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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1706.00251
Jin & Mordasini (2017)
Compositional imprints in density-distance-time: a rocky composition for close-in low-mass exoplanets from the location of the valley of evaporation
(密度-距離-時間における組成の痕跡:蒸発の谷の位置からの岩石組成の近接低質量系外惑星)
分布図上の "谷" の形成が惑星の蒸発にするものだと仮定し,Fulton et al. (2017) で観測的に発見されている分布図上の "谷" の位置と比較することで,この領域にいるケプラー惑星のコアの組成は岩石主体であることが示唆される.平均運動共鳴から外れている周期比を持つ惑星の存在の超過と組み合わせると,このことは低質量のケプラー惑星は水のアイスラインより内側で形成され,しかしさらに軌道移動したものと示唆される.
初期に持っていた全ての H/He エンベロープを失った惑星は,コア半径が物理的な惑星半径として観測されるようになる.このような,距離 - 半径平面の ”triangle of evaporation” にいる惑星は,取りうる可能性のある組成の縮退はなくなる.
観測から得られている系外惑星の軌道距離-半径ダイアグラムにおいて,大きな惑星半径を持った惑星は揮発性物質が豊富な組成を持つという傾向を同定した (1.6 地球半径以下は岩石組成,1.6 - 3.0 地球半径は氷主体か H/He 主体,あるいはその両方,3 地球半径以上は H/He 主体).また,軌道距離との依存性がある可能性についても同定した.
また,惑星の質量-密度分布は,惑星形成と進化についての重要な情報を含む.例えば,「固体惑星」から「低質量の亜臨界コア主体の惑星が初期の H/He を伴っている状態」,「ガス主体の巨大惑星」への遷移に関する情報などがその一例である.
惑星蒸発は,低密度な近接低質量惑星を質量-密度平面から取り除くはたらきがある.これにより,密度と軌道距離は低質量惑星では反相関するようになる.巨大惑星では対照的に,近接惑星は低密度であり,これはおそらく惑星内部の膨張機構によって引き起こされている傾向である.
観測されている系外惑星の質量-密度分布は,コア降着形成シナリオと,それに引き続く惑星の蒸発という形成・進化過程と整合する.また,惑星の蒸発モデルと相反するような,中心星に近接した非常に低密度の低質量惑星は,系外惑星データベースには存在しない.この研究で明らかになった系外惑星分布の統計的性質の時間進化は,将来的に時間次元の観測も可能になるであろう,PLATO 2.0 ミッションでの課題のひとつになるだろう.
arXiv:1706.00251
Jin & Mordasini (2017)
Compositional imprints in density-distance-time: a rocky composition for close-in low-mass exoplanets from the location of the valley of evaporation
(密度-距離-時間における組成の痕跡:蒸発の谷の位置からの岩石組成の近接低質量系外惑星)
概要
惑星形成,熱力学的進化,大気散逸を含んだ理論モデルを用いて,分布図上における惑星大気蒸発の統計的な痕跡が,惑星コアの全体の組成 (岩石主体か氷主体か) にどのように依存するか調べた,その結果,距離-半径平面における “evaporation valley” (惑星の蒸発によって形成された分布の空隙) の位置などの典型的な惑星蒸発の痕跡や,それに対応する惑星半径の二峰性分布は,低質量の近接惑星のコアの組成に依存して明確に異なることを発見した.分布図上の "谷" の形成が惑星の蒸発にするものだと仮定し,Fulton et al. (2017) で観測的に発見されている分布図上の "谷" の位置と比較することで,この領域にいるケプラー惑星のコアの組成は岩石主体であることが示唆される.平均運動共鳴から外れている周期比を持つ惑星の存在の超過と組み合わせると,このことは低質量のケプラー惑星は水のアイスラインより内側で形成され,しかしさらに軌道移動したものと示唆される.
