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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1910.04563
David et al. (2019)
Four newborn planets transiting the young solar analog V1298 Tau
(若いソーラーアナログおうし座V1298星をトランジットする 4 つの新しい惑星)

概要

前主系列星を公転する系外惑星は,惑星の進化過程を研究するための研究対象である.この進化過程には,惑星の大気の損失や軌道移動,輻射冷却などを含む.

V1298 Tau (おうし座V1298星) は 2300 万歳の若いソーラーアナログであり,そのような研究対象の一つである.
この恒星は 24 日周期の木星サイズの惑星おうし座V1298星b を持つことが既に知られている.ここでは,ケプラーの K2 ミッションの Campaign 4 の測光観測から,3 つのさらなる惑星を発見したことを報告する.

今回発見された惑星のサイズは,海王星と土星の間である.おうし座V1298星c と d はそれぞれ 5.6, 6.4 地球半径であり,軌道周期は 8.25 日と 12.40 日で,3:2 平均運動共鳴から 0.25% 外側に外れた関係にある.
おうし座V1298星e は 8.7 地球半径だが,K2 の時系列の中では 1 回のトランジットのみしか観測されなかった.そのため軌道周期は 36 日よりは長い.しかし,おそらく 223 日よりは短いと考えられる.

この系は,ケプラーで多数発見されている,コンパクトな複数惑星系の前駆体である可能性がある.しかし,ケプラーで発見されている複数惑星系の惑星は大多数が 3 地球半径よりも小さく,この系にある大きなサイズの惑星たちは,それらとは対照的である.

シンプルな力学的な考察からは,おうし座V1298星c-d ペアと d-b ペアのそれぞれの総質量は,それぞれ 28 地球質量未満と 120 地球質量未満と推定される.これらの予想質量が小さいことから,これらの惑星はまだ冷却して収縮している最中であることが示唆され,また大気を失っている最中である可能性もある.

おうし座V1298星系について

おうし座V1298星は,主系列星の前段階である前主系列星である.この系では,木星サイズの惑星 V1298 Tau b (おうし座V1298星b) がトランジット法で発見されている (David et al. 2019).

その他に前主系列星をトランジットしている惑星としては,Upper Scorpius にある K2-33b (David et al. 2016,Mann et al. 2016),DS Tuc Ab (Newton et al. 2019,Benatti et al. 2019),AU Mic b (Plavchan et al. submitted) がある.

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