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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1703.03759
Fujii et al. (2017)
Orbital Evolution of Moons in Weakly Accreting Circumplanetary Disks
(弱く降着する周惑星円盤中での衛星の軌道進化)

概要

高温で重い周惑星円盤 (circumplanetary disks, CPDs) の形成と,その中で形成される衛星の軌道進化について研究した.

円盤のサイズスケールが比較的小さいため,原始惑星系円盤の中では MRI を可能とする電離度であっても,速い磁気拡散が磁気回転不安定 (magnetorotational instability, MRI) を阻害する.大きな角運動量輸送が無いため,原始惑星系円盤からの継続する質量供給によって,重い CPD が形成される.

ここではこのシナリオでの進化モデルを発展させた.また,その円盤内での衛星の軌道進化を推定した.その結果ある温度範囲内では,衛星の内側移動は不透明度の遷移によって起きる構造の変化によって止められることを発見した

さらにこの円盤モデルでは,二番目と三番目の軌道移動する衛星を平均運動共鳴に捕獲することによって,ラプラス共鳴に入ったコンパクトな系を形成可能である.

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1703.03279
Poppenhaeger et al. (2017)
A Test of the Neutron Star Hypothesis for Fomalhaut b
(フォーマルハウトb 中性子星仮説の検証)

概要

フォーマルハウトb (Formalhaut b) は,恒星フォーマルハウトの周りのデブリ円盤中にある,直接撮像されている天体である.

この天体は惑星であると考えられているが,観測されたフォーマルハウトb のスペクトルは,理論的な惑星モデルとは一致しないという問題点もある.対立する仮説としては,この天体はフォーマルハウトまわりの円盤の前景,もしくは背景にある中性子星である,というものがある.

ここでは,X 線天文衛星 Chandra の HRC-I 装置を用い,0.08 - 10 keV のエネルギー範囲での X 線観測を行い,フォーマルハウトb が中性子星である可能性について探った.

その結果,フォーマルハウトb とフォーマルハウトそのもののどちらからも,X 線の放射は検出されなかった.この非検出は,フォーマルハウトb からの 0.08 - 10 keV の範囲での X 線フラックスの上限値が 1.3 × 10-4 erg cm-2 s-1 であるということに対応する.

A 型星である中心星のフォーマルハウトに関しては,0.08 - 10 keV のエネルギー範囲における X 線光度の上限値は 2.0 × 1025 erg s-1 と導出される.

フォーマルハウトb からの X 線が検出されなかったということから,この天体が中性子星であった場合の中性子星のパラメータ空間を大きく制約することが出来る.もし中性子星だとすると,表面温度は 91000 K よりも低く,太陽系から 13.3 pc よりも近い位置にある

これに加えて,過去に得られている可視光でのフォーマルハウトb のスペクトルは,中心星からの光の反射光とよくフィットするという事が判明した.そのため,フォーマルハウトb がより大きなリング系を伴った,小さい惑星である場合はスペクトルを上手く説明出来る可能性がある

フォーマルハウトb について

フォーマルハウトb は,精度良く直接撮像された初めての系外惑星である (Kalas et al. 2008).

フォーマルハウト系には,スペクトル型 A4 の若い主系列星であるフォーマルハウトA と,2 個の物理的に束縛された恒星,K 型星のフォーマルハウトB と,M 型星のフォーマルハウトC が存在する.この 2 つは主星の フォーマルハウトA から大きく離れたところにあり,距離は 750 AU に対応する.

フォーマルハウトA は太陽から 7.5 pc の距離にある.
この恒星はデブリ円盤に囲まれており,デブリ円盤は可視光と赤外線で撮像されている.また可視光の赤い波長で,ハッブル宇宙望遠鏡のコロナグラフを用いて行われた複数回の観測では,デブリ円盤と同じ平面を動く天体も検出され,フォーマルハウトb と呼ばれている.フォーマルハウトb は中心星からおよそ 100 AU 離れている.このような距離にある系外惑星は低温であると考えられ,理論モデルからはこの天体は木星と似た質量を持つと見積もられている (Kalas et al. 2008).

