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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1906.06305
Pérez et al. (2019)
Long baseline observations of HD100546 with ALMA: a possible circumplanetary disk detected in dust continuum and gas kinematics
(ALMA を用いた HD 100546 の長基線観測:ダスト連続波とガス運動学から検出された可能性のある周惑星円盤)

概要

巨大惑星は星周円盤全体と力学的に相互作用を起こしながら成長し,惑星の成長は周惑星円盤とそれに隣接した環境によって律速される.周惑星円盤に,ガスに加えてどれくらいのダストが存在するかは,惑星形成理論においての問題点である.

ここでは Atacama Large Millimeter/submillimeter Array (ALMA) を用いて HD 100546 を観測した.この天体は,周囲に深く広いギャップを持つ明確な円盤を持っている.ここでは,1.3 mm 連続放射の点源を 6σ の確度で円盤中の広いギャップの真ん中に検出したことを報告する

SPHERE のスパース開口マスキングデータ中では,いかなるシグナルも検出されなかった.これにより,ギャップ内の点源が恒星起源である可能性は否定される.

6σ のシグナルは,中心星から 51 arcsec の位置で,位相角 37° の場所に存在している (2017 年 9 月時点).点源が円盤と同一平面の配置である場合,点源は中心星から 7.8 au の距離の 16 年周期の軌道上にあると考えられ,これは木星の軌道と同程度である.

今回の発見は,点源の位置での速度マップの歪みから示される CO ガスの運動からも支持される.

ミリメートル波長でのフラックス,円盤の運動の歪み,放射領域への上限サイズは,検出された点源は周惑星円盤からの放射だとする考えと整合的である

また,ギャップ内の特徴に加えて,円盤と惑星の相互作用の強い特徴を,北西方向 0”.25 の連続波のリングに隣接して検出した.

背景

これまでに,いくつかの原始惑星系円盤がその内部に周惑星円盤を持つ可能性があるとの報告がある.これらは,赤外線と可視光波長での高コントラスト直接撮像から得られたものであり,HD 100546 (Quanz et al. 2013など),LkCa 15 (Kraus & Ireland 2012など),HD 169142 (Quanz et al. 2013など),MWC 758 (Reggiani et al. 2018) で報告されている.

ただし上記の検出は,原始惑星系円盤の特徴の残差である可能性があるとの指摘もある.特に角微分撮像 (angular differential imaging) の事後処理が適用されている場合は残差が発生してしまう場合がある.
あるいは未発見の原始惑星や渦状腕構造によるショック加熱の生成物が見えているだけである可能性もある (Hord et al. 2017).

Hα 線での放射は惑星への降着を示すトレーサーになると考えられているが (Aoyama et al. 2018),フィルターされた広がった放射だという疑問も示されている (Mendigut ́ıa et al. 2018).

現在の所,PDS 70 のギャップの中の原始惑星候補だけが唯一確実な検出例として残っている (Keppler et al. 2018).最近,PDS 70b のスペクトル中に見られる赤外超過が,周惑星円盤の存在を示す兆候である可能性が報告されている (Christiaens et al. 2019).

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