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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1701.02705
Barr et al. (2017)
Formation of Massive Rocky Exomoons by Giant Impact
(巨大衝突による重い岩石の系外衛星の形成)

概要

衛星の形成は,我々の太陽系では惑星形成の自然な副産物であると考えられている.そのため,系外惑星の衛星 (系外衛星,exomoons) は系外惑星系でも豊富に存在すると考えられる.

これまでに系外衛星はまだ発見されていない.しかし 0.1 地球質量よりも大きな衛星は,現在のトランジットの技術を用いて検出し特徴づけることが出来る.ここでは,質量が地球の 1/4 から 10 倍の岩石惑星同士の衝突は,後に衛星へと進化する衝突起源のデブリ円盤を形成出来る事を示す.

似た大きさの天体同士の衝突の場合,傾いた衝突角度で,かつ脱出速度に近い速度で衝突を起こすと,形成される円盤は,惑星の潮汐に対して力学的に安定な衛星を形成するのに十分な質量の円盤を形成できる.

2 - 7 地球質量のスーパーアースへのこのタイプの衝突は,ケプラーのトランジットデータで検出されるのに十分な大きさの衛星を形成するために十分な質量を軌道にばらまくことが出来る.

天体同士の衝突速度は円盤質量をコントロールする決定因子であり,これは惑星衝突を介した衛星形成の過去のすべての研究で見落とされてきた.

ここで用いた計算手法は,Eulerian/Adaptive Mesh Refinement CTH shock physics code (McGlaun et al. 1990) である.これは衝撃波の伝播と変形の支配方程式を解くものである.用いた状態方程式は,半解析的状態方程式の ANEOS (Thompson & Lauson 1972) の改良版である.

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1701.01512
Yu et al. (2017)
A hot Jupiter around the very active weak-line T Tauri star TAP 26
(非常に活発な弱輝線おうし座 T 型星 TAP 26 まわりのホットジュピター)

概要

弱輝線おうし座 T 型星 (weak-line T Tauri star) である TAP 26 の分光偏光観測および測光観測の結果を報告する.この観測は,3.6 m Canada-France-Hawaii 望遠鏡の ESPaDOnS 分光偏光計を用いた MaTYSSE プログラムの中で行われた.観測には,Zeeman-Dopplar Imaging を適用し,観測は 2015年11月と2016年1月に集中して行われた.

観測から,この星の表面輝度と磁場のマップを作成した,得られた表面輝度と磁場の分布は,星の差動回転のみでは説明できない時間的な進化を持つことを実証した.

また,TAP 26 まわりにホットジュピターが検出されたことも併せて報告する.
この惑星は 3 つの異なる手法を用いて検出された.2 つは Zeeman-Dopplar Imaging (ZDI) を用いたもので,1 つは Gaussian-Process Regression (GPR) を用いたものである.このシグナルが惑星由来でない確率,つまり偽陽性確率 (false positive probability) は 6 × 10-4 より小さい.

しかし観測期間に関連するエイリアシングの結果,軌道周期は一意には決定できなかった.軌道周期の解で最も尤度が高かったのは 10.79 日であり,その次が 8.99 日であった.

最も尤度が高い解を仮定し,また惑星は恒星の赤道面を公転していると仮定すると,惑星の最小質量は 1.66 木星質量,軌道長半径は 0.0968 AU となった.

この新しい惑星の検出は,円盤の type II 軌道移動は新しいホットジュピターの生成に効果的であり,またホットジュピターは,より成熟した恒星よりも,若いおうし座 T 型星のまわりによく存在することを示唆する.(ただし,あるいは MaTYSSE の観測対象サンプルがホットジュピターを持つ恒星に偏っているという可能性もある).
※注釈
TAP: Taurus Auriga Perseus の略.それぞれ,おうし座,ぎょしゃ座,ペルセウス座を意味する.分子雲の集まった領域である,Taurus-Auriga and Perseus molecular cloud complexes における前主系列星 (pre-main sequence stars, PMS) の X 線サーベイのカタログ (Feigelson et al. 1987) の名称である.全 69 個のおうし座 T 型星 (T Tauri star) が収録されている.
TAP 26 は,そのうちカタログの 26 番目の天体.