しかし,異なる波長でのフォーマルハウトb の観測からは驚くべき結果が報告されている.この惑星は,可視光から近赤外での 6000 - 8100 Å の波長領域では繰り返し検出されているが (Currie et al. 2012),この系外惑星がより明るく観測されると期待されるより長い波長では検出されず,典型的な系外惑星のモデルスペクトルとは一致しない強い上限値 (理論予測よりもずっと低い上限値) が得られている (Janson et al. 2012).

さらに混乱を引き起こす出来事として,フォーマルハウトb はおよそ 4400 Å の青い可視光でも検出されているが,この波長域は理論的には非常に暗くなっているはずの領域である (Currie et al. 2012).

また,最近の可視光での検出結果と最もよく一致するフォーマルハウトb の軌道は,これまで考えられていたようなデブリ円盤の平面と揃っている軌道ではなく,円盤と交差するような軌道を取っているように見えるということも分かっている (Kalas et al. 2013).

この天体の驚くべきスペクトルを説明するために,幾つかの可能性が提案されている.
例えば,木星質量の惑星周りに形成される惑星降着円盤は,反射によって青い波長でのスペクトルの超過を説明する事ができる.しかしこの仮説では,フォーマルハウトb の円盤面から外れた軌道を説明出来ない (Kalas et al. 2008, Janson et al. 2012).

また,この天体が微惑星からなる非常に大きな雲を伴った小さく高温の惑星だとすると,この天体の明るさと,円盤面から傾いた軌道をもちつつも,観測出来るだけの擾乱を円盤に起こしていない事実を説明できる.しかし付近に十分大きな質量を持った散乱の原因となる天体が無く,どのようにして大きく傾いた軌道に移行したのかは説明できない (Janson et al. 2012).

さらに,この天体がコアを持たない氷のダスト雲だとすると光度を説明できるが,系の年齢推定の観点からはこの説はもっともらしくない (Currie et al. 2012など).

従って,どの仮説も観測されている天体の特性と完全に整合的ではない.

フォーマルハウトA とフォーマルハウトb の相対運動の最近の観測からは,惑星候補天体 (フォーマルハウトb) の軌道が円盤内には無いことが示されているため,フォーマルハウトb は,フォーマルハウトA の円盤面付近を偶然近い投影距離で通過している天体 (※すなわちフォーマルハウト円盤の手前か奥にあり,偶然接近して見えるだけ) だとする説もある (Neuhauser et al. 2015).

観測されているフォーマルハウトb のスペクトルエネルギー分布 (SED) からは,この天体は通常の恒星ではないことが示される.観測されているフォーマルハウトb の暗さから考えると,仮に恒星であるとした場合は非常に遠方である必要がある.そのような場合は星間物質による一定の赤化 (reddening) が起こるが,これは観測事実と一致しない.

また,明るさからすると白色矮星でもない (可視光で 25 等程度).仮に白色矮星だとした場合,明るさが観測と合うような距離は 0.5 - 5 kpc となるが,この距離だとすると観測されているフォーマルハウトb の軌跡を説明するためには,非現実的に大きな二次元平面上に空間速度が必要となる (Neuhauser et al. 2015).

さらに,フォーマルハウトb は中性子星であるという可能性も提案されている.中性子星の絶対可視等級は,温度によるがおよそ 22- 25 等程度になる (Kaplan et al. 2011など).フォーマルハウトb の実視等級は可視光でおよそ 25 等である.年老いて低温な中性子星がおよそ 10 pc の距離にあるか,いくぶん高温でより遠方にあるとした場合は,見た目の光度を説明できる.

