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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1602.01967
Renner et al. (2016)
Origin of the chaotic motion of the Saturnian satellite Atlas
(土星の衛星アトラスのカオス的運動の起源)
2004年 2月から 2013年 8月までの,土星探査機カッシーニによる ISS 位置天文学観測から,アトラスは現在,衛星プロメテウス (Prometheus) と,54:53 の corotation eccentricity resonance (CER) と,54:53 の Lindblad eccentricity resonance (LER) の 2 つの共鳴によって擾乱を受けていることが報告されている (Cooper et al. 2015).それによると,アトラスの軌道はカオス的な振る舞いをし,リアプノフ時間は ~ 10年のオーダーであった.これはプロメテウスとの共鳴相互作用の直接的な結果である.
ここでは,2つの共鳴の効果を,CoraLin analytical model (El Moutamid et al. 2014) を用いて調査した.その結果,衛星軌道で占められた共回転領域のほぼ全てがカオス領域で占められている事が判明した.
衛星パンドラとの 4つの apse-type の 70:67 の平均運動共鳴も存在するが,これらの効果は弱い.
周波数解析によって,54:53 共鳴の間の結合について調査した結果,プロメテウスと土星の扁平度による擾乱を含んだシンプルな系のモデルのみが,アトラスの力学の本質的な特徴を捉えることが確認された.
arXiv:1602.01967
Renner et al. (2016)
Origin of the chaotic motion of the Saturnian satellite Atlas
(土星の衛星アトラスのカオス的運動の起源)
概要
ここでは,土星の衛星アトラス (Atlas) の力学について再考した.2004年 2月から 2013年 8月までの,土星探査機カッシーニによる ISS 位置天文学観測から,アトラスは現在,衛星プロメテウス (Prometheus) と,54:53 の corotation eccentricity resonance (CER) と,54:53 の Lindblad eccentricity resonance (LER) の 2 つの共鳴によって擾乱を受けていることが報告されている (Cooper et al. 2015).それによると,アトラスの軌道はカオス的な振る舞いをし,リアプノフ時間は ~ 10年のオーダーであった.これはプロメテウスとの共鳴相互作用の直接的な結果である.
ここでは,2つの共鳴の効果を,CoraLin analytical model (El Moutamid et al. 2014) を用いて調査した.その結果,衛星軌道で占められた共回転領域のほぼ全てがカオス領域で占められている事が判明した.
衛星パンドラとの 4つの apse-type の 70:67 の平均運動共鳴も存在するが,これらの効果は弱い.
周波数解析によって,54:53 共鳴の間の結合について調査した結果,プロメテウスと土星の扁平度による擾乱を含んだシンプルな系のモデルのみが,アトラスの力学の本質的な特徴を捉えることが確認された.
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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1602.01769
Pan & Wu (2016)
On the mass and origin of Chariklo's rings
(カリクローの環の起源と質量について)
仮にこの構造が,天王星の環のように環の自己重力で維持されているのであれば,環の質量は数 1016 g であり,典型的な粒子サイズは数メートル程度と推定される.この結果は衝突拡散時間が ~ 105 年であることを示唆し,この時間はケンタウルス族天体の典型的な力学的な寿命の数百万年よりも幾分か短い.また,太陽系の年齢よりはずっと短い.
この時間の制約を踏まえ,これまでに提案されている環の形成機構 (衝突によるもの,衛星の破壊に依るもの) を評価した.
また,対照的な形成機構である,カリクロー表面からの粒子の持ち上げについても詳細に調査した.これは,カリクローの軌道が巨大惑星によって内側に散乱された後に,一酸化炭素か窒素 (あるいはその両方) の昇華によるアウトフローによって,ダスト粒子がカリクローを回る軌道にまで運ばれたという形成機構である.
後者のシナリオによると,サイズが 100 km クラスのケンタウルス族天体には環は一般的であり,しかしカイパーベルト天体や小さいケンタウルス族には環は稀であるということが予測される.また,分点通過直後の活動度最大の時に,ケンタウルス族天体は彗星的な活動の季節変動を起こすことを予測する.
カリクローはケンタウルス族と呼ばれるグループに所属する天体である.ケンタウルス族天体は,カイパーベルト天体が惑星との遭遇によって内側の巨大惑星領域に散乱されたものであり,典型的な力学的タイムスケールは数百万年とされている (Bailey & Malhotra 2009).
