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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1511.07908
Marengo et al. (2015)
KIC 8462852 - The Infrared Flux
(KIC 8462852 - 赤外線フラックス)

概要

KIC 8462852のスピッツァー宇宙望遠鏡による観測データの解析を行った。その結果、3.6 μmでは赤外線の超過は見られなかった。4.5 μmでは 0.43 mJyの小さい超過が見られた。しかしこの値は、検出したと主張するのに必要な 3σの閾値よりは低い。

赤外線領域での超過の欠乏という結果は、KIC 8462852まわりでの小惑星帯での破壊的な衝突イベントや、系内での惑星の巨大衝突による破壊、ダストに覆われた微惑星などのシナリオには否定的なものである。KIC 8462852で報告されている特徴的な光度曲線は、大きな楕円軌道で公転する彗星の群れによるものであると考えられる。この場合は、赤外線での超過の欠乏という結果と整合的である。

研究背景

KIC 8462852、別名 TYC 3162-665-1、あるいは 2MASS J20061546+4427248は、等級が 12の恒星である。この天体は、Planet Hunterプロジェクトによって、奇妙な光度曲線を示す天体として偶然に発見された (Fischer et al. 2012)。この天体は、 5 - 80日の継続期間を持つ、最大で ~ 20%の減光を示す (Botajian et al. 2015)。2011年3月5日からのイベントではトランジット継続時間は ~ 3日、2013年2月19日からの一連のイベントでは ~ 60日の継続時間を示した。

この天体を、スピッツァー宇宙望遠鏡の IRACで測光観測を行った。

観測結果と結論

スピッツァー宇宙望遠鏡による中間赤外線の観測からは、検出できるレベルの恒星周りのダストは存在しないと結論付けられる。従って、小惑星帯での衝突や、惑星の巨大衝突、ダストに覆われた微惑星などの説は可能性が低い。このような系であれば、3 - 5 μmで大きな超過が観測されるはずだからである。例えば BD+20307では赤外超過が観測されている (Meng et al. 2015など)。
この系に対するもっともらしいシナリオは、破壊された大きな彗星の群れによるとするものである。

今回の観測では、彗星と考えられる天体からのダストの温度などに制限をかけることは出来ていない。それらを制限するためには、より長波長の観測が必要である。






可視光で奇妙な光度曲線を示したため、「地球外文明の構造物か?」という憶測も飛び出したという、KIC 8462852の赤外線での観測結果です。
可視光での観測の結果についてはこちらも参照。
天文・宇宙物理関連メモ vol.70 Boyajian et al. (2015) KIC 8462852の奇妙な光度曲線の解析

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