中性子星は形成直後の表面温度は数 MK (数百万度) 程度から始まり,百万年のタイムスケールで 100000 K 程度にまで冷える (Page & Appelegate 1992など).いくつかの近傍の熱的放射をする中性子星は,X 線で十分な精度で検出されている.これら検出されている中性子星は,典型的には表面温度が 500000 - 1000000 K 程度だが,これらの中性子星は年齢が 100 万年程度未満と推定されている (Kaplan et al 2011).

一方,年老いた低温な中性子星は可視光で青く見える.これは観測されているフォーマルハウトb の特徴と合う.年老いた中性子星からの放射は,遠紫外線の波長域にピークを持つと思われる.中心星のフォーマルハウトA からの可視光と紫外線波長の放射により,その検出は困難を伴う.

しかし軟 X 線では,中性子星スペクトルのハードテール成分が検出できる可能性がある.フォーマルハウト程度の質量の恒星は X 線では暗いため,フォーマルハウトb を X 線で観測するには適している.

観測結果

観測の結果,中心星のフォーマルハウトA も,フォーマルハウトb も X 線では非検出であった.この結果より,各天体のフラックスに上限値を与え,フォーマルハウトb の上限値から,この天体が中性子星だとした場合のパラメータフィットを行った.

ベストフィットは,黒体温度が 91000 K で,距離が 13.5 pc というものである.この温度の制限は X 線の上限値から算出している.また可視光と近赤外線では検出されているという事実から,仮にその温度であった場合の距離の決定を行った.

「表面温度が 91000 K より高く,距離が遠い」とするモデルは観測と合致しない.これは,X 線の上限値を満たす一方で,可視光での観測データを下回ってしまうからである.あるいは可視光での観測データを満たした場合は X 線の観測の上限値を超えてしまうためである.

ここで留意すべき点は,中性子星モデルのベストフィットパラメータは,この天体が X 線の上限値で検出されていた場合であり,実際には検出されていないということである.したがって,もしフォーマルハウトb が中性子星であった場合,91000 K よりも低温で,また 13.5 pc よりも近い位置にあるということになる.

加えて,13.5 pc という最も遠い距離の推定値から,フォーマルハウトb の X 線フラックスの上限値を用いて X 線光度の取りうる上限値を与えることが出来る.これによると,上限は 2.7 × 1026 erg s-1 となる.

議論

中性子星仮説を採用した場合のパラメータ

フォーマルハウトb が X線 で検出無しだったという結果から,中性子星仮説に大きなパラメータの制約を与えることが出来る.単一温度の黒体放射を仮定し,中性子星半径を典型的な 10 km とした場合,中性子星の表面温度はおよそ 90000 K より低い必要がある.これは典型的な中性子星の冷却モデル (Yakovlev & Oethick 2004) を考えると,年齢は 1000 万歳以上であることに対応する.また距離は 13.5 pc より近い位置である必要がある.

これは,もしフォーマルハウトb が中性子星だった場合,この天体が最も太陽系に近い中性子星であることを意味しており,さらに非常に年老いて低温な中性子星であることも示す.

なお,もし中性子星半径が非常に小さい場合,例えば 2 km の場合は,表面温度の上限値はそのままだが,距離の上限値はわずか 0.5 pc となる.

対立仮説の検証

中性子星シナリオは完全には排除されないが,「フォーマルハウトb からの放射は,中心星からの反射光である」というシナリオも比較する価値がある.

大雑把な見積もりとして,フォーマルハウトのようなスペクトル型 A4V の恒星のパラメータとボロメトリック光度,および恒星の半径の推定値から,黒体スペクトルを生成した.このスペクトルをスケールダウンしたところ,10-9 までスケールダウンすると,フォーマルハウトb の可視光の観測データとよく一致した.仮に中心星の反射光だとした場合,青い波長域でスペクトルを過大評価し,近赤外領域では過小評価してしまう中性子星モデルよりも,青い波長域と近赤外のスペクトルがよく一致する.

反射源がフォーマルハウトの円盤内 (中心星から 115 AU の距離) にあり,また完全反射をすると仮定する.この場合,中心星の 10-9 の光を反射するためには,半径 115 AU の球の面積の 10-9 倍の面積が必要ということになる.これは 4 × 1012 km2 に対応する.