環が発見された際の観測では,内側の重い環が検出され,また掩蔽に入る側の環の幅は 7.17 km,掩蔽から出る側の環の幅は 6.16 km と判明した.これは 2014年の掩蔽観測でも同様の結果が得られている (Sicardy et al. 2014).
カリクローの扁平度は大きく,ε = 0.213 と測定されている (Braga-Ribas et al. 2014).この値から示唆されるJ2 モーメントは,環に微分歳差を引き起こすため,観測された環の離心率の値は驚くべき値である.
arXiv:1602.01769
Pan & Wu (2016)
On the mass and origin of Chariklo's rings
(カリクローの環の起源と質量について)
概要
2013年と 2014年のケンタウルス族の天体カリクロー (10199 Chariklo) とその環の観測からは,内側の重い環の動径方向の幅は経度によって異なることが明らかにされた.これは,カリクローの大きな四重極モーメントが起こすであろう歳差の影響にも関わらず,環は有限の軌道離心率を持つことを強く示唆する結果である.仮にこの構造が,天王星の環のように環の自己重力で維持されているのであれば,環の質量は数 1016 g であり,典型的な粒子サイズは数メートル程度と推定される.この結果は衝突拡散時間が ~ 105 年であることを示唆し,この時間はケンタウルス族天体の典型的な力学的な寿命の数百万年よりも幾分か短い.また,太陽系の年齢よりはずっと短い.
この時間の制約を踏まえ,これまでに提案されている環の形成機構 (衝突によるもの,衛星の破壊に依るもの) を評価した.
また,対照的な形成機構である,カリクロー表面からの粒子の持ち上げについても詳細に調査した.これは,カリクローの軌道が巨大惑星によって内側に散乱された後に,一酸化炭素か窒素 (あるいはその両方) の昇華によるアウトフローによって,ダスト粒子がカリクローを回る軌道にまで運ばれたという形成機構である.
後者のシナリオによると,サイズが 100 km クラスのケンタウルス族天体には環は一般的であり,しかしカイパーベルト天体や小さいケンタウルス族には環は稀であるということが予測される.また,分点通過直後の活動度最大の時に,ケンタウルス族天体は彗星的な活動の季節変動を起こすことを予測する.
カリクローの環
2013年6月3日のカリクローの掩蔽観測から,2つの濃く細いリングが検出された (Braga-Ribas et al. 2014).これは太陽系の小天体まわりに環が発見された初めての例である.カリクローはケンタウルス族と呼ばれるグループに所属する天体である.ケンタウルス族天体は,カイパーベルト天体が惑星との遭遇によって内側の巨大惑星領域に散乱されたものであり,典型的な力学的タイムスケールは数百万年とされている (Bailey & Malhotra 2009).
環が発見された際の観測では,内側の重い環が検出され,また掩蔽に入る側の環の幅は 7.17 km,掩蔽から出る側の環の幅は 6.16 km と判明した.これは 2014年の掩蔽観測でも同様の結果が得られている (Sicardy et al. 2014).
カリクローの扁平度は大きく,ε = 0.213 と測定されている (Braga-Ribas et al. 2014).この値から示唆されるJ2 モーメントは,環に微分歳差を引き起こすため,観測された環の離心率の値は驚くべき値である.
小天体の環
ケンタウルス族天体で 2番目に大きい天体であるキロン (2060 Chiron) も,同じく掩蔽観測から環の存在が示唆されている (Ortiz et al. 2015, Ruprecht et al. 2015).論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1601.07608
Espinoza et al. (2016)
A Neptune-sized Exoplanet Consistent with a Pure Rock Composition
(純粋な岩石組成と整合的な海王星サイズの系外惑星)
中心星は比較的明るく,やや金属量に乏しい,太陽類似星 (solar analog) である.
K2 の測光観測と HARPS の視線速度観測から,軌道周期 ~ 42日,2.23地球半径,16.3地球質量であると判明した.この半径と質量からは,組成は岩石が殆どを占め,揮発性物質は少ないというモデルと整合的であることが分かった.これは海王星サイズの惑星には稀な.例外的なものである.
大部分の岩石惑星は,1.6地球半径よりも小さい半径を持つ (Rogers 2015).この半径は,質量にすると ~ 6地球質量に対応している.このあたりの質量・半径を持つ惑星は,検出が難しい.