初期に持っていた全ての H/He エンベロープを失った惑星は,コア半径が物理的な惑星半径として観測されるようになる.このような,距離 - 半径平面の ”triangle of evaporation” にいる惑星は,取りうる可能性のある組成の縮退はなくなる.
観測から得られている系外惑星の軌道距離-半径ダイアグラムにおいて,大きな惑星半径を持った惑星は揮発性物質が豊富な組成を持つという傾向を同定した (1.6 地球半径以下は岩石組成,1.6 - 3.0 地球半径は氷主体か H/He 主体,あるいはその両方,3 地球半径以上は H/He 主体).また,軌道距離との依存性がある可能性についても同定した.
また,惑星の質量-密度分布は,惑星形成と進化についての重要な情報を含む.例えば,「固体惑星」から「低質量の亜臨界コア主体の惑星が初期の H/He を伴っている状態」,「ガス主体の巨大惑星」への遷移に関する情報などがその一例である.
惑星蒸発は,低密度な近接低質量惑星を質量-密度平面から取り除くはたらきがある.これにより,密度と軌道距離は低質量惑星では反相関するようになる.巨大惑星では対照的に,近接惑星は低密度であり,これはおそらく惑星内部の膨張機構によって引き起こされている傾向である.
観測されている系外惑星の質量-密度分布は,コア降着形成シナリオと,それに引き続く惑星の蒸発という形成・進化過程と整合する.また,惑星の蒸発モデルと相反するような,中心星に近接した非常に低密度の低質量惑星は,系外惑星データベースには存在しない.この研究で明らかになった系外惑星分布の統計的性質の時間進化は,将来的に時間次元の観測も可能になるであろう,PLATO 2.0 ミッションでの課題のひとつになるだろう.
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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1705.10810
Owen & Wu (2017)
The evaporation valley in the Kepler planets
(ケプラー惑星における蒸発の谷)
軌道周期 100 日以内のケプラー惑星の半径分布は,明確に二峰性を持つことが分かっている.分布のピークは 1.3 地球半径と 2.6 地球半径にあり,その間を “谷” で分けられたような分布になっている.このような “evaporation-valley” の存在は,数値モデルで過去に予測されていた.
ここでは,シンプルな解析モデルを用いて先の数値的な結果を再現するとともに,再現するための条件を明らかにした.
惑星のエンベロープが喪失するタイムスケールは,水素ヘリウム豊富なエンベロープでは最も長く,この場合質量では数%であるが,惑星のサイズをファクター 2 大きくする.エンベロープ喪失のタイムスケールは,エンベロープがこれよりも軽い場合は減少する.これは,エンベロープが希薄になるのに従い,惑星の半径は大部分は一定にとどまり,光蒸発を起こす高エネルギーフラックスを受ける量も一定であるためである.
喪失のタイムスケールは,より重いエンベロープに対しても減少する.これは惑星がエンベロープ質量の追加よりも早く膨張することが要因である.そのため光蒸発は,惑星を裸のコア (~ 1.3 地球半径) か,2 倍のコア半径を持つ惑星 (~ 2.6 地球半径) のどちらかへと進化させる.このことは,観測されている谷の存在と,2.6 地球半径以上の半径を持つ惑星の急激な減少の両方を説明できる.
観測されている半径分布からは,ケプラー惑星は 3 地球質量周辺にクラスタリングしていること,惑星誕生の時点で H/He エンベロープを質量の数パーセント以上持っていること,またそれらのコアは一様に地球の組成と類似している事が要求される.そのようなエンベロープは,ガス円盤の散逸の前に惑星へ降着している必要がある.
arXiv:1705.10810
Owen & Wu (2017)
The evaporation valley in the Kepler planets
(ケプラー惑星における蒸発の谷)
概要
California Kepler Survey チームによって,低質量の近接系外惑星の光蒸発駆動の進化モデルを支持する証拠が提案された (Fluton et al. 2017).軌道周期 100 日以内のケプラー惑星の半径分布は,明確に二峰性を持つことが分かっている.分布のピークは 1.3 地球半径と 2.6 地球半径にあり,その間を “谷” で分けられたような分布になっている.このような “evaporation-valley” の存在は,数値モデルで過去に予測されていた.