土星の最も外側の環で囲まれた領域の面積はおよそ 6 × 1010 km2 である.
これよりももっと大きなリング系が系外惑星の周りに発見されている,例えば,1SWASP J140747.93-394542.6 である,この系外惑星の周りには,最大で 0.6 AU の半径を持つ巨大なリング系があると考えられている (Mamajek 2012など).このリング系の面積は 2.5 × 1016 km2 となる.

そのためフォーマルハウト系では,小さい惑星が大きな環を持っていた場合,観測と一致するための十分な星の光を反射できる.環の面積は 4 × 1012 km2 で,これは半径がおよそ 600000 km であることに対応する.

仮説の検証可能性

これらの仮説を区別するには,フォーマルハウトb の遠紫外線か極端紫外線の波長での撮像観測が確実である.しかし,これらの波長で観測できる望遠鏡が現在存在しないため難しい.

200 - 400 Å の波長域では,中性子星説と反射光説では,可視光での観測結果と比べて大きく異なる観測結果となることが予想される.しかし残念ながら,この波長域は中心星の放射が最も強い領域でもあるため観測が難しい.

100 Å 程度の極端紫外線の場合,低温な中性子星はもっとも強い放射を持つ波長域だが,中心星はこの波長では比較的暗くなるため観測可能性が大きくなる.

結論

フォーマルハウト系を X 線で観測したが,フォーマルハウトとフォーマルハウトb はどちらも検出されなかった.この結果から,中心星フォーマルハウトの X 線光度の上限を与えた.0.2 - 2 keV で LX/Lbol < 10-10 が上限である.なお LX は X 線での光度,Lbol はボロメトリック光度である.この値は,A 型星に対して得られている X 線放射の上限値と同程度だが,A 型星のサンプルは少ないためばらつきは大きい.

また,フォーマルハウトb がフォーマルハウトの前景もしくは背景にある中性子星だとする仮説と今回の観測結果を合わせると,今回の非検出という結果から中性子星のパラメータに大きく制限を与えられる.中性子星であった場合は表面は極めて低温 (90000 K 程度以下),近傍 (13 pc 以内) に存在する.

中性子星説への対立仮説としては中心星からの反射光であるという説があり,中性子星とするモデルよりもこちらのほうが可視光での検出結果と合う.さらなる紫外線と極端紫外線での観測が,フォーマルハウトb の謎めいた性質を明らかにするだろう.

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1703.02562
Wilson Cauley et al. (2017)
Evidence for abnormal Hα variability during near-transit observations of HD 189733 b
(HD 189733b のトランジット周辺の観測中の異常な Hα 変動の検出)

概要

恒星活動の水準の変化は,惑星周囲にある物質による透過スペクトル中の吸収特性と似た特徴を示すことがある.そのため,これらの変化の大きさと頻度は,惑星周囲の環境のシグナルを理解するのに重要である.

ここでは,ホットジュピターを持つ恒星 HD 189733 の,惑星がトランジットしていない時の Hα スペクトルを短時間・高分解能で観測した.主な目的は,Hα 線コアでの恒星由来の変動の大きさと頻度を確認するためである.

その結果,トランジットの直前と直後に観測される変動に似たスペクトル線コアの強度の変動は,2 回の独立したデータセットの中ではめったに見られないことが判明した.このことは,観測されたトランジット近辺での特徴は,惑星周辺の物質による吸収が引き起こしているか,あるいは惑星トランジットに非常に近い時間帯に選択的に発生するものかであることを示唆する.

いずれのケースでも,異常な Hα 変動の証拠は強化されるが,この短時間のトランジット外のデータからは,惑星周囲の物質による吸収か,恒星-惑星間相互作用による恒星活動起源なのかは判断できない.さらなる高いシグナルノイズ比でのトランジット外のモニタリングが,Hα 線コアのトランジット付近での変動の頻度を制限するのに必要である.