CoRoT-7b の発見の後,半径と質量がある程度測定されており,岩石組成だと推定されているものは,GJ 1132b (Berta-Thompson et al. 2014), ケプラー36b (Carter et al. 2012), K2-3d (Crossfield et al. 2015, Almenara et al. 2015), ケプラー93b (Dressing et al. 2015), ケプラー10b (Dumusque et al. 2015, Weiss et al, 2016), ケプラー23b (Ford et al. 2012, Hadden & Lithwick 2014), ケプラー20b (Fressin et al. 2012), ケプラー406b (Marcy et al. 2014), ケプラー78b (Sanchis-Ojeda et al. 2013など) の 9個である.これらは理論の予測通り,~ 1.6地球半径よりも小さい.
スペクトル型:G
金属量:[Fe/H] = -0.15
有効温度:5766 K
質量:0.961太陽質量
半径:0.928太陽半径
光度:0.88太陽光度
距離:152.1 pc
年齢:3.34 Gyr
別名:EPIC 210848071
・BD+20594b
公転周期:41.6855日
軌道長半径:0.241 AU
質量:16.3 (+6.0, -6.1) 地球質量
半径:2.23 (+0.14, -0.11) 地球半径
密度:7.89 (+3.4, -3.1) g cm-3
平衡温度:546 K (ボンドアルベドが 0.0 の場合),386 K (同じく 0.75 の場合)
観測の誤差が大きいため,現状では岩石主体も,岩石と水の混合としての組成も,どちらのモデルも観測結果とは整合的である.Rogers (2015) に従い組成の評価も行ったが,岩石主体である確率が高い.
固体惑星は,~ 10地球質量を超えると大量の大気をまとってしまうと考えられている (Ikoma & Hori 2012).全体の組成と軌道長半径を考えると,中心星からの X線や極端紫外線での質量散逸が起きる可能性も小さい.従って,原始惑星系円盤のガスが散逸した後に形成されたか,巨大衝突などの外的要因で大気を失ったかのシナリオが考えられる.
arXiv:1601.07608
Espinoza et al. (2016)
A Neptune-sized Exoplanet Consistent with a Pure Rock Composition
(純粋な岩石組成と整合的な海王星サイズの系外惑星)
概要
新しい系外惑星 BD+20594b の発見を報告する.ケプラーの K2 ミッションの Campaign 4 で発見された.この惑星は,海王星サイズの惑星であり,組成は純粋な岩石組成と整合的であると考えられる.中心星は比較的明るく,やや金属量に乏しい,太陽類似星 (solar analog) である.
K2 の測光観測と HARPS の視線速度観測から,軌道周期 ~ 42日,2.23地球半径,16.3地球質量であると判明した.この半径と質量からは,組成は岩石が殆どを占め,揮発性物質は少ないというモデルと整合的であることが分かった.これは海王星サイズの惑星には稀な.例外的なものである.
研究背景
初めて発見された太陽系外の岩石惑星は,CoRoT-7b である (L ́eger et al. 2009, Queloz et al. 2009).ここでの「岩石惑星」とは.MgSiO3 + Fe を主成分とする惑星のことである (Rogers 2015).大部分の岩石惑星は,1.6地球半径よりも小さい半径を持つ (Rogers 2015).この半径は,質量にすると ~ 6地球質量に対応している.このあたりの質量・半径を持つ惑星は,検出が難しい.
CoRoT-7b の発見の後,半径と質量がある程度測定されており,岩石組成だと推定されているものは,GJ 1132b (Berta-Thompson et al. 2014), ケプラー36b (Carter et al. 2012), K2-3d (Crossfield et al. 2015, Almenara et al. 2015), ケプラー93b (Dressing et al. 2015), ケプラー10b (Dumusque et al. 2015, Weiss et al, 2016), ケプラー23b (Ford et al. 2012, Hadden & Lithwick 2014), ケプラー20b (Fressin et al. 2012), ケプラー406b (Marcy et al. 2014), ケプラー78b (Sanchis-Ojeda et al. 2013など) の 9個である.これらは理論の予測通り,~ 1.6地球半径よりも小さい.
パラメータ
・BD+20594スペクトル型:G
金属量:[Fe/H] = -0.15
有効温度:5766 K
質量:0.961太陽質量
半径:0.928太陽半径
光度:0.88太陽光度
距離:152.1 pc
年齢:3.34 Gyr
別名:EPIC 210848071
・BD+20594b
公転周期:41.6855日
軌道長半径:0.241 AU
質量:16.3 (+6.0, -6.1) 地球質量
半径:2.23 (+0.14, -0.11) 地球半径
密度:7.89 (+3.4, -3.1) g cm-3
平衡温度:546 K (ボンドアルベドが 0.0 の場合),386 K (同じく 0.75 の場合)
議論
この惑星は,そのサイズにしては特異な特徴を持つ.半径と質量から組成を推定すると,岩石 (MgSiO3) と少量の鉄,揮発性物質からなると考えられる.岩石惑星と非岩石惑星の境界に位置する惑星である.岩石惑星であることが確認された場合は,このサイズの惑星としては前例が無い.観測の誤差が大きいため,現状では岩石主体も,岩石と水の混合としての組成も,どちらのモデルも観測結果とは整合的である.Rogers (2015) に従い組成の評価も行ったが,岩石主体である確率が高い.