MaTYSSE: Magnetic Topologies of Young Stars and the Survival of close-in massive Exoplanets の略称.観測プロジェクトの名称.

ESPaDOnS: an Echelle SpectroPolarimetric Device for the Observation of Stars at CFHT の略称.分光偏光観測の機器の名称.

CFHT: Canada-France-Hawaii Telescope の略称.カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡.ハワイのマウナケアにある望遠鏡の名称.

惑星の検出手法について

3つの異なる技術を,TAP 26 の視線速度曲線を特徴づけるために使用した.

はじめの 2 つは Donati et al. (2016) で用いられたものであり.ZDI の助けを得てモデル化した活動度を除去する方法と,惑星のパラメータと恒星活動を同時にフィットする方法である.
3 つ目は Haywood et al. (2014) と Rajpaul et al. (2015) に基づくもので,GPR を用いて生の視線速度データから活動を直接モデル化するもの.

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1701.01294
Narita et al. (2017)
The K2-ESPRINT Project VI: K2-105 b, a Hot-Neptune around a Metal-rich G-dwarf
(The K2-ESPRINT Project VI:金属豊富な G 型矮星まわりのホットネプチューン,K2-105b)

概要

この観測では,EPIC 211525389 で検出されていたトランジット候補シグナルは,海王星サイズの短周期惑星によるものであることを確認した.
中心星はケプラーによる K2 キャンペーンの field 5 の視野内に位置する,金属量豊富な G 型矮星である.これはすばる 8.2 m 望遠鏡の High Dispersion Spectrograph (HDS) での観測に基づく.

すばるの HiCIAO による高空間分解能補償光学撮像では,中心星の周りに暗い伴星がある可能性は排除された.また公開ソースコードの vespa を用いたところ,このターゲットでのトランジットシグナルの偽陽性確率は < 10-6 であった.

K2 で得られたトランジット光度曲線と,岡山 1.88 m 望遠鏡の MuSCAT による追加の地上からの多色トランジット測光観測の結果を合わせて解析し,惑星のパラメータを決定した.

すばるの HDS で得られた中心星の視線速度観測では,惑星の質量は 90 地球質量という上限を 3 σ で与えた.従ってトランジットを起こしている天体は惑星であると確認できた.

この惑星を K2-105b と命名した.この惑星は,質量,大気,中心星自転軸と惑星公転軸のずれ (あるいはずれていないか),またその他の惑星が系に存在するかを特徴づける良い観測対象であると期待される.

系のパラメータ

K2-105
有効温度:5434 K
金属量:[Fe/H] = 0.26
質量:1.01 太陽質量
半径:0.95 太陽半径
距離:220 pc
K2-105b
軌道周期:8.266902 日
半径:3.59 地球半径
質量:30 ± 19 地球質量
軌道長半径:0.081 AU

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arXiv:1701.00828
Hardy et al. (2017)
The Atmosphere and Interior Structure of HAT-P-13b from Spitzer Secondary Eclipses
(スピッツァーの二次食観測からの HAT-P13b の大気と内部構造)

概要

ホットジュピター HAT-P-13b の二次食 (secondary eclipse) を,スピッツァー宇宙望遠鏡の 3.6, 4.5 µm の波長域で観測した.

この惑星は,詳細な離心率の観測によって惑星の second Love number k2 に制約を与えられるような軌道配置をした 2 惑星系にある.そのため,この制限から惑星の内部構造のモデルにも制約を与えることができる.

惑星の二次食の観測データから ecosω を直接測定し,過去に報告されている視線速度のデータと組み合わせ,惑星の軌道モデルを精緻化した.さらにそこから, k2 取りうる値の範囲の見積もりの改善をした.