ここでは,シンプルな解析モデルを用いて先の数値的な結果を再現するとともに,再現するための条件を明らかにした.
惑星のエンベロープが喪失するタイムスケールは,水素ヘリウム豊富なエンベロープでは最も長く,この場合質量では数%であるが,惑星のサイズをファクター 2 大きくする.エンベロープ喪失のタイムスケールは,エンベロープがこれよりも軽い場合は減少する.これは,エンベロープが希薄になるのに従い,惑星の半径は大部分は一定にとどまり,光蒸発を起こす高エネルギーフラックスを受ける量も一定であるためである.
喪失のタイムスケールは,より重いエンベロープに対しても減少する.これは惑星がエンベロープ質量の追加よりも早く膨張することが要因である.そのため光蒸発は,惑星を裸のコア (~ 1.3 地球半径) か,2 倍のコア半径を持つ惑星 (~ 2.6 地球半径) のどちらかへと進化させる.このことは,観測されている谷の存在と,2.6 地球半径以上の半径を持つ惑星の急激な減少の両方を説明できる.
観測されている半径分布からは,ケプラー惑星は 3 地球質量周辺にクラスタリングしていること,惑星誕生の時点で H/He エンベロープを質量の数パーセント以上持っていること,またそれらのコアは一様に地球の組成と類似している事が要求される.そのようなエンベロープは,ガス円盤の散逸の前に惑星へ降着している必要がある.
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1705.10346
Osborn et al. (2017)
Periodic Eclipses of the Young Star PDS 110 Discovered with WASP and KELT Photometry
(WASP と KELT 測光で周期的な食が発見された若い恒星 PDS 110)
PDS 110 (別名:HD 290380, IRAS 05209-0107) は希少な Fe/Ge 型星であり,10 Myr 程度の年齢を持つ.周囲から物質を降着している中間質量の恒星で,強い赤外超過を示すことが分かっている (LIR/Lbol ~ 0.25).
この恒星では 2 回の非常に似た形状の食が 2008 年 11 月と 2011 年 1 月に観測されている.この食は,深さが 30%,継続時間が ~ 25 日であった.ここではこの食について,軌道周期が 808 ± 2 日の同じ構造によって起こされた食だと解釈する.
単一軌道の間のシアリングを考えると,広がったダストの塊によるものである可能性は排除される.原因としてもっともらしいと思われるのは,中心星から ~ 2 AU の位置にある伴星によるものとする仮説である.観測された食の特徴は,不可視の低質量 (1.8 - 70 木星質量) の惑星か褐色矮星が,周囲に直径 ~ 0.3 AU の周伴星円盤を持っており,それがトランジットしていると考えると説明できる.
この仮説が正しい場合,次の食は 2017 年 9 月に起きると予測される.
arXiv:1705.10346
Osborn et al. (2017)
Periodic Eclipses of the Young Star PDS 110 Discovered with WASP and KELT Photometry
(WASP と KELT 測光で周期的な食が発見された若い恒星 PDS 110)
概要
若い恒星 PDS 110 に付随する,星周円盤物質による食の検出について報告する.この恒星は Ori OB1a アソシエーションの中にある恒星である.星周円盤による食は,SuperWASP と KELT のサーベイによって観測された.PDS 110 (別名:HD 290380, IRAS 05209-0107) は希少な Fe/Ge 型星であり,10 Myr 程度の年齢を持つ.周囲から物質を降着している中間質量の恒星で,強い赤外超過を示すことが分かっている (LIR/Lbol ~ 0.25).
この恒星では 2 回の非常に似た形状の食が 2008 年 11 月と 2011 年 1 月に観測されている.この食は,深さが 30%,継続時間が ~ 25 日であった.ここではこの食について,軌道周期が 808 ± 2 日の同じ構造によって起こされた食だと解釈する.