固体惑星は,~ 10地球質量を超えると大量の大気をまとってしまうと考えられている (Ikoma & Hori 2012).全体の組成と軌道長半径を考えると,中心星からの X線や極端紫外線での質量散逸が起きる可能性も小さい.従って,原始惑星系円盤のガスが散逸した後に形成されたか,巨大衝突などの外的要因で大気を失ったかのシナリオが考えられる.
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1601.07635
Lillo-Box et al. (2016)
EPIC210957318b and EPIC212110888b: two inflated hot-Jupiters around Solar-type stars
(EPIC 210957318b と EPIC 212110888b:太陽型星まわりの 2 つの膨張したホットジュピター)
中心星はどちらも主系列星であり,ケプラー K2 ミッションの Campaign 4, 5 の観測で発見された.これらの恒星を,SOPHIE, HARPS-N, CAFE を用いて地上から視線速度観測を行い,系の特徴を明らかにした.
2つの惑星はともに比較的大きな半径を持つホットジュピターであり,比較的明るい主系列星周りを公転している.従って,ロシター効果を用いて軸のズレを測定したり,大気スペクトルの観測を行う良いターゲットである.
質量:0.984太陽質量
半径:0.941太陽半径
距離:323 pc
有効温度:5581 K
金属量:[Fe/H] = 0.136
光度:log(L/L_sun) = -0.112 (0.77太陽光度)
・EPIC 210957318b
公転周期:4.098507日
軌道長半径:0.04986 AU
軌道離心率:0.027
質量:0.623木星質量
半径:1.196木星半径
密度:木星の平均密度の 0.364倍
平衡温度:1185 K
質量:1.281太陽質量
半径:1.526太陽半径
距離:377 pc
有効温度:6132 K
金属量:[Fe/H] = 0.24
光度:log(L/L_sun) = 0.471 (2.96太陽光度)
・EPIC 212110888b
公転周期:2.995607日
軌道長半径:0.04419 AU
軌道離心率:0 (推定)
質量:1.76木星質量
半径:1.350木星半径
密度:木星の平均密度の 0.71倍
平衡温度:1742 K
arXiv:1601.07635
Lillo-Box et al. (2016)
EPIC210957318b and EPIC212110888b: two inflated hot-Jupiters around Solar-type stars
(EPIC 210957318b と EPIC 212110888b:太陽型星まわりの 2 つの膨張したホットジュピター)
概要
EPIC 210957318b と EPIC 212110888b の 2 つの惑星の発見を報告する.中心星はどちらも主系列星であり,ケプラー K2 ミッションの Campaign 4, 5 の観測で発見された.これらの恒星を,SOPHIE, HARPS-N, CAFE を用いて地上から視線速度観測を行い,系の特徴を明らかにした.
2つの惑星はともに比較的大きな半径を持つホットジュピターであり,比較的明るい主系列星周りを公転している.従って,ロシター効果を用いて軸のズレを測定したり,大気スペクトルの観測を行う良いターゲットである.
パラメータ
EPIC 210957318 系
・EPIC 210957318質量:0.984太陽質量
半径:0.941太陽半径
距離:323 pc
有効温度:5581 K
金属量:[Fe/H] = 0.136
光度:log(L/L_sun) = -0.112 (0.77太陽光度)
・EPIC 210957318b
公転周期:4.098507日
軌道長半径:0.04986 AU
軌道離心率:0.027
質量:0.623木星質量
半径:1.196木星半径
密度:木星の平均密度の 0.364倍
平衡温度:1185 K
EPIC 212110888 系
・EPIC 212110888質量:1.281太陽質量
半径:1.526太陽半径
距離:377 pc
有効温度:6132 K
金属量:[Fe/H] = 0.24
光度:log(L/L_sun) = 0.471 (2.96太陽光度)
・EPIC 212110888b
公転周期:2.995607日
軌道長半径:0.04419 AU
軌道離心率:0 (推定)
質量:1.76木星質量
半径:1.350木星半径
密度:木星の平均密度の 0.71倍
平衡温度:1742 K
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1601.07680
Santerne et al. (2016)
EPIC211089792 b: an aligned and inflated hot jupiter in a young visual binary
(EPIC 211089792b:若い実視連星中の膨張した軌道面の揃ったホットジュピター)
中心星は比較的明るい G7型星であり,スペクトル型 K5V の伴星を持つ.恒星の自転とリチウム存在量から.この系は ~ 450 Myr より若いと考えられる.
