表面のタイプの色の分布は,Fraser & Brown (2012) の 2 要素混合モデルでモデル化出来る.g-r と r-z の組み合わせにより,力学的に励起されたクラスは明確に赤と中間的な表面のクラスに分類することが出来る.g-r と r-z では,2 つの力学的に励起された表面のグループは,冷たい古典的な TNO の表面とも明確に異なる.冷たく古典的な TNO の表面は赤く,g-r > 0.85 かつ r-z < 0.6 であった.一方で全ての力学的に励起された天体は g-r の色は似ていて,r-z はより赤い.z バンドの測光観測からは,赤い excited TNO と赤い冷たい古典的 TNO の表面を区別することが出来る.
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1708.01895
Yılmaz et al. (2017)
A Jupiter-mass planet around the K0 giant HD 208897
(K0 巨星 HD 208897 まわりの木星質量惑星)
巨星 HD 208897 の視線速度を,ヨウ素セルを用いて高精度に測定したところ,恒星の視線速度に周期的な変動を検出した,この変動を,不可視の伴星によるケプラー運動と考えてモデル化した.その結果,この恒星は最小質量が 1.40 木星質量の惑星を持つことが判明した.
この惑星は,進化した中間質量星の周りに発見されている惑星としては,比較的軽いものである.
惑星は円軌道に近い軌道を持ち,軌道周期は 353 日である,中心星からおよそ 1 AU の位置を公転している.
恒星は金属豊富で,赤色巨星分枝への進化の初期段階にある.恒星の測光観測とヒッパルコスでの測光観測からは,視線速度変動に伴った変動は検出されなかった.また,恒星の Ca II や Hα 線も,視線速度測定との相関は見られなかった.
等級:6.51
有効温度:4860 K
質量:1.25 太陽質量
半径:4.98 太陽半径
金属量:[Fe/H] = 0.21
軌道離心率:0.07
最小質量:1.40 木星質量
軌道長半径:1.05 AU
arXiv:1708.01895
Yılmaz et al. (2017)
A Jupiter-mass planet around the K0 giant HD 208897
(K0 巨星 HD 208897 まわりの木星質量惑星)
概要
これまでに 10 年以上に渡って,進化した G, K 型星の周りの準恒星天体の視線速度法での探査を実施してきた.巨星 HD 208897 の視線速度を,ヨウ素セルを用いて高精度に測定したところ,恒星の視線速度に周期的な変動を検出した,この変動を,不可視の伴星によるケプラー運動と考えてモデル化した.その結果,この恒星は最小質量が 1.40 木星質量の惑星を持つことが判明した.
この惑星は,進化した中間質量星の周りに発見されている惑星としては,比較的軽いものである.
惑星は円軌道に近い軌道を持ち,軌道周期は 353 日である,中心星からおよそ 1 AU の位置を公転している.
恒星は金属豊富で,赤色巨星分枝への進化の初期段階にある.恒星の測光観測とヒッパルコスでの測光観測からは,視線速度変動に伴った変動は検出されなかった.また,恒星の Ca II や Hα 線も,視線速度測定との相関は見られなかった.
パラメータ
HD 208897
スペクトル型:K0等級:6.51
有効温度:4860 K
質量:1.25 太陽質量
半径:4.98 太陽半径
金属量:[Fe/H] = 0.21
HD 208897b
軌道周期:352.7 日軌道離心率:0.07
最小質量:1.40 木星質量
軌道長半径:1.05 AU