忍者ブログ
日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1512.00417
Rowan et al. (2015)
The Lick-Carnegie Exoplanet Survey: HD32963 -- A New Jupiter Analog Orbiting a Sun-like Star
(リック-カーネギー系外惑星探査:HD 32963 -- 太陽型星を公転する新しい木星類似惑星)

概要

太陽型星 HD 32963の 109回の高精度視線速度観測を、Keck/HIRES spectroscopyを用いて行った結果について報告する。観測の結果、公転周期 6.49年の惑星のシグナルを検出した。最小質量は 0.7木星質量であった。

また、Keck視線速度観測での 1122個の恒星の観測結果より、木星類似惑星 (Jupiter analog)の存在頻度は ~ 3%と推定された。

パラメータ

HD 32963

有効温度:5727 K
質量:1.03太陽質量
金属量:[Fe/H] = 0.11
年齢:4.99 (+6.71, -2.55) Gyr
等級:7.6等
(データは Ramirez et al. (2013)より)

HD 32963b

軌道周期:2372日
最小質量:0.70木星質量
軌道離心率:0.07
軌道長半径:3.41 AU

拍手[0回]

PR

論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1511.08821
Bodman & Quillen (2015)
KIC 8462852: Transit of a Large Comet Family
(KIC 8462852:大きな彗星の群のトランジット)

概要

彗星起源だと考えられる、KIC 8462852の異常なトランジット光度曲線について研究を行った。観測からは、トランジット深さは ~ 20%、トランジット継続時間は ~ 3日であった。太陽系内の典型的なサイズの彗星 1つがトランジットを起こしたとする場合、トランジット深さは 10-3のオーダーで、トランジット継続時間は ~ 1日であり、共に小さすぎる値となる。

しかし、10個を超える多数の近接した彗星の一群であれば、観測されたトランジット深さとトランジット継続時間をフィットすることが可能である。同一軌道にある大きな彗星のクラスターを仮定すると、観測時期の Quarter 16, 17の KIC 8462852の光度曲線を説明することが出来る。しかし Quarter 8の大きい食については説明出来ない。

しかし、観測されているトランジットの減光からは、トランジットを起こしている天体の軌道に対しては緩い制限しかかけられていない。天体の近星点が 1桁異なるとした場合は、彗星のクラスターで説明することが出来る。

トランジット深さ ~ 0.2を説明するためには、半径が ~ 100 kmの ~ 30個の彗星からなる一群か、半径 ~ 10kmの ~ 300個からなる一群が必要である。全ての食の説明のためには、半径 ~ 100 kmの ~ 73個の彗星の一群か、半径 ~ 10 kmの ~ 731個の一群が必要である。1つの大きな前駆体となる天体が完全に破壊され、1つの彗星の族となっているというシナリオによって、~ 60日継続した KIC 8462852の異常な光度曲線を説明することが出来る。

KIC 8462852について

KIC 8462852は等級が 12の恒星であり、Planet Hunterプロジェクトによってケプラーの光度曲線に奇妙な振る舞いを示すことが分かっている (Boyajian et al. 2015)。
(※参考記事
天文・宇宙物理関連メモ vol.70 Boyajian et al. (2015) KIC 8462852の奇妙な光度曲線の解析)

Boyajian et al. (2015)によると、この星は F3Vで、WISEの観測では赤外線での超過は存在しない。しかしこの星は赤外線での測光観測での変動はモニターされてこなかった。赤外超過の欠乏は星周円盤のサイズを大きく制限するが、WISEのデータが得られた後に大量のダストが生成されたという可能性も存在する。

Wright et al. (2015)は、先進文明による巨大構造物もあり得るシナリオだとしている。
(※参考記事
天文・宇宙物理関連メモ vol.98 Wright et al. (2015) 地球外文明による巨大構造物のトランジットに関する考察)
Boyajian et al. (2015)では、彗星の群によるトランジットが最も有り得る起源だと提案しており、ここではその仮説について検証を行った。

議論

彗星によるトランジットが正しいとすると、この彗星は恒星をかすめるような軌道をとる、いわゆるサングレーザーと呼ばれるタイプの彗星である。サングレーザーは 3つの異なる機構によって作られる。古在機構 (Kozai mechanism)、永年共鳴 (secular resonance)、として平均運動共鳴 (mean motion resonance)である。