ロシター効果からは,恒星の自転軸と惑星の公転軸は揃っていることが判明した.
トランジット深さは深く,中心星も明るいため,今後の宇宙空間からもしくは地上望遠鏡からの観測の良いターゲットである.
スペクトル型:G7V
金属量:[Fe/H] = 0.16
有効温度:5358 K
質量:0.94太陽質量
半径:0.86太陽半径
距離:185 pc
自転周期:10.79日
年齢は,Dartmouth stellar tracks (Dotter et al. 2008) によると, ~ 2.6 Gyr となる.しかしリチウム存在量と自転周期からは ~ 450 Myr という値が得られる.どちらも,M34 の年齢 (250 Myr) よりは古い.
観測の S/N 比がほぼ 1 に近く,信頼できる測定精度ではなかったため,Ca II 線での活動度の測定は出来なかった.
また伴星 (EPIC 211089792 B) は,有効温度 4400 K,スペクトル型が K5V であり,主星との投影距離は 800 AU である.
・EPIC 211089792b
公転周期:3.2588321日
軌道長半径:0.04217 AU
軌道離心率:0.066
質量:0.73木星質量
半径:1.19木星半径
密度:木星の平均密度の 0.43 倍
平衡温度:1171 K
恒星の自転軸と惑星の公転軸の角度:1.5° ± 8.7°
なお,リチウムや鉄の存在度はヒアデス星団と合致している.しかし固有運動が異なり,まだヒアデス星団から距離が離れすぎている.従ってヒアデス星団のメンバーでも無いだろうと考えられる.
arXiv:1601.07680
Santerne et al. (2016)
EPIC211089792 b: an aligned and inflated hot jupiter in a young visual binary
(EPIC 211089792b:若い実視連星中の膨張した軌道面の揃ったホットジュピター)
概要
新しいホットジュピター EPIC 211089792b の発見を報告する.この惑星は,Super-WASP プロジェクトの観測で発見され,後にケプラー K2 ミッションの Campaign 4 でも観測された.中心星は比較的明るい G7型星であり,スペクトル型 K5V の伴星を持つ.恒星の自転とリチウム存在量から.この系は ~ 450 Myr より若いと考えられる.
ロシター効果からは,恒星の自転軸と惑星の公転軸は揃っていることが判明した.
トランジット深さは深く,中心星も明るいため,今後の宇宙空間からもしくは地上望遠鏡からの観測の良いターゲットである.
パラメータ
・EPIC 211089792スペクトル型:G7V
金属量:[Fe/H] = 0.16
有効温度:5358 K
質量:0.94太陽質量
半径:0.86太陽半径
距離:185 pc
自転周期:10.79日
年齢は,Dartmouth stellar tracks (Dotter et al. 2008) によると, ~ 2.6 Gyr となる.しかしリチウム存在量と自転周期からは ~ 450 Myr という値が得られる.どちらも,M34 の年齢 (250 Myr) よりは古い.
観測の S/N 比がほぼ 1 に近く,信頼できる測定精度ではなかったため,Ca II 線での活動度の測定は出来なかった.
また伴星 (EPIC 211089792 B) は,有効温度 4400 K,スペクトル型が K5V であり,主星との投影距離は 800 AU である.
・EPIC 211089792b
公転周期:3.2588321日
軌道長半径:0.04217 AU
軌道離心率:0.066
質量:0.73木星質量
半径:1.19木星半径
密度:木星の平均密度の 0.43 倍
平衡温度:1171 K
恒星の自転軸と惑星の公転軸の角度:1.5° ± 8.7°
その他
K2 Champaign 4 では,プレアデス星団とヒアデス星団が観測範囲に入っている.今回の恒星はプレアデス星団のメンバーではない.プレアデス星団のメンバーである確率は 2%未満である (Bouy et al. 2015).なお,リチウムや鉄の存在度はヒアデス星団と合致している.しかし固有運動が異なり,まだヒアデス星団から距離が離れすぎている.従ってヒアデス星団のメンバーでも無いだろうと考えられる.