単一軌道の間のシアリングを考えると,広がったダストの塊によるものである可能性は排除される.原因としてもっともらしいと思われるのは,中心星から ~ 2 AU の位置にある伴星によるものとする仮説である.観測された食の特徴は,不可視の低質量 (1.8 - 70 木星質量) の惑星か褐色矮星が,周囲に直径 ~ 0.3 AU の周伴星円盤を持っており,それがトランジットしていると考えると説明できる.
この仮説が正しい場合,次の食は 2017 年 9 月に起きると予測される.
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1705.10009
Lee et al. (2017)
Search for Exoplanets around Northern Circumpolar Stars- II. The Detection of Radial Velocity Variations in M Giant Stars HD 36384, HD 52030, and HD 208742
(北天の周極星まわりでの系外惑星探査 II.M 型巨星 HD 36384,HD 52030 と HD 208742 でも視線速度変動の検出)
この観測は,Bohyunsan Observatory Echelle Spectrograph (BOES) を用いた高分解能視線速度サーベイ観測であり.200 個の北天の周極星を観測している.
3 つの恒星の視線速度データ,彩層活動度などの 5 年間に渡る解析から,視線速度変動は恒星を公転する惑星か褐色矮星による変動だと考えられる.しかし HD 36384 は,視線速度変動と非常に近い測光的な変動も見られることが分かった.そのため HD 36384 での視線速度の変動は恒星の脈動によるものであると考えられる.
他の 2 つの天体について,視線速度の変動が伴星天体の軌道運動によるものだとすると,HD 52030 は最小質量 13.3 木星質量の天体が 484 日周期で公転しており,軌道長半径は 1.2 AU となる.また HD 208742 は 14.0 木星質量の天体が軌道周期 602 日 で公転しており,軌道長半径は 1.5 AU となる.
今回報告した恒星はすべて漸近巨星分枝 (asymptotic giant branch, AGB) の段階におり,ヘリウムフラッシュを経た後である.しかし,今回の観測で得られた視線速度変動と,これらの恒星が変動の多い進化した恒星であるという事実により,視線速度変動の原因が惑星であると断定するには至っていない.
arXiv:1705.10009
Lee et al. (2017)
Search for Exoplanets around Northern Circumpolar Stars- II. The Detection of Radial Velocity Variations in M Giant Stars HD 36384, HD 52030, and HD 208742
(北天の周極星まわりでの系外惑星探査 II.M 型巨星 HD 36384,HD 52030 と HD 208742 でも視線速度変動の検出)
概要
HD 36384, HD 52030, HD 208742 の 3 つの恒星で,長周期の視線速度変動が検出されたのでその結果を報告する.この観測は,Bohyunsan Observatory Echelle Spectrograph (BOES) を用いた高分解能視線速度サーベイ観測であり.200 個の北天の周極星を観測している.
3 つの恒星の視線速度データ,彩層活動度などの 5 年間に渡る解析から,視線速度変動は恒星を公転する惑星か褐色矮星による変動だと考えられる.しかし HD 36384 は,視線速度変動と非常に近い測光的な変動も見られることが分かった.そのため HD 36384 での視線速度の変動は恒星の脈動によるものであると考えられる.
他の 2 つの天体について,視線速度の変動が伴星天体の軌道運動によるものだとすると,HD 52030 は最小質量 13.3 木星質量の天体が 484 日周期で公転しており,軌道長半径は 1.2 AU となる.また HD 208742 は 14.0 木星質量の天体が軌道周期 602 日 で公転しており,軌道長半径は 1.5 AU となる.
今回報告した恒星はすべて漸近巨星分枝 (asymptotic giant branch, AGB) の段階におり,ヘリウムフラッシュを経た後である.しかし,今回の観測で得られた視線速度変動と,これらの恒星が変動の多い進化した恒星であるという事実により,視線速度変動の原因が惑星であると断定するには至っていない.