Bailey et al. (1992)によると、古在機構は小惑星帯にある高軌道傾斜角の天体からサングレーザーを効率的に作ることが出来ることを示した。また ν6永年共鳴も小惑星帯の氷天体をサングレーザーに変えることが出来る (Farinella et al. 1994)。永年共鳴は少なくとも 2つの惑星の存在が必要であり、またその惑星系の構造に対して敏感である。従って ν6は太陽系では強力で、その他の永年共鳴が他の惑星系の配置では効く可能性がある。またもし惑星がデブリ円盤中を軌道移動するのであれば、微惑星は平均運動共鳴に捕らわれやすく、それらはサングレーザーの軌道に変化する (Quillen & Holman 2000など)。

彗星が氷主体で出来ている場合は密度は 1 g cm-3であり、100 kmの半径の彗星の質量は 4 × 1021 g、10 kmの場合は 4 × 1018 gである。全ての彗星の合計の質量は、10-5地球質量もしくは 10-7地球質量である (解析中のモデルに依存)。古在機構の場合、これは半径 ~ 400 kmの高軌道離心率にある氷天体が破壊されて我々とこの恒星の視線の間を通過する必要があり、これはレアな事象であろうと考えられる。

彗星の合計質量は円盤内の遅い時期の惑星軌道移動による共鳴による掃き出し (resonance sweeping)と整合的であり、これは例えばニースモデル (Morbidelli et al. 2010)で予測されているものである。

3つのどの機構も、観測結果の説明に必要な彗星を生み出すことが可能である、しかし平均運動共鳴がもっともらしいと考えられる。

拍手[0回]


論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1511.08901
Tsiaras et al. (2015)
Detection of an atmosphere around the super-Earth 55 Cancri e
(スーパーアース かに座55番星eの大気の検出)

概要

系外惑星の発見前は、スーパーアースはSFの分野のものであったが、現在となってはわれわれの銀河の中では最もありふれた存在であるということが分かっている。これらの惑星については非常に基本的な惑星と軌道のパラメータしか得られていない。

ハッブル宇宙望遠鏡の Wide Fileld Camera 3 (WFC3)は、これまでに 2つのスーパーアース、GJ 1214b、HD 97658bの大気のトランジット分光観測をこれまでにない精度で行った。しかしこれらのスペクトルは特徴に欠けたものだった。これらの結果は、大気は厚い雲に覆われているか、水素より重い成分の大気を持つという事を示唆するものであった。

ここでは、かに座55番星eにおける、WFC3による 3例目のスーパーアースの大気の検出を報告する。この惑星は中心星に非常に近く、表面付近は 2000 K以上になっていると期待される。

観測では、各波長でのトランジット深さを相対的な平均の不確かさ ±21 ppmで測定した。各波長でのトランジット深さの変調を、振幅 ~ 100 ppmで検出した。これは不確かさの値よりも 5倍大きいものである。この観測により、かに座55番星eはおそらく水素主体の大気に覆われていると示唆される

ベイズ解析を用いた大気スペクトルから組成を復元するコードによると、観測で得られた 1.42 μmと 1.54 μmの特徴は、HCN (シアン化水素)によるものだと考えられる。この HCNの存在の確認には広い波長域での追観測が必要だが、ここでは今回得られた HCNの存在について議論を行う。

大気の化学モデルによると、比較的高い HCN混合比は、高い C/O比 (炭素・酸素比)を要求する。従ってこのスーパーアースは炭素に富んでおり、これまで考えられていたよりもエキゾチックな環境にあるということが分かった。

観測と解析結果の要約

・惑星は大気を持つ。100 ppmのスペクトルの変調がそれを示す。

・大気は軽い分子種で出来ているだろう。おそらくは原始惑星系円盤から多くの水素・ヘリウムを獲得したと考えられる。

・大気中に水の存在は確認されなかった。

・1.42 μm、1,54 μmは HCNの存在で良く説明できる。また、CO, CO2, C2H2の寄与もあり得る。

・観測から示唆されるHCNの存在比は、大気が炭素に富んでおり (C/O = 1.2)、炭素を含む分子種が卓越する事を示す。

拍手[0回]


