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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1812.02748
Deibert et al. (2018)
High-Resolution Transit Spectroscopy of Warm Saturns
(ウォームサターンの高分散トランジット分光)

概要

トランジットする 2 つのサブサターン質量惑星の,可視光での高分散分光観測の結果について報告する.今回観測したのは HAT-P-12bWASP-69b であり,どちらも一回のトランジットを観測した.

ドップラー相互相関技術を使って,惑星大気中のナトリウム,カリウムと水の吸収特徴を探査した.その結果,HAT-P-12b では 3.2 σ の信頼度でナトリウムによる吸収の兆候が見られた.これを元に,両惑星の大気の分子種とアルカリ金属の存在度に制約を与えた.

観測

HAT-P-12b の観測にはすばる望遠鏡の HDS (High-Dispersion Spectrograph) を使用した.観測を行ったのは 2017 年 5 月 5 日である.

WASP-69b はカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡の ESPaDOnS 分光器使用し,2017 年 6 月 10 日に観測を行った.

観測結果と過去の観測との比較

HAT-P-12b

HAT-P-12b では,大気中のナトリウム吸収は 3.2σ の信頼度で検出された.これは過去のこの惑星の観測では検出されていなかったものである (Line et al. 2013とSing et al. 2016参照).なお.カリウムの検出は見られなかった.

過去のこの惑星大気の解析では,雲の多い大気であることを示すスペクトルが見られ,検出可能な大気吸収特徴は非常に少ないことが明らかになっている.これは今回の観測結果とは整合的である.

Sing et al. (2016) と Alexoudi et al. (2018) では弱いカリウムの特徴の兆候を検出している.今回のデータでは同様の結果は得られていないが,データ中のノイズの影響か,トランジットの観測が一回のみということから,今回の観測は大気のカリウムを高い信頼度で検出するのに必要なシグナルノイズ比に達していなかった可能性がある.

WASP-69b

WASP-69b では,ナトリウムもカリウムも 3σ を超える信頼度での検出は得られなかった.

過去に Casasayas-Barris et al. (2017) でこの惑星の観測が行われており,その際は中分散分光観測を HARPS-North 分光器で行っている.それによると,ナトリウムの二重項の D2 線を 5σ の信頼度で検出したと報告されているが.今回の結果とは異なる.

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