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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1912.04185
El-Badry & Quataert (2019)
Not so fast: LB-1 is unlikely to contain a 70 M⊙ black hole
(そんなに速くない:LB-1 は 70 太陽質量ブラックホールを持っていそうにない)

概要

最近発見された連星系 LB-1 は,~70 太陽質量のブラックホールを持つという観測結果が報告されている.この前例のない大きな質量を持つ見えない天体の検出報告は,Hα 輝線の視線速度の変動が検出されていることに基づいており,この変動はブラックホール周りの降着円盤に起源を持つと提唱されている.

ここでは,検出が報告されている Hα 輝線の視線速度変動の証拠は実際には存在せず,またその見かけのずれは伴星である明るい恒星の Hα 吸収線のずれに起因するものであることを示す

もし伴星での Hα の吸収線の影響を考慮しない場合,Hα 線のずれは常に定常な輝線が明るい恒星の運動とは逆位相でずれるように見える.Keck/HIRES で観測された LB-1 のスペクトルから B 型星のテンプレートスペクトルを差し引いた場合,検出が報告されていた視線速度変動の兆候は消える.

また観測データからは,視線速度の半振幅が 1.3 km s-1 を超える Hα 輝線のいかなる周期的な変動の存在が否定される.このことは,観測された Hα 放射はブラックホール周りの降着円盤に起源を持つものではないことを強く示唆している.そのため,Hα 輝線と吸収線の相対速度振幅から,連星系の質量比に制約を与えることは出来ない.

LB-1 連星系中の見えない天体の性質は不明のままであるが,「通常の」恒星質量ブラックホールである 5-20 太陽質量の天体だと考えるのがもっともらしい.Hα 線の放射は,連星のどちらか一方からではなく,主に周連星物質から来ている可能性が高い.

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