論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1511.09097
Gettel et al. (2015)
The Kepler-454 System: A Small, Not-rocky Inner Planet, a Jovian World, and a Distant Companion
(ケプラー454系:小さく非岩石質の内側の惑星、木星型惑星と、遠方の伴星)

概要

ケプラー454 (KOI-273)は、比較的明るい (V = 11.69)、太陽型の恒星であり、周期 10.6日のトランジット惑星候補のシグナルが発見されている。この恒星は、分光観測から有効温度が 5687 K、金属量は [m/H] = 0.32である。また天球面上に投影した自転速度は 2.4 km s-1である。これらの値と、ケプラーによる星震の観測から、1.028太陽質量、1.066太陽半径、年齢は 5.35 Gyrと判明した。

これらの観測を元に、10.6日周期の惑星の半径は 2.37地球半径と算出される。また、HARPS-Nによる 63回の視線速度観測より、質量は 6.8地球質量であると判明した。

さらに、視線速度の観測から2つのトランジットをしていない伴星を検出した。一つ目は最小質量が 4.46木星質量であり、ほぼ円の軌道を 524日周期で公転している。二つ目は、軌道周期が 10年を超える、12.1木星質量より重い天体である。

惑星半径が 2.7地球半径以下のもので、質量が判明している 12の系外惑星は、2つのグループに大別することが出来る。1.6地球半径より小さいものは地球に類似した組成であり、それより大きいものは多くの揮発性物質が必要とされる。ケプラー454bは平均密度が 2.76 g cm-3であり、この 2つのグループの中間に位置する。そのため、揮発性物質か水素・ヘリウム、あるいはその両者を多く含んでいる必要があると考えられる。

組成について

半径が 1.6地球半径のもののうち、質量が分かっているものは、地球や金星と同程度の平均密度を持つ。最近発見された HD 219314bも同程度の平均密度を持っている (Motalebi et al. 2015)。
(※参考記事
天文・宇宙物理関連メモ vol. 33 Motalebi et al. (2015) 太陽系に最も近いトランジット惑星の発見)
地球と同程度ということは、つまり地球と同程度の鉄とマグネシウムシリケイトの割合になっている。

しかし 2 - 2.7地球半径の惑星は、組成は岩石主体とは非整合的である。このような惑星の密度を説明するためには、水やその他の揮発性物質、あるいは水素・ヘリウムが必要である。もし 1.6地球半径より大きい岩石惑星が存在するのであれば、より重くなければならず、従ってもっと検出されやすいはずである。

今後小さい惑星の発見数が増えてもそのような高密度の惑星が少ないのであれば、6地球質量より大きい惑星の殆どは、大量の揮発性物質か水素ヘリウム、あるいはその両方を含むエンベロープを持つということが示唆される。

拍手[0回]


論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1511.09348
Salz et al. (2015)
Energy-limited escape revised
(エネルギー律速散逸の改訂)

概要

中心星に近いガス惑星からは、光蒸発的な質量放出が発生する。大気散逸率の計算にはしばしばエネルギー律速 (energy-limited)のコンセプトが使われる。ここでは高温のガス惑星の熱圏の流体計算を行い、エネルギー律速のコンセプトは重力ポテンシャルが log10(-Φ) < 13.11 erg g-1よりも小さい場合でないと有効ではない事を示す。

重力ポテンシャルが小さい場合は、中心星からの輻射のエネルギーは惑星からの質量放出を駆動するのに使われるが、重くてコンパクトな惑星 (> 13.6 erg g-1)では、大気はより強く惑星の重力に束縛される。この場合、輻射のエネルギーはもっぱら H Lyαと自由-自由放射によって再放射される。従って流体力学的に安定な熱圏となる。この2つのレジームの中間では、大気の加熱効率の低下に従って惑星風も急速に弱くなる。

小さい惑星は、大きな熱圏を持っており輻射を受け取る断面積が大きくなるため大気の蒸発が増加する。

これらの計算から、加熱効率のスケーリング則と、熱兼の膨張した半径を与えた。どちらも重力ポテンシャルと輻射の水準に依存している。この改訂されたエネルギー律速のコンセプトは、水素主体のホットジュピターと同様に、スーパーアースサイズの惑星からの大気散逸にも用いることが出来る。

拍手[0回]