二次食の位相は 0.49154 ± 0.00080 と 0.49711 ± 0.00083 で,これに対応する e cos ω の推定値はそれぞれ −0.0136 ± 0.0013 と −0.0048 ± 0.0013 であった.

先行研究の推定に基づき k2 の推定を行った結果,値は 0.81 ± 0.10 となった.これは過去のモデルにおける,取りうるコア質量 (固体コアが無いとするモデルも含む) の範囲内での下限値と整合的である.
この異例な結果は,この惑星の内部モデルと,そのモデルを実現可能にする力学的推定の両方に疑問を投げかけるものである.

また二次食の深さは,3.6 µm で 0.081 ± 0.008%,4.5 µm で 0.088 ± 0.028%であった.これらの測光観測の結果は,太陽組成の大気であり,いかなる温度逆転層も無いとする大気モデルと非一意的に整合的である.

研究背景

HAT-P-13 系について

HAT-P-13 は G 型星で,HAT-P-13b と c の 2 つの惑星を持つ (Bakos et al. 2009).
小さい方である b は,中心星の近くを 2.91 日周期で公転しており.質量は 0.85 木星質量,半径は 1.28 木星半径である (Winn et al. 2010).

HAT-P-13b の推定される平衡温度は 1626 K である.この値は,惑星のボンドアルベドがゼロで,かつ一様な熱の分配を仮定した場合である.

この惑星の軌道は,無視できない大きさの軌道離心率 0.013 を持つ (Bakos et al. 2009).

より重い外側の惑星 HAT-P-13c は,軌道離心率 0.66 の高軌道離心率軌道を持ち,周期は 446 日である.こちらの惑星は中心星から遠いため,トランジットの観測は難しく,またトランジットの検出に必要な観測期間も長く,めったに起こらない.現在までに, HAT-P-13c のトランジットは観測されていない.

惑星ラブ数の推定

この系は,惑星の配置から HAT-P-13b の内部構造の測定ができるという点で特徴的である.

このような系では,外側の惑星によって内側の惑星の軌道に与えられる影響の割合が,内側の惑星の潮汐変形散逸によって失われる割合とバランスしていると考えられる.この平衡潮汐理論に基づくと,軌道離心率の詳細な観測から second Love number の値を直接得ることが出来る.

この数は,惑星の重力場が外部ポテンシャルにどう応答するかを記述するものである.これによって,惑星の内部構造,特に惑星質量の中心集中度に制限を与えることが出来る.

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arXiv:1701.00843
Wakeford et al. (2017)
HST PanCET program: A Cloudy Atmosphere for the promising JWST target WASP-101b
(HST PanCET プログラム:JWST のターゲット候補 WASP-101b の雲の多い大気)

概要

ハッブル宇宙望遠鏡の Panchromatic Comparative Exoplanet Treasury (PanCET) の初めての観測の結果を報告する.
この観測では,大きく膨張したホットジュピターである WASP-101b のトランジットを観測した.この惑星は,ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 (James Webb Space Telescope, JWST) の Early Release Science (ERS) プログラムでの観測ターゲット候補のひとつである.

ハッブル宇宙望遠鏡の Wide Field Camera 3 (WFC3) での観測から,WASP-101b の近赤外の透過スペクトル中には H2O の明確な吸収の特徴は見られなかった.また,13 σ の確度で,晴れた大気である可能性を排除した.
従って,WASP-101b は強い分子の透過特徴を観測するための JWST ERS プログラムの最適なターゲットではないということが分かった.

また WASP-101b を,これまでによく研究され,またほとんど同じ性質を持つホットジュピターである WASP-31b と比較した.これらの惑星は,近赤外線で似た温度-圧力分布と大気の特徴を示す.
比較の結果,WASP-101b と WASP-31b と同じパラメータ空間にいる系外惑星は,同じように雲の多い透過スペクトル特性を示すことが示唆された

また,将来的なハッブル宇宙望遠鏡での系外惑星の研究に対して,ここでの解析は,機器の不要な影響を避けるためには,カウント数の下限は検出器のピクセルごとに超えている必要があることを示唆した.

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