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1705.08904
Checlair et al. (2017)
No snowball on habitable tidally locked planets
(生命存在可能な潮汐固定惑星は全球凍結を起こさない)
地球環境においては,全球的な氷河作用の周期 (全球凍結状態への遷移とその回復) が居住可能性に重要であったと考えられる.これは,全球凍結イベントは地球上の生命の複雑さや,大気中への酸素の濃集と相関していると考えられることが理由である.
ここでは,惑星のエネルギー収支モデルとグローバルな気候モデルの両方を用いて,自転周期と公転周期が潮汐固定された惑星における,全球凍結状態への分岐 (全球的な氷河作用の突然の発生) について調査した.
その結果,潮汐固定された惑星では全球凍結状態への分岐は発生しないと考えられる.これの直接的な原因は,惑星が受け取る日射の空間パターンの違いによるものである.
全球凍結状態への遷移を起こさない代わりに,ハビタブルな潮汐固定惑星は,部分的な氷河に覆われた状態と完全に覆われた状態をスムーズに遷移することが分かった.この結果が意味する重要な点は,潮汐固定された惑星のうち活発な炭素循環を起こしている惑星は,全球凍結状態では発見されないというものである.
さらに,潮汐固定された惑星がハビタブルゾーンの外縁付近に位置し,低い二酸化炭素の脱ガス率を持つ場合は,温暖な状態と全球凍結状態の行き来を起こすのではなく,恒星直下点周辺に小さい氷河のない領域を持った平衡状態に落ち着くことが示唆された.
arXiv:1705.08904
Checlair et al. (2017)
No snowball on habitable tidally locked planets
(生命存在可能な潮汐固定惑星は全球凍結を起こさない)
概要
最近,生命居住可能性のある惑星として,TRAPPIST-1,プロキシマ・ケンタウリ,LHS 1140 系が注目を集めている.これらの系の惑星は M 型星の近傍を公転しており,惑星の自転周期と公転周期は 1:1 の潮汐固定状態に入っていると思われる.そのため,惑星の居住可能性については潮汐固定の効果を考慮する必要がある.地球環境においては,全球的な氷河作用の周期 (全球凍結状態への遷移とその回復) が居住可能性に重要であったと考えられる.これは,全球凍結イベントは地球上の生命の複雑さや,大気中への酸素の濃集と相関していると考えられることが理由である.
ここでは,惑星のエネルギー収支モデルとグローバルな気候モデルの両方を用いて,自転周期と公転周期が潮汐固定された惑星における,全球凍結状態への分岐 (全球的な氷河作用の突然の発生) について調査した.
その結果,潮汐固定された惑星では全球凍結状態への分岐は発生しないと考えられる.これの直接的な原因は,惑星が受け取る日射の空間パターンの違いによるものである.
全球凍結状態への遷移を起こさない代わりに,ハビタブルな潮汐固定惑星は,部分的な氷河に覆われた状態と完全に覆われた状態をスムーズに遷移することが分かった.この結果が意味する重要な点は,潮汐固定された惑星のうち活発な炭素循環を起こしている惑星は,全球凍結状態では発見されないというものである.
さらに,潮汐固定された惑星がハビタブルゾーンの外縁付近に位置し,低い二酸化炭素の脱ガス率を持つ場合は,温暖な状態と全球凍結状態の行き来を起こすのではなく,恒星直下点周辺に小さい氷河のない領域を持った平衡状態に落ち着くことが示唆された.
天体名にある PDS は Pico dos Dias Survey というサーベイプロジェクトから取られている.
このサーベイでは,IRAS Point Source Catalog に収録されている天体をベースにして,若い恒星であるハービッグ Ae/Be 星を探査してリストアップしている.合計で 600 個程度の天体がこのカタログに収録されている (Gregorio-Hetem et al. 1992, Torres et al. 1995).