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1703.02056
Jacklin et al. (2017)
Transiting Planets with LSST III: Detection Rate per Year of Operation
(LSST でのトランジット惑星 III:運用期間中の年あたりの検出レート)

概要

計画中の望遠鏡 Large Synoptic Survey Telescope (LSST) は全観測予定期間中に,およそ 10 億個の恒星の光度曲線を生成できる.

過去の我々の研究では,LSST の 10 年間のミッション期間中に,LSST の “deep drilling” cadence を用いて,大量のトランジット系外惑星系を検出できることを示した.ここでは過去の研究をさらに進展された.

検出可能な系外惑星として,地球から数キロパーセク離れた位置にある,太陽型星を公転するホットジュピター,K 型星を公転するホットネプチューン,また低質量の M 型星を公転するスーパーアースを例にして検出レートを見積もった.

その結果,トランジット惑星の検出レートはデータの蓄積とともに増加し,観測開始後 4 - 6 年で大きく (≳ 10%) なるだろうと見積もることが出来る.短周期 (≦ 2 日) の G 型星まわりのホットジュピターと K 型星まわりのホットネプチューンに関しては,LSST 観測の最初の 1 - 2 年で発見されるだろう.

LSST について

LSST は,現在チリの Cerro Pachon に建設中の大型地上望遠鏡である.2020 年ごろにファーストライト (観測開始) 予定である.

LSST の科学観測の目標は,大きく分けて 4 つある.ダークマターとダークエネルギーを理解すること,太陽系内の天体のカタログ作成,銀河系の構造と形成の理解,過渡的かつ変動する天体の観測である.この論文では,この一番最後の目標に関連して,トランジット系外惑星の検出の潜在的可能性について議論した.

ケプラーや TESS,また小型の地上望遠鏡 KELT や HAT-Net や SuperWASP と違い,LSST は系外惑星検出に特化していない.LSST は 2 つの主要なモードで動く予定.一つは ”Regular” モードで,観測時間の 90%を占める予定であり,LSST の 10 年間に渡るミッションで対象天体をおよそ 1000 個観測する.もう一つは ”Deep drilling” モードで,残りの 10%の観測時間を使い,10 年の後に ~ 10000 個の天体を観測する.
これらの観測モードは系外惑星検出には適していないが,特に deep drilling モードでは多数のホットジュピターやその他の短周期系外惑星の検出が期待できる.

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arXiv:1703.01407
Kiss et al. (2017)
Discovery of a satellite of the large trans-Neptunian object (225088) 2007OR10
(大きい太陽系外縁天体 (225088) 2007OR10 の衛星の発見)

概要

2007 OR10 は,現在分かっている中で 3 番目に大きな海王星以遠領域の天体である.放射測定から推定されている直径は ~ 1535 km である.

この天体は自転周期 ~ 45 時間のゆっくりとした自転をしていることが分かっている.この遅い自転は,今のところ発見されていない衛星との潮汐相互作用によるものだと考えられていた.

ここでは,この天体の衛星と思われる天体の発見を報告する.ハッブル宇宙望遠鏡の WFC3/UVIS のアーカイブデータ内から同定した.衛星は 2 回の時期において検出されたが,その軌道や軌道周期を明確に決定することはできなかった.この天体系の質量の推定値としてもっともらしい 1.5 - 5.8 × 1021 kg という値から,軌道周期はおそらく 35 - 100 日の範囲と思われる.

衛星は,ハッブル宇宙望遠鏡でのデータ中では 2007 OR10 よりも 4.2 等級暗い.衛星が 2007 OR10 と同じアルベドを持つと仮定した場合,これは衛星の直径が 237 km であることに対応している.この衛星のサイズは小さいので,過去の 2007 OR10 のサイズとアルベドの推定値は変わらない.

今回の発見により,1000 km より大きい太陽系外縁天体は全て衛星を持つこととなった.これは過去の太陽系内での衛星形成理論への重要な制約となるだろう.

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